第2話「不思議な少女」
ロウ「1人こっちに来たか。」
暴食「主!俺は傲慢に手出しするなと言われてるので治療して待ってるっす!」
ロウ「わかった!」
暴食権限 空喰
暴食「ふぅ、終わりー。あとは主の戦いを記録するだけ。」
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ロウ「ぐっ!」
モブF「弱いね君。」
ロウ「知ってる!」
ロウ(くそー。あいつ早い。近距離戦に全く持っていけない。)
モブF(ふむ。すぐ近距離戦に持ち込む当たり、近距離用の能力かそれとも制御が難しい系。まぁどちらにせよこのまま遠距離で戦おう。)
ロウ「あーー!!面白くない!もういい!一気に畳み掛ける!」
モブF「なに?」
ロウ「分身「起」!」
モブF「なるほど分身系か」
ロウ(分身をだすと戦力はもちろん倍となるが、分身の情報も共有され、脳への負担も倍となる。今の僕では2人が限界だ。)
モブF「ならこっちも、気力操作「気身強化」、私には能力がないが気力で自分を強化できる。」
ロウ「何!?がぁ!」
ロウ(くそぉ見えない!)
モブF「このまま死んでもらう」
ロウ「ぐぁ!」
モブF「ふぅ。次はあっち…だ?」
コフッ
ロウ「何終わった気でいるの?怠惰なの?」
モブF「さっき急所を刺したはず…」
ロウ「ザンネン!!僕の傷は分身に移動することができるんですぅ!でも、痛みはあるんだよ?憤怒だよねー。」ザクッ
モブF「なぜ分身を殺して…」
ロウ「あたり前じゃん!このまま戻すと僕まで傷を負うのだから。傲慢だねー君。」
モブF「狂っ…て…る!」
ロウ「知ってる。」
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ロウ「終わったー!!」
暴食「どうする?」
ロウ「んー、とりあえず戻りますか!」
傲慢「はぁ、ここからが黒銀の森の真骨頂なのに」
ロウ「なんか言った?」
傲慢「いやなんでもない、帰るぞ」
ロウ「しかしなんでこんなところにいるのかね?」
憤怒「ロクなことがなさそうだな。」
傲慢「はぁ、厄介事を持ってきおって、」
怠惰(Zzzzz…)
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ロウ「ふぅ、とりあえず家まで運んでこれたけどどうしようかな?」
暴食「症状は大量出血による貧血状態と気絶だね。俺でも失ったぶんの血液は戻せないからあと数分もすれば目覚めると思うっす!」
ロウ「ぼーちゃんありがとうね!」
暴食「これくらい楽勝っす!」
傲慢(ふーむ。この服は良質なもので作られている、そうすると貴族以上だな。そう考えると、あの森にいたのは暗殺のためか?まぁ今はこの人間が起きるのを待つか。)
憤怒「おい、おかゆを作ってきたのである。体内の血液を増やす薬草を沢山入れたからすぐによくなるはずだ。」
???「いい匂い!」
ロウ「あっ!」
???「あれ?ここは?え?だれ?」
傲慢「落ち着きたまえ。我は傲慢。そこにいる角にいるコミュ障のやつがロウだ。一応、我らの主をやっているぞ。」
ロウ「一応って。てかコミュ障じゃないからな!人が苦手ってだけで」
傲慢「それをコミュ障と言うのではないか主よ?」
ロウ「確かに、そうだけど…」
???「スーハースーハー。はい。ありがとうございます。落ち着きました。」
傲慢「それは良かった。貴様の名前を教えて貰うぞ?」
???「私の名前はロラシオン。年齢は17です。」
憤怒「とりあえずこれを食え。血液が足りていないぞ?」
ロラシオン「あれ?私は致命傷を負っていたはずなのに。」
暴食「それは僕のおかげっすよ!僕が傷を食べたっす!」
ロラシオン「食べた?傷口を?」
傲慢「おい、暴食。貴様がいると混乱する。静かにしていろ。」
暴食「ショボーン」
怠惰(あれ?いつの間に家に来たんだ?まぁまだなんか話してる見たいだし寝てよー。)
傲慢「ところでなんであんなところにいたんだ?あそこは黒銀の森。普通の人間だったら妖怪に食われて死ぬぞ?」
ロウ(なぁフンさん。黒銀の森ってなに?)
