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『生罪の悪魔』 ─ A Devil of life sin ─  作者: リクトシヨン
二章:新しい人生
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八話 『意志(:2)』


「だからよォ!」

 途端に、三城は日出さんの腕を掴んで引き上げた。


「何をッ!」

 動揺して思わず出が遅れた。まずい!また日出さんを——!


「オラッ!」

「キャッ!」

 そんな僕の思いとは裏腹に、三城は日出さんを僕の方へと押し出した。

「うわあッ!」

 声を上げてあたふたしながらも、何とか日出さんを僕は受け止めた。

 それを見て、三城は──、


「才能あるなら! そんな情けねぇ出さずに! その女後輩の事を大事にしてろ!」

 と、僕に言いつけた。


 驚いた。

 あの三城が、教師にも恐れられていた三城が、僕にそんな事を言うなんて、


「何だよそんな腑抜けた顔しやがって!」

 驚きと戸惑いで思わず口を開けてしまっていた。

 けれど、


「……ありがとう、でも……」

「『お前がしたことは許さない』ってか?」

「……そうだ」

 はっきりと、コイツの口から、その事は吐き出されていた。


 しかし、その吐き出された真相は、次の三城の一言で、すべてが水に流される様だった。

「あれは……俺がやった訳じゃねぇ」


 三城にはさっきから散々驚かされている。けれど、これは、驚くよりも先に、疑問が浮かんだ。


「……は?」

「『今更何を言う』って感じだよな、俺もそう思うし、きっと今、そこで伸びてる二人以外に言っても誰も信じてくれやしねぇよ……」

「だったら……何なんだ……誰があの事件の主犯なんだ!」

「確かに、俺は一人の生徒に手を出してもいたし、岡寺の事を殴りもした……けれど俺は何も嘘を流したり、父ちゃんや母ちゃんにそういったことを頼んだ訳でも無い……!」

「それって……」

「俺以外の誰かがやった……!ちなみに青木と亀田は白だ。コイツらの度胸は俺が居なけりゃ無いも同然、親も知名度こそあれど、学校に直接物を申せるほどじゃあねぇしな。本人等の口からもいろいろ聞いてもそんな事はしてねぇって言うもんだから、『俺は』白だって信じてる」


『信じる』


 そんな誰しもが虜になる魔法の言葉が、あの三城の口から出てくるとは思いもしなかった。

 けれどそれは──、


「自分が信じたからと言って、僕に信じろとオマエは言うのか?」

 あんな事を散々受けていた僕からすれば、信じるにも信じられなかった。

「……そのことに関しては、俺が謝る」


 おい──、


「ごめん!」


 おいおいおい──、


「俺がしたことを許さなくてもいい! けれどどうか──!」

 僕の目の前で、その三城優希という男は、しっかりと頭を下げていた。

「今は、俺を信じてほしい!」

 そんな事があるのか?あの三城が僕に頭を下げて謝る。そんな夢みたいな事があって良いのか?


 いいや、良くない、これは──、

「どうかこの通り……!」

──コイツの嘘だ!


「……それでも、僕は──!」


『信じない』


 そう言いかけた。けれど──、


「待って先輩!」


 日出さんの声で、少し踏みとどまった。その隙に──、


「私は!信じていいと思います!」


 そう、大声で言われてしまった。

 一番それを言ってはいけない人に言われてしまった。

「でも……!」

「……わかってます! この人は! 私の事をこうして攫ったりもしました! けれど……!」

 彼女はあり得なかったその光景を見て言った。


「この人は信じていいと思います! 信じてあげてください!」


 その目は、さっきの三城の目と同じだった。

 日出さんの真剣な目──、

「……わかった」

 どうか信じてほしいと訴えるその目は、言い返しようが無い程、僕の心に訴えかけて来た。


「……信じる」

 全くどうしようも無い後輩だ。

 ホッと息を吐く日出さん、その一方で──、


「……ッ!」

「ありがとう!」

 頭を上げた三城の顔は──、歓喜に満ち溢れていた。


「けれど一つ条件がある」

「なんだ! 言ってくれ!」

「どうして僕にその事を『信じてくれ』と言ったんだ?」

 他にもそう言える筈の人間が居た筈だ。


 同じクラスの女子だとか、学級委員長だとか、担任だとか。この三城という男が僕にしたように、頭を下げて本気で説得すれば信じてくれた筈だろう、なのにどうして僕なんだ?

「それは……俺が認めたからだ」

「……は?」

 思わず首が横に傾いた。これはアレか?昔流行ったヤンキーものの漫画的なノリのアレか?


