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大罪集めの周記録  作者: 大罪の戯れ
第1章「静かな波 穏やかな風」
5/7

第5話「怠惰の過去」

10年前

怠惰(うーん。ここ何処だろう?寝てたら迷っちゃった。とりあえず…)

怠惰権限「怠惰反転」

怠惰(これでまわりからは猫に見えるはず。ん?あそこに人間がいる。)

サラ「はー忙しい!残り仕事数806件!?終わるわけないじゃん!」

怠惰(うわー忙しそう。僕とは正反対だなー。)

サラ「あれ?もう、休憩時間だ。」

怠惰(どこに行くのかな?出口かもしれないからついて行こうかねー?)

サラ「ラハ〜!」

ラハ「サラじゃないか!どうしたんだい?」

サラ「ねえ!私の仕事の量おかしくない?遊ぶ時間が減っていってる気がするんだけど…」

ラハ「ごめんね!言っておくからね〜!さて今日はなにして遊ぼうか?」

サラ「ラハは遊んでいいの?」

ラハ「…ダメかもしれない」

サラ「ダメじゃん!」

サラ ラハ「あはははは!」

6日後

怠惰(数日過ごしてわかって来たことがある。まずあの女はサラ。そしてその結婚相手のラハ。ラハはこの国の王様で、サラは部隊のまとめ役として働いている。ラハもサラも沢山の仕事が重なっている。だから、会いに行けない日が多い。そして…)

サラ「…ポチポチ」

怠惰(サラの精神が壊れ始めている。)

サラ「あれ?もうこんな時間か…寝よう。」

怠惰(最近はずっとこれだねー。今日もラハに合わなくていいのかな?)

13日目

サラ「…ポチポチ」

怠惰(パソコンがついていない。本格的に壊れ始めたな。…はぁ乗り気じゃないけど、ここまで怠惰じゃない人間を見てられないし助けますか。)

怠惰権限「怠惰反転」「怠惰な世界」

サラ「え?」

怠惰「こんにちは。」

サラ「猫が…喋った。はぁ、夢か早く起きないと、仕事をやらないと、」

怠惰「無視するなんて酷いなぁ。今君にかわって仕事をやってあげてるのに。」

サラ「それってどういう。」

怠惰「今、君の体の主導権を僕がとって君の代わりにあることをしてあげるんだよー。」

サラ「どうする気?」

怠惰「どうもしないさ。ラハって人に会いに行くだけ。」

サラ「それはダメ!」

怠惰「なんで?」

サラ「あの人は私の事は好きでは無いの!」

怠惰「そんなこと言ってー本当は、ラハが君を好きかどうかを知りたくないだけでしょ?真実が怖いんでしょ?」

サラ「…」

怠惰「図星だねー。大丈夫、君は見ているだけでいいから。」シュン

サラ「まって!やめて!」

怠惰サ「ふぅ、それでは行きますかー」

ーーーーーーーーーーーーーーー

怠惰サ「確かここだったよーな あっ、いた。ラハ〜」

ラハ「あれ?サラじゃないか、久しぶりだね!」

怠惰サ「ごめんね!少し仕事に集中してて、」

ラハ「あ〜そうな…ん、おいお前誰だ?」

怠惰サ「え?なにを言ってるの?」

ラハ「確かに見た目、声質、クセ全てサラだ。でも、長年サラを見てきた俺の全細胞が違うと言っている。サラはどこにいる!」

怠惰サ「…なーんだ。大好きじゃないか、君のこと」

怠惰権限解除

ラハ「サラ!」

サラ「ごめんなさい!ごめんなさい!疑ってごめんなさい!ラハが私では無い私に騙されるんじゃないかって!」

ラハ「サラ…こっちこそごめんな。会いに行かず。ずっと怖かったんだ!サラが俺を拒否するかもと思って!ずっと怖くて!」

サラ「全くいつまで子供なのよ…」

怠惰「あのーお二人さん?いい所を邪魔するようで悪いですが、」

ラハ「あっ!サラ後ろに隠れてて」

サラ「わかったわ。」

ラハ「何の用だ?」

怠惰「全く助けてあげたのにー態度が傲慢だねー。まぁいいや、サラさんの残り仕事件数って知ってる?」

ラハ「…知らない」

怠惰「1506件だよ。」

ラハ「なに?」

怠惰「もう人がやる域超えてるよねー。刺すようで悪いけど、君は大事な人すらも守れないのかい?もし僕がいなかったら過労死していたかもしれないんだよ?」

ラハ「…」

怠惰「黙るな!お前は人を、愛する人を、守る人を、殺しそうになったんだぞ?それもお前のせいだぞ?お前が異変に気づいてやれば、普段から寄り添っていれば!こんなことにはならなかった!周りも見ずに愛する人を持つな!」

ラハ「…」

怠惰「捨てられないんだったら僕が捨ててあげるよ。幸いなことに僕がいるからね。バレずに異世界に持って行けるよー?そうだなーまずは君の家族全て捨ててあげる。」

ラハ「…確かに、俺はまだ自分のことすらも見れていないのに愛すべきもの、守るものを増やしてしまった。」

怠惰「で?どうするの?消すの?」

ラハ「消さない!」

怠惰「はぁ、二の舞になるだけだよ?」

ラハ「いや、今度はしっかりとする周りにいつも以上に時間をかけていく。だが、それだけでは絶対に無理なんだ。だから…君、サラと契約をしてくれないか?」

怠惰「ふふふ。ふふふふふ。まさか僕と契約をして欲しいだと?今?」

ラハ「あぁ、お願いする!絶対ダメな所が出てくると思うんだ。そこを君にお願いしたい!」

怠惰「…ちゃんとした考えがあるんだね。いいよー。してあげる。ただ、契約はお互いの同意で成り立つんだ。サラが納得しなくては行けないよ?」

サラ「…はぁ、愛する人の成長のためよ。もちろん協力するわ。」

怠惰「それでは契約を開始ー。契約内容 サラは七つの大罪怠惰を孤独にさせない 七つの大罪怠惰はサラを支える 契約破棄 サラが死んだ時 ラハが1人前になった時 汝はこれを認め、縛りを抱えるか?」

