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12話 摂理の魔法

 この世界に召喚されてから1ヶ月が経過した。僕は午前図書館、午後訓練と言ったスケジュールで過ごしている。

 ちなみに、恭也は毎晩僕の部屋に来ていたのがアメリア王女にバレて出禁になってます。


 さて、今は午前なので図書館で勉強。主に魔法理論について調べてる。

 魔法理論を理解できればオリジナルの魔法が作れるとこの前の【大賢者】が言っていたからだけどね。なんかロマンがあるし!


「あ、ミアさん。ここ教えてください」

「はぁ……こんなことも分からないの? これは、ここの術式とここの術式を統合させるためのやつよ」

「なるほど、ありがとうございます」


 図書館に長く通っていることもあって僕はミアさんと仲良くなれた。ちなみに、ミアさんは文字を教えてくれた口悪いけど優しい人だ。しかも、意外と博識だった。まぁ、図書館にずっといる人が博識じゃない訳ないか。


 僕はミアさんに所々教えてもらいながら、魔法理論を理解していく。そして、今日全てを覚え終わったのだ!


「終わったぁ〜」

「お疲れ。これで私も貴方に教えなくてよくなるわ」

「色々とありがとうございます」

「リオにどうしてもって言われたから手伝ってあげただけよ」


 ふむ、リオ団長がミアさんに手を貸すように頼んでくれたのか。それに、この反応……。


「もしかして、リオ団長に惚れてます?」

「バ、バッカじゃない!? そんなわけないでしょうが!!」


 そう言いながらミアさんは赤面になりながら僕の頭を引っ叩く。


「イテテテ。ちゃんとリオ団長に言っておきますね」

「何を言う気!?」

「ミアさんは丁寧に優しく教えてくれましたって。これでミアさんへの好感度も上がりますね」

「まぁ、それぐらいなら……。でも余計なことを言うんじゃないよ!」

「了解で〜す。また、来ますね」

「二度と来なくていいわ!」


 僕はミアさんに罵倒されながら、図書館を後にする。

 ちょっとからかい過ぎたかもしれないけど、今の友好関係があるからできることだから別にいいかな?って思ってる僕。


「お? 今日は早いな」


 第三騎士団の寮へ着くとリオ団長が出迎える。


「お疲れ様です。ミアさんのおかげで魔法理論を完全に理解できました」

「それはよかったな」

「リオ団長がミアさんに言ってくれたんですよね? ありがとうございます」

「まぁ、知識と技術を教えるって言ったからな」

「カッコイイ。それでは、僕は自室でやりたいことがあるので」

「おう。午後の訓練は参加するんだよな?」

「もちろんです。それでは」


 僕はリオ団長と別れ、自室へ戻る。僕が戻ってきた理由は【摂理属性魔法】を覚えるためだ。【摂理属性魔法】には【時空魔法】を始めとする色々なスキルがある。しかし、音に関する魔法や熱に関する魔法などのスキルは、名前がないらしい。

 つまり、目立つって事!

 【大賢者】曰く、世界で生まれた技術や技能を評価した【技能の男神】がスキルとして世界記憶(アカシックレコード)に保存するらしい。

 僕が新しい技術や技能を作ればスキルにしてもらえるかもしれないって事。ロマンあるね!

 と、言う訳で早速やっていこう! 【大賢者】よろしく!


『はい。改めまして【摂理属性魔法】について説明します。【摂理属性魔法】とは、この世界の法則に干渉する魔法です』


 つまり元素や周波、エネルギーとかに干渉できるって事だよね?


『その通りです。他にも空間や時間、伝導にも干渉できます』


 時間や空間にも干渉できるのか! 過去に戻ったりもできたり?

 僕は期待を込めて【大賢者】に聞く。


『戻れますが、頑張っても数十秒程度でしょう。そう簡単に過去を変化させられたら困ります』


 ふぅ〜む。なるほど、ありがとう。続けて頂戴。


『はい。と、言っても説明は以上です。後は頑張って術式を作るだけです』


 術式のヒントとか貰えないのです?


『【空間魔法】だけの術式はあるので、それだけ渡します』


 そう【大賢者】が伝えると僕の頭に1つの術式が浮かぶ。


 【大賢者】ってこんなこともできるのか〜。それにしても、1つしか術式がないなんて……。


『それは[簡易転移(ワープ)]の術式です。短距離ですが空間転移ができます』


 意外と凄い魔法だった。けれど、ヒントがこの術式1つだとすると他の術式を作るのに時間がかかりそうだ……。


「明日から部屋に籠もるか……」


 そう言いながら遠い目をする僕であった。



 ◆◆◆◆◆



 召喚されてから2ヶ月、僕は部屋に籠もってずっと【摂理属性魔法】の術式を考えていた。最初の頃は息抜きに訓練に参加したりしていたけれども、2週間ぐらい経過した辺りでずっと部屋に籠もっている。

 まぁ、最低限の素振りやらランニングはしてたけどね


 この期間、僕は元素に干渉する【元素魔法】、光や音などの波長に干渉する【波長魔法】、熱や電気の伝達に干渉する【伝導魔法】、重力などの力のエネルギーを操る【力操作魔法】の4つのスキルを創り出すことに成功した。その他に、元々この世界に存在した【空間魔法】も身に付けることができた。


 【元素魔法】は燃焼や還元などの化学反応、状態変化を自在に行える。しかも、反応などの現象を起こさずにだ! つまり、安全に毒物作り放題! やったね!


 【波長魔法】は光や音の周期や波の高さを変えることで、見た目を変えたり、声を変えたり、超音波を出したり、色々とできるようになる。色々と使い所があるので便利!


 【伝導魔法】は熱を閉じ込めたり、早く熱を伝えたりできるようになる。これはあんまり使えないような? 氷を早く溶かしたり、長持ちさせたりするぐらいかな?


 【運動魔法】は力のエネルギー、つまりベクトルとかを増幅させたり、減少させたり、方向を変えたり、色々操作することができる。使い方を間違えると危ないけど、役に立つ魔法だね。ちなみに、名前の由来はベクトルの日本語訳が運ぶだからだよ。


 【空間魔法】は空間を操ることができる。まぁ、今のその分魔力を大量に消費するから、空間を広くするぐらいしかできないけどね。


 これらを覚えた僕は、実践をしたいとウズウズしているのであった。




読んでいただきありがとうございます!

「面白い!」や「続き気になる!」って方は是非とも☆☆☆☆☆を★★★★★にして頂けると嬉しいです!

モチベアップに繋がって執筆が捗るです(*´ω`*)

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