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夜の学校は少し怖い

「探検」

「空き教室の確認に行くのが優先だからね。遅くなるとさすがに抜け出したことがバレそうだし……」


 私たちは深夜の学校に侵入していた。ベルギアが周囲に人がいないか確認したら、音をたてずに動く。ゲームで時々あったな。


「見廻りの先生とかいなかったね。噂を聞いて面白半分で侵入しようとする生徒とかいそうだけど」

「違和感 急ぐ」


 ベルギアが焦り始めた。駆け足になったので慌てて私も追いかける。


「人間 少なすぎ 違和感」

「学園長は? よく夜遅くまで残っているってロキが言っていたわよ」

「学園長 出張 最近多い」


 頼みの綱である学園長がいない。

ベルギアがいるから大丈夫とは思うけど少し不安になってきた。


「到着」

「ちょっ!?」


 家に帰ってきた時と同じようにベルギアは勢いよくドアを開けた。


「うわぁぁぁぁぁ!?」

「んぎゃぁぁぁぁ!?」


 部屋にいた誰かが叫んだことに驚いて叫んでしまった。ベルギアは眉1つ動いてないし声も出していない。


「え、え? ど、どなた?」


 部屋にいたのは美女だった。恐らくクレアが夢で見たという女性だろう。


 美女は白衣を着ており、私より少し背が高い。

可愛い系というよりは美人系の顔だが、ビクビクと震えているからか威圧感が感じられない。恐らく20代くらいだ。

よほど怖かったのか今もプルプルと震えている。


「不審者 通報」

「まってまってまって! ちがうの!」

「不審者」


 部屋の中でベルギアと美女のおいかけっこが始まった。ベルギアがやや優勢である。


「全部話すからぁ!」

「ベルギア、まずは話をきいてみない?」

「承認」


 ベルギアが追いかけるのをやめたため、美女はぜえぜえとなりながら元いた場所に戻った。

 ベルギアはまだ警戒を解いていない。


「さて、どこから話したものか……」


 白衣を着た美女。深い緑色の髪。


 嗚呼、そうか。また思い出した。けれど……


 どうしてミナヅキにいるはずの人がここにいるのだろう。


「儂はセツナといいます。普段はミナヅキの研究所で働いています」

「何故ここにいるのですか?」

「実はある調査をしたくて……」


 セツナは足元に置いていた鞄を開いた。

 中に入っていたのは様々な魔獣の体毛の一部。


「魔獣 危険」

「あっ、研究ですから! 悪用はしません!」


 私の記憶が正しければ、セツナは魔獣の研究をしていた。彼女は嘘をついていないようだ。


「それとこの空き教室の関係は?」


 一番の疑問はこれだ。どうしてミナヅキ編に登場する悪役がここにいるのだろう。あと、どうしてこんなに性格が丸くなっているのだろう。


「実は……この国の魔獣について情報を集めたかったのですが……ほら、儂ってこんなんだからぁ」


 エルフィン王国の魔獣について聞き込みをしたかったが、人見知りのせいで難航して……


「不法侵入 ルーシェ 危険」

「ひぇぇ!」

「まぁ最後まで聞いてみましょう。それで、この教室で研究を? 宿は?」


「ミナヅキの酒場で飲みまくって酔った時に、ルリさんという方が介抱してくださったんですけど、エルフィン王国に行くことを話したら、『お金がないなら魔法学園の空き教室に泊まればいいよ。そこなら絶対にバレないから』って教えてくれたんです」


 私は天井を見上げた。ここでもルリか……


 彼女が「てへっ」といいながら舌ペロしている姿が容易に想像できた。


「だからといって鵜呑みにして本当に泊まるなんて……」

「分かってます! だから儂はどうしても宿代を用意できなかった日だけの予定だったんです。それが……」


 セツナは絶望を隠さず、半泣きになった。


「この建物から出られないんです!」



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