13話 遊園地
姫菜が選ん場所は遊園地。
集合時間は13時過ぎくらい。
姫菜が先に現地についており、光一と柚葉を見つけるなり、手を振りながら満面の笑みで走りながら近づいてくる。
姫菜はしゃがんで柚葉に話しかける
「私のこと覚えてる〜♪キャッワッイ〜!!!」
姫菜のテンションの高さとは一方的にテンション低めの柚葉。少し沈黙が続く
「.......」
姫菜は体調が悪いのかと心配する。
「大丈夫?おなかでも痛む?」
柚葉はの重たい口を開く。
「秋穂お姉ちゃんがいい!」
姫菜の心に重たい槍が刺さる。涙目で柚葉に懇願する。
「そんなこと...言わないでよ.....」
柚葉は血も涙もない返しをする
「なんかヘンな人...」
姫菜の精神ダメージは0になり、ガーンとなる。
姫菜はウルウルさせながら光一に助けを求めるように見つめる。
光一は思った。
この3人でうまく回れるのだろうか......
光一は姫菜に任せたらヘンな方向に進みそうと感じたので自分から切り出す
「とりあえず、目に付いたものから、ぐるーっと1周する形にするか?」
柚葉
「うん!」
姫菜
「それ!いいじゃん!」
それから3時間ほどジェットコースターやメリーゴーランド、その遊園地しかないアトラクションなどをした3人。
光一の心配とは裏腹に自然と楽しんでいる2人を見て、少し安堵する。
アトラクションを周る前までは姫菜と手を繋ごうともしなかった柚葉だが、今は姫菜と自ら手を繋ぎ、笑顔で会話している。
姫菜は柚葉ちゃんが徐々に懐いていると実感しつつ、ガッツポーズをして気合を入れる
「これなら、いける!」
光一はそのガッツポーズを見て不吉な予感がして、少しだけ姫菜に釘を刺す
「このままヘンなことだけはするなよ」
姫菜は自信満々に返す
「あったり前じゃん!」
光一はさらに不安が強まりつつ、
姫菜のお腹がなり、柚葉と光一の視線が姫菜に集まる。
姫菜はとっさに光一になすりつける
「お腹すいたの〜♪仕方ないなぁ〜♪
食事にしよっか♪」
光一
「あぁ〜お前がな」
姫菜はプク〜っとほっぺを膨らして光一を睨みつける。
そんなこともありながら、少し休憩も兼ねて食事を挟むことにした3人。
お子様ランチ✕2とかつカレー✕1
食事中、姫菜は柚葉の口元に米粒がついてることに気付き取ってあげる。
「柚葉ちゃん、お米粒付いてるよ〜♪」
柚葉
「ありがとう、お姉ちゃん♪」
柚葉
「いいよ♪」
光一は不安は気のせいだったのかなと思ったタイミングで見てはいけないものを見てしまう。
姫菜は取り上げた米粒を愛しそうに見つめる。
光一はこの光景を柚葉に見せてはいけないと察した時にはもう手遅れで、光一同様に 柚葉もヤバい女という認識で無言でその様子を見ていた。
そして、姫菜は小言をこぼす
「大収穫♪」
柚葉はそれ以上先を見ていけないと直感的に感じ、自分のお皿に視線を戻す。
そして、姫菜は笑顔で口に入れて
「おっいし〜♪」
柚葉は少し肩をブルッとさせる。
光一は空いた口が塞がらず、それを見た姫菜は
「早く食べてよ!遊ぶ時間なくなっちゃうじゃん」
光一は苦笑いをしながら、
「ごめん...そうだよな. . .」
と返す。
食事も終わり、店を出る。
姫菜は柚葉の手をつなごうとするが、柚葉はさっとかわして光一と手を繋ぐ。
姫菜は光一を見て
「やっぱりお兄ちゃんには勝てないか」
と残念そうにつぶやく。
姫菜は柚葉が避けてるのでなく、まだお兄ちゃんほど好かれてはないんだなと勘違いしていた。
光一はホントのこと言うべきか迷ったが、言えず
「...そう、なのかなぁ、、」
としか言えなかった。