憤怒(黒銀の森は強大の力を持った妖怪がうじゃうじゃいるところである。場所を知っていると見るにアルカスタの移動途中に主の修行場所として誘導していたと見れるであるな。)
ロウ(…)
ロラシオン「簡単に言うと私は貴族で、兄の部隊に暗殺されそうになっていました…」
傲慢「やはりな。」
ロウ「わかってたのか?ゴウさん」
傲慢「あぁ、服を見れば一目瞭然。ロラシオンが着ている服はかなり良質な服だぞ?庶民ではそんな服なんか着れない。そこから貴族と予想したまでだ。」
ロラシオン「すごい観察力!!そして、黒銀の森にいるとわかるということはわざと黒銀の森で修行をする実力者なのですね!すごい!かっこいい!」
傲慢「ほぉ、そこまで気付くとは。ただの人間にしてはやるな小娘。」
ロウ(ゴウさん調子に乗ってるな。)
ロラシオン「ただの人間?それってどういう…」
ロウ「ストップ!ストォォォップ!!」
傲慢「なんだ主よ?」
ロウ「ゴッほん。これ以上続けると終わらなくなるからここで区切らせてもらうね!」
ロラシオン「は、はぁ」
憤怒「とりあえず君はどうしたいのだ?家に帰るか 旅人になるか 人生に絶望して死ぬか それくらいしか選択肢はないと思うのである。」
ロラシオン「そうですね…モグモグ、少し考えさせてもらっても…いいでしょうか?」
傲慢「1週間やる。この1週間までにまとめておけ。その間は衣食住を用意してやる。」
ロウ(一応僕が主なんだけどなぁ)
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その日の夜
傲慢「この時間がやってきたな!ん?あそこにいるのは…」
ロラシオン「はぁ、これからどうしよう。うぅぅぅ」
傲慢(何かと思って来てみれば…それもそうか。こいつは良くも悪くも人間それもただの17歳。兄に裏切られ、家には帰れず絶望するのは無理もない。)
ロウ「あれ?こんなところで何してるの?」
ロラシオン「えっ?あっいやなんでもないです。すいません。」
ロウ「まぁまぁ一旦ここで話そうよ。それで?どうしたの?」
ロラシオン「どうしたの?とは?」
ロウ「いや。君死ぬほど悩んでるでしょ?」
ロラシオン「…」
ロウ「まぁそれもそうか。確か兄に殺されそうになったんだよね?すごく悩むのも」
ロラシオン「うるさい!あなたに何が分かるってんですか?兄に裏切られ、もしかしたら母様やお父様に一生会えないかもしれないのに!うぅぅぅ」
ロウ「僕はね元々母と父が居ないんだよ。」
ザー…
???「ごめんな…ーーー。お前は悪くないからな…」
???「いやだ!死なないで!」
ロラシオン「え?」
傲慢(いや、それは違う。)
ザザ、ザー…
???「死ぬ時にそんな顔見せるないでよ…ーーー。」
???「でもぉ!でもぉ!」
???「はぁ、しょうがない。能力発動。」
???「え?待ってよ!」
???「大丈夫。いつかきっとまた出会える…その時は…」
ロラシオン「あの?大丈夫ですか?」
ロウ「あ、あぁ。ごめんね。話は戻すけど、君はまだ"もしかしたら"の段階だろう?まだ希望はあるよ?その希望を無くなった時から絶望すればいいんじゃないかなー。なんて、上から目線だけど僕からのアドバイス。人間1度や2度壊れることの方が大事なのさ。それでなきゃ、自分を過信しすぎてしまうからね。」
ロラシオン「はぁ、ほんとですよ!上から目線ですね!でも…なんか悩みが薄くなりました!人と話すと悩みが薄れるってのは本当なんですね!それよりも…」
ロウ「はい?」
ロラシオン「乙女の涙を見るとは何事ですかー!?もうお嫁に行けない!」
ロウ「えっ?あっ?ごめんね?」
ロラシオン(そこは"僕が貰ってやるよ"とか言って欲しかったですね。)
ロラシオン「もういいですー。目標は決まりました!とりあえずくそ兄貴をぶん殴るまではここで修行をつけて貰ってもいいですか?」
ロウ「は、はぁ。」
傲慢(兄貴をぶっ飛ばすだと?こんな面白い思考の人間は3人目だな。類は友を呼ぶだったか?)
