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薄氷の窓から

作者: takechan

うすらひ・うすらい


 窓から光が差し込もうとも、薄氷(うすらい)に閉ざされたこの部屋に体温は戻らない。


 毛布にくるまり白い息で部屋を殺しながら、膝を抱えて屈折した世界を覗き見るの。


 いつの間にか出来上がっていたこの窓が、今では私を閉じ込めてる。


 その気になればいつでも吹いて飛ばせるような儚い氷の膜を、愛おしく撫でて瞼を閉じるの。


 解かされたいのか、壊されたいのか、そのまま消えてしまいたいのか……


 そうね、きっとどれでもいい……


 ……どれでもない。

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