14 遊園地②
最後に目に付いた観覧車に乗ることにした、3人。
光一と姫菜が先に乗り、
姫菜は両手を広げ、
「さぁ、おいで♪」
とこれでもかと柚葉にアピール。
光一は柚葉の引く様子を見て絶対来ないと確信した。
柚葉が隣に選んだのは当然ながら、光一の方だった。
姫菜は大きなショックを受ける。
ガーン!!!!
姫菜はハンカチを噛んで涙目で光一を睨みつける。
光一は思った。
降りるまでこれが続くのか...全然楽しめねぇ...
1周してドアが開き、真っ先に飛び出す姫菜。
両手を広げながらさっきと同じアピールをする。
「お姉ちゃんとハグしよ♪」
こうなったら、せめてハグだけでも....
柚葉は姫菜のあまりの必死さに恐怖を感じ、光一の裾を摑んで後ろに隠れる。
姫菜は光一を指差し
「卑怯者めが!!」と罵倒する。
光一
「なぜそうなる!?」
姫菜は急にカバンの中をガチャガチャする。
光一は引き顔で
「今度は何を始める気なんだよ、、」
柚葉は中身が気になっている様子だ。
姫菜は札束 100万円✕5
「ジャッジャ〜ン♪どうよ♪これ!」
光一は飛んだバカが現れたと思った。
しかし、柚葉は大金に目を輝かして、姫菜の方へ真っ先に近づいていた。
光一は驚きを隠せない。
「マジか!?」
姫菜
「これで何でも買ってあげるよ♪」
柚葉
「マジ神!」
姫菜は神という言葉に嬉しくなって、
「もう一回!もう一回!」
柚葉
「神様!お姉ちゃん!神様!」
姫菜は念願のハグをした。
光一は2人の様子を見てつぶやく。
「なんて汚ねぇ関係性なんだ....」
そして、お土産屋へ。
姫菜は柚葉と周るか迷ったが、また嫌われるのがイヤだったので、
「私、個人的にみたいのあるから、2人で周ってね♪」
とその場を後にしようとする。
しかし、光一が腕を掴み、それを止める。
光一は姫菜の考えてることが手に取るようにわかり、手助けしてあげることにした。
姫菜は今でも泣きそうなのを我慢しているような表情をしていた。
光一は柚葉の肩をそっとつかんで、
「今日はこのバカ女と周れ!」
柚葉
「絶対にイヤ!」
姫菜
「もういいって!」
光一は柚葉の説得を続ける。
「今日、楽しい時間を過ごせてるのはコイツのおかげだぞ。コイツがいなかったら、今日、ここには来てないんだからな。」
柚葉
「だって、お姉ちゃん怖いんだもん..」
姫菜は涙を流し始め、そっとしゃがみ込んで
「だよね...ごめんね♪」
柚葉は少し悪いことしてしまったような表情になり、光一はこのタイミングしかないと思い、勝負に出る
光一は真剣な眼差しで話す
「柚葉、お前の感情は正常な判断だ。
このバカ女は常軌を逸した変態さん。それだけなんだ!安心しろ!」
姫菜
「安心できるかー!!!」
とツッコミを入れる。
柚葉はクスクス笑い始める。
「...プフっ...」
光一は姫菜を見て、ニコッと笑い
「ナイスツッコミだな!変態バカ女!」
姫菜は心の中がポカポカしつつ
「全然、嬉しくないんだけど!」
そんなこともあり最後のショッピングも楽しく終わり、寝ている柚葉を光一がおんぶしながら帰る。