サラ「えぇ。」ファン

ラハ「サラ!?」

怠惰「安心して。気力が奪われて気絶しているだけだよー。あと数時間したら目を覚ますだろうねー。」

ラハ「そうか、良かった。そして、ありがとう。」

ーーーーーーーーーーーーーーー

3年後

ラハ「おーいサラー!」

サラ「あら?ラハどうしたの?」

怠惰(どうやらこの国は経済安定期に入ったみたいで仕事が減ったらしい。でも、仕事が減ったからといって、目の前でイチャイチャしないでほしいなー。)

ラハ「あっ、そういえば怠惰に聞きたいことがあったんだよね!」

サラ「そうなの?たいちゃーん。出ておいでー」

怠惰「後ろにいますが。」

ラハ「いつの間に!」

怠惰「なんの用?ねむいんだけど」

ラハ「実は3年前のあの事件の時、契約内容に孤独にさせないみたいなこと言ってたよね?あれってなんなの?」

怠惰「記憶力いいねー。あれは僕の願い、いつも怠けるからねー。当たり前だけど、人がまわりから居なくなるんだ。だから、僕は契約内容に孤独にさせないことにしたんだよ。ってなんで泣いてるの?」

サラ「うっうぅぅ。だってーそんな悲しいこと言われたらー。」

ラハ「そうだぞー。安心しろ孤独にはさせないからな。」

怠惰「あっそ。」

ーーーーーーーーーーーーーーー

8年後

怠惰(あの事件から8年。懐かしいなー。)

怠惰「ねぇ、サラ。多分もう少しで契約は終了すると思うんだよねー。…サラ?サラ!?まずい!」

ーーーーーーーーーーーーーーー

怠惰(くっそ。サラが気を失ってから数日。全く起きる気配はない。)

ラハ「なぁ怠惰。サラには何が起きてるんだ?」

怠惰「…」

ラハ「教えてくれよ!家族だろ?」

怠惰「…サラは…斑晶病だ。」

ラハ「なに?」

斑晶病

それは、体に斑点がつきその後数日かけて結晶が作られるという難病だ。治療法はない。

サラ「うっうん?」

ラハ「サラっ!サラっ!」

サラ「もう、そんな大声で言わないの。聞こえるんだから…」

怠惰「…」

怠惰(サラは確実に無理をしている。斑晶病は本来、気を失いながら体全体が結晶化していく、起きれただけでも奇跡だ。)

サラ「たいちゃん…?」

怠惰「今はラハと話してやってくれ。」

サラ「たいちゃん。わたしはあなたにやってほしいことがあるの。」

怠惰「なんだい?言ってみて。」

サラ「最後くらい笑ってよね。」

パキッ フォォォン

怠惰「それってどういう?」

サラ「ごめんね…たいちゃん。また…1人にして…」

ラハ「怠惰…大丈夫。お前にピッタリな主がまた見つかるさ…」

怠惰(これは移転石!?)

怠惰「ふざけるな!」

サラ「たいちゃん…」

怠惰「…主の…最後の願いだからな。またな、絶対!またどこかで!」

サラ「うん、あり…がとう。」

ラハ「感謝する…。」

パァァァァ

ーーーーーーーーーーーーーーー

怠惰「…久しぶりだねー。あの夢を見たのは。」

怠惰(契約は…もちろん主のしかないよね。とりあえず移動するかー。)ガチャ

怠惰「よくねたー。」

ロウ「たいちゃん!」

サラ「たいちゃん!」

怠惰「…どうしたのー?」

ロウ「良かった!本当に無事で…良かった!」

怠惰「大丈夫だよー。死んでも復活するし」

ロウ「そういう問題じゃないでしょ!」

怠惰(あのときサラがとった選択が正解か不正解かどうかは分からない。だけど、孤独では無い。)

怠惰「やっぱり、主で正解だったー。」

ーーーーーーーーーーーーーーー

番外編

暴食(なんだろう。最近俺っちの権限怪我にしか使ってない気がする。)

暴食「ほい、おしまい。あとは家に帰って安静にされるだけっす。」

憤怒「…どうやって?」

ロウ「あ、そうか。たいちゃん寝てるから…」

傲慢「暴食よ…憤怒以外食べよ」

ロウ「えっ?なんで?」

傲慢「憤怒が暴食を抱えて全速力で家に帰る。さすがに憤怒も5人抱えられないからな。」

憤怒「わしが、かってにやることになってない?」

暴食「分かったっす!」

暴食権限「食袋」集

暴食「憤怒!頼んだっすよ!」

憤怒「わしに人権はないのか!」

傲慢(あるわけないだろ。大罪なんだから。)

憤怒「じゃあ傲慢でもよかろうて!」

傲慢(我は疲れているのだ。)

憤怒「ワシだって…」

ロウ(ごめんね!今頼れるのは憤怒だけなんだ!)

憤怒「ぐぬぬぬ、ふざけるなー!」

↑結局憤怒が運んだ。

たいちゃんの過去はきついねー。

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