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5話 知恵は武器よりも強し

 この世界に来てから二日目。昨日は、色々あった。異世界召喚され、いらない子宣言され、寝床を手に入れて、叡智の女神(ソフィア様)の使徒になった。


 正直、現実味がない。ただ単に無頓着な性格だからってこともあるけど、色々ありすぎて、まだ脳の処理が追いついていないのかもしれない。

 ちなみに、もう一人の女は熱を出して寝込んでるみたいだ。色々とショックで熱が出たんじゃないかってリオ団長は言っていた。

 まぁ、彼女のことは放置する。そもそも喋ったこともない相手だしね。仲良くする筋合いはない。


 さて、僕は宮廷図書館と言うところに来ていた。理由は情報の収集だ。

 僕がほしい情報は、現在のこの国の詳しい情報と叡智の女神(ソフィア様)の情報だ。【叡智】で何が起きたか調べることもできるが、この国の人からの視点で知りたいのだ。


 僕はとりあえず、本棚から適当に一冊の本を取り、ペラペラとめくってみる。


「oh…日本語じゃなぁい」


 この世界の言語は日本語ではないみたいだ。しかし、言葉が通じるのが疑問だ。


 【大賢者】、この世界の言語を日本語に訳すことはできる?

『無理です。世界記憶(アカシックレコード)に日本語の情報がありません』


 【大賢者】でも無理なのか……。とりあえず、文字を覚えるのが先か……。


 僕はこの世界の人が図書館内にいないか探す。

 理由は翻訳を手伝って貰うためだ。発音が同じってことは文字が違うだけの問題のはずだ。

 正直、ここまで連れてきてくれたリオ団長がいれば楽なんだけどな……。


 少し探すと、一人の女性が端のほうで本を読んでいた。女性は緑の髪で、何かに没頭しているみたいだ。


「あの…すいません? 少しいいですか?」


 女性は僕の顔を見て、嫌な顔をする。


「チッ…この前召喚されたとか言う……。それで私に何の用?」


 口悪っ!? はぁ、他に人いないからこの人に聞くしかないか。


「この世界の文字が読めないので教えてほしいのですが」

「はぁ……。面倒くさ」


 そう言うと彼女は近くの本棚から本を持ってきた。どうやら、文字は教えてくれるみたいだ。口悪いけど案外優しいのかも。


 数十分、彼女にこの世界の文字を教えてもらった。仮説通り、ただ文字が違うだけだったので簡単に覚えることができた。


「ありがとうございました」

「はぁ、私は自分の事するから。困ったこと以外は聞かないで。それと、左から神話関係、歴史関係、地理関係、魔法関係、文学関係の順番に分類分けされてるわ」

「何から何までありがとうございます」


 彼女はフンと言いながら、手元にあった本を読み始めた。


 僕も、自分の知りたいことを調べる。



 ◆◆◆◆◆



 調べてみてわかったこと。この国にめっちゃ頑張ってる。

 戦争の最前線だからって理由もあるだろうけど、この国の第一王子と第二王子は戦死していた。王族は特別なスキルを貰うことが多く、この二人は率先して戦場へ出ていったようだ。他にも何千人って人が戦場で戦死してるみたい。

 一応、他の国も人員やお金を出してるみたいだけど、強い人とかは自国に置いたままにしている。


 次にソフィア様のことなんだけど、何故か禁忌を犯した女神って書いてあった。調べてみると神々の規定を破った的なことが書いてある。何を破ったのか内容は書いてないけど。


『あ〜。私ね。この前までそれのせいで下界への干渉が禁止されてたんだよね〜』


 うぉ!? ソフィア様からいきなり念話みたいなのが!?


『念話じゃなくて神託ね。相手の心を【叡智】で読んで神託するなんて芸当できるのは私ぐらいよ』


 ……【叡智】って相手の心読めるの!?


『そうよ。【叡智】は世界記憶(アカシックレコード)に干渉する。つまり、現在の情報も読めるのよ。未来とか見れないけど、この世界にあるもの、起きたことの情報を知ることができるわ』


 現在の情報も知ることができるのか……。プライバシーもあったもんじゃないな……。それで、話を戻すんですがソフィア様は禁忌を犯したんです?


『200年前にね。その時は邪神が現界しちゃったのよ。その時代の勇者や私の使徒とかと一緒に戦ったんだ。でも、分が悪かった。相手が神であったし、生身の人間では太刀打ちできなかったのよ。全員死んでしまったわ。仕方なく私も現界して、邪神を討伐したのよ』


 どことなく、寂しそうに話すソフィア様。きっとその時代の使徒や勇者を大切にしてたんだろう。


『そのせいで私は下界との繋がりを200年間封鎖されたのよ。おかしいわよね! 世界を救ったのにこんな扱い! こう見えても最高神の三女よ!』


 今度はソフィア様から憤りを感じる。


 ……ん? ソフィア様は最高神の三女なんです?


『そうよ。私より高位の神は数えるだけしかいないわ。神について知りたいなら神話を読むといいわ。神界はこの世界とは別の存在だから【叡智】で調べることができないのよ』


 色々とありがとうございます。


 神話やら200年前の話が気になった僕は、このあとお迎えのリオ団長が来るまで本を読み漁った。




読んでいただきありがとうございます!

「面白い!」や「続き気になる!」って方は是非とも☆☆☆☆☆を★★★★★にして頂けると嬉しいです!

モチベアップに繋がって執筆が捗るです(*´ω`*)

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