「俺達がただお前をいたぶってたとお──!」

「思うッ!」

「だよな! 本当にすまんかった!」


 ただ鬱陶しいのと痛いだけの行為だと思っていたが、こう言う限りは意味があったらしい。

「その……本当は見定めていたんだ! お前が信じていい相手かってのを……!」

「ッハァ?! あんだけの事をしておいてか?!」

 横で聞いていた日出さんは、

「どんなことをされいていたんですか?! していたんですか?! 先輩方!」

 とうとう質問を投げかけるのを待ちきれない様子だった。そう言えば日出さんにはこの事は教えていなかったなぁ。


「待て! 落ち着け! これにはいろいろ理由が──!」

 三城が僕達にあたふたする中、

「何を……してるんッスか?」

 僕の後ろ、階段側から声がした。


 その階段側を見ていた三城は、唐突に顔の色を変えた。いつもの顔だ。

「おいゼロサイ」

「お、おう」

「先にその後輩、帰らせるか、待たせるかしとけ」

「……わかった」

 僕は日出さんを見て、

「先行って校門で待ってて、後で会おう」

 と、後ろの相手に聞こえる様に言った。


「……ハイ」

 日出さんはふらつきながら、三城の足元に転がっていた自身の眼鏡を掛け直して、階段側へと歩いて行った。


 階段には、いつもの可愛らさ溢れる顔ではなく、怒りが染み出している顔の澪ちゃんが立っていた。


「神奈ちゃんは返してくれましたけれど、紺野先輩はどうするつもりッスか?」

 と言って、三城を睨み付ける澪ちゃん。


「コイツとはちょっと話すだけだ、だからとっとお前等二人は帰りでもしてろ」

「話す……だけ……?!」

 彼女の怒る姿を見るのは初めてだった。


「兄にもあんな事しておいて、お前はそんな事を言うつもりか……?!」

 澪ちゃんは震えた声で三城に怒鳴りつけた。


 一方で、

「アイツの事は関係無ェ、とっととどっか行け」

 三城は声を荒げるのを抑えている。


「……先輩は?」

 僕は──、


「後で行くけど心配……するよね?」

 日出さんを信じたい。


「……するに決まってるッス」

「……ごめん、けど安心して、すぐそっちに行くから!」

「……待ってるッス」

 僕に何とか言い抑えられた澪ちゃんは、日出さんと一緒にゆっくり階段を下りて行く。


「で、何を話すんだ?」

 僕は二人を見送りながら表情を戻した三城に聞いた。


「俺がお前とは逆に、クロだと確信してる奴の事だ」

「二人をこの場から遠ざけたのは、本当に信用できる奴だけに教えるって事か?」

「今回の件で『お前は』シロで確実だからな、これで心置きなく味方を増やせるって訳だ」

「なるほど、で、そのクロは一体誰なんだ?」

「そいつの名前は──」



*******



「お待たせ!」

 僕が屋上へ向かってから1時間以上が経っていた。


 三城の話を聞き終えた僕は、校門で待つ二人の元へ向かった。

「紺野先輩!」

「先輩ッ!」

 二人は僕が校舎から出て校門に辿り着く前に、僕の元へと走って来た。


「大丈夫ッスか?! 何もされてないッスか?!」

 澪ちゃんは僕の腕や足を触る。


「大丈夫、ちょっと見えないとこケガしたぐらいで……」

「見せてくださいッス!」

「だから見えないって! 大丈夫だから?! 落ち着いて?!」


 一方、

「その……紺野先輩……」


 慌てふためく澪ちゃんと違って、


「改めて……来てくれて……!ありがとうございました……!」


 日出さんは僕の目の前で頭を下げた。


「……こっちこそ改めて、怖い目に合わせてごめん!」

 僕も改めて頭を下げる。


「あー! もー! 二人とも頭上げてくださいッス! せっかく事が落ち着いたんッスから!」

「ハイ」

「ごめん」

 お互いに頭を上げた。


「ウフフ」

「エヘヘ」

「ハハハ」

 皆で笑った。


「じゃあ、帰りましょっか」

「そうだな」

「そうッスね!」

 僕たちは、帰路を歩き始めた。


 太陽が顔を鎮めようとしているが、夏の暑さという物は相変わらずで、少し蒸し暑い。

 夏服は冬服に比べては薄いが、かと言ってその暑さが弱くなる訳でも無かった。

 しかしそれも町を代表する商店街の中を通る間だけは、揺るぐのであった。


「いや~やっぱし、ここは涼しいッスねぇ~」

「そうだな~」

「そうですね~」

 一昨年辺りの夏に『熱中症対策』という事で、商店街グループが各々資金を出し、昨年商店街内に大型の空調設備を設置。今では、夏場はこうして涼しい中で客側は買い物、店側は商売ができるのであった。

