17 秘策
そして、花蓮の提案から、近くのカフェで打ち上げをすることに。
花蓮を含めた転校生4人と東雲翼と光一を含め、6人となり、残りのバンドメンバーは個々に予定があったため、不参加となった。
たわいもない会話が続く中、花蓮が話を切り出す。
花蓮
「光一くん、4人とデートして誰を好きになったの?」
秋穂と光一は質問が唐突すぎて咳き込む。
姫菜は2人の息ぴったりの様子を見て、2人を少し怪しむ。
秋穂
「いきなり、何言いだすんですか!?」
光一
「そんなのいるわけないだろ!」
花蓮は2人をからかうように
「あれ、もしかして、もうできてるの?」
と秋穂の方を見つめる。
秋穂は真っ向から否定する。
「こんなマヌケそうな猿はごめんですよ!」
姫菜は秋穂の発言を聞いて、安堵する。
花蓮
「好きじゃなくてもカワイイなって思った子くらいはいるでしょ?教えてよ♪」
光一は照れを隠しつつ、否定する
「いなかった」
碧は光一を見透かすように
「それくらい素直に答えなよ。まともに彼女なんていたことないチキン野郎くん」
光一は心の中でこの女の名前は出さないと決めた。
姫菜も当然気になっており、光一の答えをせかす。
「いるなら、言いなよ」
光一
「えっ?急すぎて、その...」
翼は急にカウントダウンを始める。
「5..4..3...」
光一は走馬灯のように考え込む。
そして、答えを出す。光一は姫菜と秋穂で迷ったが、姫菜のデートでの最後のの質問が印象的に覚えており、名前を口にする。
「...姫菜かも...」
姫菜は飲んでいる物を吹き出し罵倒する。
「ありえない!バカじゃないの!?ないなら、絶対にないから!!」
碧
「おぉー!これは意外!」
花蓮は不満気に
「あんなに楽しいライブしたのに〜」
秋穂は自分の名前があがらず、安堵する。
姫菜は罵倒しつつも内心、嬉しく、光一のLINEに☺マークを送る。
光一はそれを見て、ちょっと恥ずかしい気持ちになった。
翼はここで思い切った話をする。
「あのさ、ここで言うのもあれなんだけど、光一くんを私にも貸してくれないかな?」
周り
「ん?」
翼
「一時的な男避け対策で彼氏にしたいなって、光一くんなら、信用できるかなって、ダメか、な?」
光一
「いや、他校にいるとかじゃダメなの?」
翼
「それじゃ、今と変わんないじゃん、
いいでしょ♪ダメ♪」
光一は照れつつ、承認する。
「...うん、わかった」
花蓮は自分の告白を否定した光一があまりにもあっさり認めるので、光一を問い詰める。
「私の告白はなんでダメなの!?」
光一
「いや、それとこれは...」
花蓮
「だったら、私も一時的な彼女になるから!!」
姫菜は心の中で葛藤する。
えーーー!!!!どうしよう!?なんか話がどんどん進んでる!!翼ちゃんは好意的なものじゃないからいいけど、花蓮は別だし、断ってほしい!!
光一
「いや...」
秋穂は光一を説得する
「こうなったら仕方ありません。花蓮のわがままに付き合って下さい。一度言ったら、止められないので」
花蓮
「うん!うん!そうだよ!」
光一
「マジか...」
姫菜は光一が断るように心の中でお祈りする
翼
「まぁ、いいんじゃん♪光一♪花蓮ちゃんも彼女にしちゃいなよ♪」
光一は翼には逆らえないので
「...うん、わかったよ」
花蓮は2人の会話を聞いてて思った。
光一くんは翼ちゃんには大きな反抗なく従ってる。彼氏、彼女とは違う何か別の関係があるのかもしれない...
姫菜はほっぺを膨らまし、光一を睨みつけ、
変態!と罵倒したLINEを送る。
そして翼はさらに大きなことを言う。
「そうえばさ、夏休み皆で海行きたいんだよね♪私たち一応、学園のマドンナって言われてるじゃん♪」
秋穂
「そうなんですか!?」
碧
「悪くない、響き♪」
姫菜
「海?」
花蓮
「別にいいけど」
翼
「それでさ、その時に神楽光一も一緒でどうかなって。」
光一と4人は翼から光一の発言が飛び出すことにびっくり。
「光一!!?」
翼
「私の知り合いに探偵がいてさ、私も前々から気になってたから、調査しておいたんだ。それで、知っては知ってるんだけど、本人の意思もあるからそれなりに大変でさ、なんとか説得してみようとは思うけど」
光一は汗をダラダラかきながら、どうしようというような感じで爪を噛みながら、ヤバい顔つきになる。
秋穂と碧は目を輝かしながら、翼を見つめる。
姫菜と花蓮は光一の反応があまりにもおかしかったのでじっと見つめてみる。
光一は2人の視線に気づき、ニコッと笑う。
2人は確信した。
この人は黒だ..そして、本当に本人かもしれない。
打ち上げも終わり、翼は光一とコンビニで2人きりで話す
光一
「何がしたいんだよ!?おまえ!?」
翼
「応急処置」
光一
「応急処置?」
翼
「花蓮ちゃんはほぼあなただって確証得てるし、姫菜も怪しんでる。こうなったら替え玉で、光一をその人だって信じ込ませるしかないのよ」
光一
「そんなうまくいくのか?」
翼はニコッと笑い
「確率的に10%かしら♪」
光一はノーテンキな翼のようにイラっとする。