11話 魔力のスパルタ指導!
え〜、現在自室。目の前に何故か恭也が居ます。
「あのさ〜。僕疲れてるんだけど……」
「いや、いいじゃん! もう魔力回復してるんだろ? 魔力操作とか教えろよ〜」
彼がここに来た理由は、もちろん。あの魔力による身体強化だろう。
確かに、後でって言ったけど……。うわ〜。めんどくさいからマナサークルと魔力エンジンを身につけさせるか……。あれやるだけでも魔力操作が上達するもんな。
「とりあえず、【マナサークル】ってのをやってもらう」
「ん? 【マナサークル】のスキルなら持ってるぞ?」
……まさか、【魔力エンジン】も持ってたり?
「ステータスカード見せてもらっても?」
「う〜ん。アメリア姫からはあまり見せるなって言われてるけど、陸なら別にいっか」
そういうと恭也は懐からステータスカードを見せる。
【ステータス】
《名前》
時雨 恭也
《能力》
生命力:A+
魔力:A−
腕力:S−
脚力:A+
器用力:A+
《スキル》
全知全能の勇者 長剣 短剣
片手斧 槍 歩法
体術 格闘 火属性魔法
水属性魔法 風属性魔法 土属性魔法
光属性魔法 生属性魔法 聖属性魔法
マナサークル 全状態異常耐性
う〜ん。チートだわ。物凄い量のスキル……それに能力値も伸びてる。あ、【魔力エンジン】がない! これはあれができる!
「あ、そういえば! 陸って知ってるか? このステータスってのはな! 裏ステータスって言うのがあって」
「裏ステータス? 知ってるよ?」
僕の言葉に落ち込む恭也。自慢したかったらしいが僕が知ってて恥ずかしくなったのだろう。
裏ステータスはあんまり知られていないことらしい。確かに裏ステータスがあるって知ってたら、あの第二王女も裏ステータスについても調べるもんな。
「え〜とね。僕のスキル【叡智】はこの世界のこと全てを知ることができるんだ。それに【大賢者】ってスキルが【叡智】から色々情報を取り出してくれるんだ」
「そ、そんなスキルがあるのか。陸のステータスって見ていいか?」
「別に大丈夫だよ」
彼は少し首を傾げる。
「なぁ? お前のステータス見れないんだが?」
「そんなことあるか?」
『世界記憶への干渉権1位である【叡智】に干渉権2位の【全知】や【全知全能の勇者】は干渉できません。なので、誰にもステータスを覗かれることはないでしょう』
あ〜。最高干渉権とかソフィア様が言ってたな。
「【大賢者】に聞いてみたところ、【叡智】は【全知】の上位互換みたいな感じで干渉できないんだって」
「そうなのか……」
「さて、本題に戻ろうか」
「本題?」
あ、こやつ忘れてやがる。
「魔力操作を教えてほしかったんじゃないの?」
「ああ!! そうだそうだ! 魔力の操作って難しいよな」
「ちなみに裏ステータス見ても?」
「こっちも見ようとしたし、全然いいぜ!」
「了解」
一応、承諾をとったので早速見てみる。
【裏ステータス】
視力:A−
精神力:C−
知力:B+
反射神経力:A−
魔力操作力:C−
適正属性:火 水 土 風 雷 光 闇 生 死 聖 邪
宗教:なし
う〜ん。魔力操作力がC−なのか。だから、僕のところに来たのね。
『スキルを手に入れても経験が少なく、完全に扱えてないようです』
ほうほう。スキルって手に入れるだけで使えるもんじゃないのか。確かに使い所を経験しないと駄目かもしれないね。
「なるほど。それじゃあ、スパルタ指導いきますか」
「……何故スパルタなんだ?」
「痛い目にあわせたほうが育つから」
僕も【大賢者】の魔力エンジンの頭痛で魔力操作鍛えたようなもんだし。
「……え? 嫌なんだけど……。なんでジリジリ近づいて来るんだ!?」
「観念せい!」
「ギャァァァァ」
僕は容赦なく恭也に触れ、【大賢者】が僕にやったように恭也のオドを吸い出す。
「頭ガァァァァァ」
恭也が床をのたうち回る。
……僕もこんなことしてたんだよね……。誰にも見られなくてよかった……。
「痛いのが嫌なら死ぬ気で【マナサークル】使いな! それで楽になるから」
その言葉を聞いた恭也は約30秒後、頭を抱えながら立ち上がる。
「イテテテ……」
「さて、第二陣いきますか」
「え……、まさかまだやるのか?」
「当たり前。これが一番早く魔力操作を身につけれると思うからね。覚悟しな!」
「イヤァァァ!!! 痛ァァァァ!!」
その日、騒音被害でリオ団長に叱られるまで恭也に苦痛を与え続けた。
読んでいただきありがとうございます!
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