 尚、冬場は節電を心がけており、換気目的以外の空調設備は全てオフとなっている。

 僕達は帰りたいと思う反面、この涼しい中から出たくはないなどと思いつつ、ゆっくりと話しながら商店街を歩いていた。


「所で、何だったんッスか? 三城の言う話って?」

「大したことじゃないよ、言うなら、ちょっと認めてもらえたって感じかな……?」

「……認めて貰えた?」

「うん、もう『僕の友達と知り合いには手を出したりしない』って」

「……それで先輩はアイツ等を許せたんッスか?」

「……許した訳じゃないかな、何て言うか」

 僕が言い方に困る一方、

「信じた。ですよね? 先輩?」

 日出さんがフォローを入れてくれた。

「うん! そう! 信じた! だからもう大丈夫!」

「……なら良かったッス、神奈ちゃんも無事でしたし」

「……そうだね」

 僕は先程三城と話していた事を思い出した。


数分前──、


「そいつの名前は冴木裕也だ」

「……え……どうして冴木が?」

「話すと長くなるが──」

 三城曰く、まず、さっき日出さんを連れ去ったのは『僕が今朝遂に三城達に牙を向き、それなりの度胸があると思ったから』らしく『その度胸さえあれば、比較的中が良さ気だった後輩を出汁にすれば助けに来るだろう』という考えだったらしい。


 そして、かなり手荒ではあるが、多少の暴力や、僕の心を煽るため、例の『事件の犯人の首謀者は三城優希だ』と本人の口から言ったりをしたとの事だ。


 結果、僕がシロかつ、度胸のある男だという事が分かったらしく、その点を踏まえて──、

「アイツ、中等部卒業時点の成績は二位で、首席の俺に負けたのが相当悔しいらしくてな……高等部での首席卒業を狙う為に『このままじゃ駄目』って事で俺を潰そうとしたらしい」

 本当の真実を話してくれた。


「それをアイツの口から聞いて、俺がキレたのがつい去年の二学期……そう、例の事件の日だ。アイツは一学期のテストの点と成績を、親を通して、金使って無理やり底上げしたらしくてな……まぁ、俺は発表されてっから知ってるかも知らねぇけど、中間も期末も全問正解、成績も学年一位だったんだが……それがどうも学校側の心にえらく響いたらしく、金を使ってもアイツの成績は学年二位という事になった訳だ」


「つまり、学校は、お前の正真正銘嘘偽り無い成績に感化されて、金を払われてでも冴木の順位が二位になるような成績にしたと?」

「そう言う事だ。ちなみに中間も一位は俺が貰ったからな! 期末も俺が貰うぞ!」

「はいはい、分かったから早く続きを言え」

「そうだな……で、しびれを切らしたアイツは、俺を遂に屋上に呼び出した。そこで、俺を潰そうとしたことはともかく、金で成績を上げた事を伝えられた俺はブチキレた訳」

「それで暴行を加えたと?」

「そうだ、そりゃもうボッコボコにな!」

「で、岡寺先生が止めに来て」

「……思わず岡寺も殴っちまった。なんてったて、体育の成績が満点貰える筈が無いくらい、冴木は見学ばっかしてたし、それを岡寺までもが金貰って上げたって聞いたら、もう心の抑えが付く筈も無ェよ……」

「……けれど、お前が退学処分になることは無く」

「何故か岡寺だけが、暴行を加えたって事で逮捕になった……。それから暫くして、冴木の体育の成績だけが、妥当な成績……つまり底上げされていない事、それが原因で二位止まりだった事を知った。俺の誤解が招いた事故だったんだ……」

「……」


「そっからだ、毎朝粘着するようにアイツに、真実を知った青木と亀田を連れてイジメを……拷問を始めたのはな、そして、冴木は『金で底上げが効かない』と判断したらしくて、実力で勝負しようとした訳だ。勿論勝てる訳無ェけどな? なんなら成績はお前より下がってるし」


「言われてみれば、今、冴木は学年十三位だったよな……」

「そうだ、やがて俺達の冴木に対してのイジメも段々エスカレートして行って、気が付けば俺が『寺田の人生を終わらせた犯人』って噂が広まって、それを恐れてか、生徒も教師も含めて、誰も俺達を止めたりしなかった。しかし、二年に上がってから予想外の事が起きた」

「僕が冴木を庇い始めた……か?」


「そうだ。で、俺は『クソ野郎』に加担する奴はどうせ同じ『クソ野郎』だと思ってた。だから俺は、冴木と、お前を庇おうとする無知な奴か、アイツと繋がってる『クソ野郎』に見せしめる為に、お前と冴木と同じ目に合わせた訳だ……」