傲慢「主よ?我も賛成だ。こんな面白ケフンケフン ポジティブな人間はそうそういない。」
ロウ「うっぇ?いつから居たの?あと完全に面白いって言ったよね?ロラシオンさんは本当にいいの?修行きついよ?」
ロラシオン「大丈夫です。それでこそ修行ですから。」
傲慢「ロラシオンを見習ったらどうだ?主よ。」
ロウ「絶対に無理だね。」
ロウ ロラシオン「アハハハハハハ」
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朝
ロラシオン「ということで!ここで修行をつけてもらうことになりました。ロラシオンです!よろしくお願いします!」
「おーパチパチパチ」
暴食「てことは強欲はまだ捕まえないということっすか?」
ロウ「え?」
傲慢「あぁ、そうだな。ロラシオンが完治するまでは捕まえない。」
ロウ(強欲のこと忘れてたとは言わないでおこう)
傲慢「とりあえずロラシオンは明日になるまで修行は行わないでくれ。」
ロラシオン「はい。今体を動かしても負担がかかって治療が遅れるからですよね。」
傲慢「自分のことをよく見てるではないか。主もロラシオンが完治するまでは修行だぞ?昨日の戦いで反省点がいくつも見つかったからな。」
ロウ「うん。それは僕も実感してる。」
怠惰「ふぁぁぁ、おはよー」
憤怒「起きるのが遅いのである!」
怠惰「はいはい、ところでこれはなんの集まり?」
ロウ「あぁ、ロラさんがここで修行していくよーの会。」
怠惰「へぇ、どうでもいいや」
ロラシオン「あっよろしくお願いしますね」
怠惰「うん、よろし…何故生きている!」
ロラシオン「え?あっ皆さんに助けられて…」
怠惰「…いやそんなはずは無い。確かに…いやでも」
ザー…
???「ごめんね…たいちゃん。また…1人にして…」
???「怠惰…大丈夫。お前にピッタリな主がまた見つかるさ…」
ロウ「たいちゃん大丈夫?」
怠惰「…ごめん。少しサボる」
憤怒「いつもサボっているであろう。」
怠惰「アハハ確かにそうだね。それじゃ…寝てくる。」
ロウ「う、うん。」
憤怒「いつもより元気がないな。」
ロラシオン「なにかしてしまったのでしょうか。」
傲慢「気にする事はない。ねぼけているだけだろう。」
ロウ「うーん…そういうことにしておこうか。今は修行に集中しよう。」
それから僕は修行 ロラシオンは旅の目的を聞いたり、体力作りとか色々した。
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4日目
ロウ「ん?ねぇたいちゃん!」
怠惰「なにー?」
ロウ「この前の戦いの時、遠くにいる人を感知していたよね!どうやったの?」
傲慢「それについては我が教えよう!」
ロウ「ゴウ先生お願いしまーす」
傲慢「主よこの世界には「気力」と「魔力」というものがある。気力は体内にあり、魔力はそこらをうようよ漂っている。気力は自分の強化や治癒などといった、自身に使うことが出来る。この前戦った相手も使っていたな。気力は鍛えれば上限を増やすことも出来るぞ。次は魔力だ。魔力は主に魔法陣を作っての使用となる。」
ロウ「主にってことは別なことにも使えるの?」
傲慢「そうだな。魔力を自身に含ませることで身体機能を大幅にあげることができる技があるが、魔力に耐えきれないと体が腐敗したり、後遺症が残ると言った事例もある。」
ロウ「ほえー」
傲慢「話がズレたな。魔力は地域によって「濃さ」が違ってくる。濃ければ濃いほど、燃費の悪い魔法をバンバン打てる。いかにその地域の特性を知っているかが鍵になるな。これからロウには気力上限アップと能力の強化を行ってもらう。きついぞ?」
ロウ「頑張るさ。」
怠惰「Zzzzz…」
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1週間後
ロウ「さーてそろそろ行きますかー」
暴食「やっとっすね!」
怠惰「もういくのー?まだねてたいよー」
憤怒「怠惰は寝ながらいけるだろ!」
傲慢「騒がしいぞ。出発の時くらい静かに出来んのか?」
ロラシオン「まぁまぁ寂しくないってことで」
ロウ「そうそう」
傲慢「はぁ」
ロウ「強欲を捕まえにアラカスタに出発!」
傲慢 憤怒 暴食 怠惰 ロラシオン「おー!」
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「番外編」
ロラシオンの相談に乗った次の日
ロウ「ていうかゴウさん!」
傲慢「なんだ?主よ」
ロウ「よく考えたらさ?ゴウさんはあの時間まで起きて何をしてたの?」
傲慢「ふむ?あぁ日課のトレーニングをだな?」
ロウ「ふ〜ん」
怠惰(言えないよねー。あの時間は主の睡眠の深さがいちばん低い時。その時を毎夜毎夜狙って忍び込んで頭をヨシヨシしたり、ギューってしたりしてるなんて。いかにもなクールキャラだもんなー。)
クールキャラがデレるっていいよね。