 聞いていて、少し心が悔しかった。

 前までは、例の三人の娯楽の為だと思ってた。けれどそれは表で……、

「本当はいろいろあったんだな」

 こうして真実を知ると、心が黙っていられなくなった。ただのバカが騒いでるだけだと思っていた。

 それをおとなしく受け止めていた僕がカッコイイとさえ思ってしまっていた。そんな自分が、とてつもなくバカでダメな奴だと思った。


『罪を感じるぞ、そして退屈だ、早く話を終われ』

 バラムの言う通り、罪悪感が沸いた。


「そうだな……隠していて本当にすまん」

「……話聞いた感じ、本当の事っぽいし、今後は僕の友達に同じ事しないなら許すよ……」

「……ありがとう」

「ん、どういたしまして……で、僕にどうして欲しいんだ?」

「……それは、その……なんつーか……」


 照れくさそうにする三城、

「俺と、ダチになってくれねぇか?」

 そしてこんな驚きの言葉を口にして来た。


「お前が言うとなんか気持ちわりぃ」

 ので、思った事を言うと、


「おいゴラ、聞き捨てなんねぇぞ」

 と、本気で怒った様な声を出して、間髪開けずに、

「なーんてな! 思った事直接言えるって事は! ダチって事だし! それにキレる事なんて無ェよ!」

 と、笑いながら言って、

「だって! ダチの『ダチ』は『友達』の『ダチ』だもんな!」

 と嬉しそうに言った。


「……だな!」

 僕は初めて、三城優希という男を知った。

「さて!ダチになったからには! いろいろしてやんねぇとな! 勉強教えたり! あとは……女作るの手伝ってやったり!」

「女作るはともかく、勉強はお願いしたいな……で、所でさ……」

 友達になって少し前から気になっていた事を聞いてみた。


「学年一位をキープしてて、なんか目標とかあるのか?」

 神郷高校、および中学校は国内でも有数のエリート進学校であり、並大抵の少年少女が通えるわけでは無い。


 少し先にある神郷中学校へ通う中等部の生徒全員が高等部への進学を出来るわけでもなく、進学できるのは約二百四十名の生徒の中、成績上位の生徒百名程、そこから更に他校からの受験者百名を入れて、入学時には二百名のエリートがこの高校へ入学する事が叶う。

 さらに国内でもトップクラスの偏差値七十後半、そんな学校で一位をキープするという事は、相当な夢や目標がある訳だ。


 きっと三城には──、


「あぁ、俺、宇宙飛行士になるのが夢でよぉ……」

 案外、普通の夢だった。


「なんか想像してたのと違うな……」

「だよなー、てか、逆に何だと思ってたんだ?」

「総理大臣とか?」

「ハハハハッ! そんな大役、俺には無理だっつーの!」

「なろうと思えばなれるだろ?」

「バカ言え! もし俺みたいなのがなったりでもしたら、やり方が荒過ぎて国なんかすぐ潰れる!」

「ハハハッ! 言われてみればそうだな!」

 その後も、いろんな事を話した。夢の事、将来の事、昔の事。


 気が付けば僕達は、さっきまで喧嘩をしていたとは思えない程、打ち解けあっていた。


「イッテぇ……」

「何されタ……?」

 やがてそれほど時間が経ったのであろう、後ろで二人が目を覚ました。

「おっ! 起きやがったか!」

「もうそんなに時間が経ったのか……! ごめん三城! 僕、そろそろ二人の所へ行かないと……」

「そうだ! 速く行って来い……! この二人には俺から事情説明しとくから……! あっ! でも——!」



 そして今に至る。



『冴木の妹と、あの真面目後輩には、今日言ったことは教えないでくれ! 二人とも教えたら何しでかすか分かんねぇから……!』

 か……。

「どうしたんッスか? 先輩?」

「いや、ちょっと考え事……」

「へ~、さては神奈ちゃんの事っすか?」

「断じて違う!」

「アハハハハ!」

 確かに、澪ちゃんは行動力がある。もし、兄の裏の事情を知っているとしても、知らなかったとしても、彼女は何かしらの大きな行動をし始める。


 日出さんは、さっきの様に自分の事を少し犠牲にしてでも、正しいと思う事を貫きそうなので危ない事までし兼ねない上、可能性は無いに等しいけど、寝返る事だってあり得る……。


 二人には悪いかも知れないが、三城の考えに乗っておこう。


「じゃあ、ジブンはここで!」

「バイバイ! 澪ちゃん!」

「ん、また明日な!」

 澪ちゃんは片方が住宅街、片方が駅へと続く商店街の前の分かれ道で、駅の方へと走って行った。

 彼女曰く、彼女たちの住む家は隣町の神港にあるらしく、そこそこの距離があるので毎朝こうして電車で通学しているらしい。


 一方で、僕と日出さんは住宅街へと続く道へと進んで行く。

「所で紺野先輩」

「ん? 何?」

「以前にも、三城さんとは何があったんですか?」


 それを聞かれた僕は、

「あー、まぁ、『いろいろ』かな……」



 人の使い方と行動が、不器用かつ大胆な『天才とも言える存在』を苦笑いしながら答えた。




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