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1-3 ギルド内のトラブル

「おいおい、本当にビックスパイダーを討伐したのかわかんねぇのに金貨1枚も渡すのかよ。そいつが嘘ついてたらどうすんだ?」

近くで話を聞いていたらしい男が横から口を出してくる。

ぞろぞろと、男の後ろに2人引き連れてヒイロ達に近寄ってくる。


「その場合は嘘をついていたとして、冒険者ギルド所属のヒルダに罰金が発生しますね」

受付嬢が事務的に答える。

その答えに不満だったのか、男達は・・・いや、最初に近寄ってきた男は声を荒げて反論しだした。


「はぁ!?なんでコイツに罰金が発生しねぇんだよ!第一こんな優男にビックスパイダーなんて大物が倒せるわけねぇだろーが!嘘ついてるに決まってんだろ!!」

男の声に同調するかのように、後ろの取り巻き2人が「そーだ、そーだ!!」と囃し立て、更に他の近くの冒険者達も男に同調していく。


皆が自分の言葉に乗った事に気を良くしたのか、男は更に声を上げていく。

「嘘つき野郎は嘘をついた事を認め、しまい込んだ金貨を返せば許してやろう!」

得意気に言うこの男に対し、俺はそれを冷めた目で見ていた。


(この男は確認してすらいないことを何故こうも断言できるのか.......理解に苦しむな)

やがてため息をついたヒイロは、ポケットの中から金貨を取り出し受付嬢の前に置く。

「そうだ、言う通りにすればいいんだ」

「ヒイロ!」

「・・・」


何か言いたそうなヒルダと受付嬢を視線で黙らせ、ヒイロはそのままギルドから出て行ってしまう。

「ふん、腰抜けめ.......直ぐバレる嘘をつくからそんなみじめな事になるんだよ!二度とこの街に来んじゃねぇぞ嘘つき野郎!!」

ヒイロが黙って出て行った事もあり、この男以外の人からの罵倒も出て行ったヒイロに浴びせられる。


「ねぇヒルダ、本当に嘘じゃないのよね?」

何も言わなかったからか、少し不安に思った受付嬢がヒルダに聞く。

「そんな嘘をつくわけがないだろ!私は自分の目で見たんだからな」

「だよねぇ.......じゃぁどうして反論しなかったのかしら?」

2人がヒイロが何を考えていたのか、話し合っている横で勝手に盛り上がってる男達・・・

嘘つきを追い払い悦に入ってる男とそれを盛り上げる取り巻き達、この一件が後にこの街の命運を分ける出来事になると、この時は誰も思わなかったのだった・・・


俺は街から出て、洞窟が合った方向とは反対方向へ歩いている。

街道は馬車等も通れるように、キレイに整備されておりこの道を通っていくと少なからず人の住んでる場所に着くだろうと思っての行動だ。


「ん?」

出てきた街の方から馬の鳴き声と蹄の音が聞こえてくる。

音の方を振り向くと、1台の馬車が走ってくるのが見えた。

馬車に轢かれるのを嫌ったヒイロは、スっと街道から逸れて馬車に道を譲る。


横を通り抜けた馬車は、中を見る事が出来ないような造りになっており、馬車を操縦してるのは騎士のような格好のした男性だということしか分からなかった。


通り過ぎた後を追うように歩きだす。

「馬車が通って行ったという事は、この道の先に間違いなく村か街はあるな」

そう確信を持って歩みを進めていく・・・しばらく道なりに進んで行くと、街道に血の跡を見つけた。


「血か.......」

この道の更に先を注意深く見ると、血痕とは別に馬車が街道の脇に倒れているのを見つけてしまった。

遠目からでも分かる・・・さっきすれ違った馬車だった。


「魔物か、賊にでも襲われたか.......」

馬車に近寄ると、馬を操縦していた騎士の死体や、護衛と思わしき死体、それとその主の死体と思わしき人物が転がっていた。

その内の1人の騎士の傷口を調べると。

「切り傷に矢が刺さった跡がある。これは賊っぽいな」


「う....うぅ.......」

遺体を調べていると、主の死体の方から小さな呻き声が聞こえてきた。

「む....むすめを.......むすめをたすけて.......」

それだけ言って気を失ってしまった。

この男性だけはまだ息があるようで、ヒイロは傷口の止血と応急処置を施す。


「娘が攫われたのか、おそらくこの男性の身形みなりからして貴族か何かだろうな。一応探してやるか」

俺は街道から外れた横の雑木林へと足を踏み入れた。


まだ人が通ってそれほど時間が経ってないのだろう、踏み付けて落ち葉が割れたりしている痕跡を追い賊の住処を見つけ出す。


幸いと言うべきか、直ぐに住処を見つける事はできた。

雑木林の中に廃屋のような小屋があり、その中にいるようだが・・・見張りが1人立っている。


「入口はあそこ1つか」

出入り口が1箇所しかないと分かったヒイロは、見張りの直ぐ上の木に音も無く飛び乗った。

「あ〜あ、なんでこういう時に見張りなんかやんなきゃなんねぇんだよ…」


見張りはヒイロが直ぐ頭上に来た事に全く気付かず、1人愚痴をこぼしている。

「まぁ何人か終わりゃ俺まで回ってくんだろ。へへ、そうすりゃ後は奴隷に売り捌いて大金ゲットだ」

独り言の多い見張りだった。

いや、こいつら賊にとったら大きな仕事が終わって気が抜けてるのかもしれない・・・


(下衆が.......)

魔力で作った極細のワイヤーを見張りの首に巻き付け、一息に持ち上げる!

「グェッ!?.......!!..............」

喉を締め付けられ、ワイヤーが喉に食い込んで血を流し暴れるが・・・次第に身動きを取らなくなり絶命する。

そして死んだ見張りが落ちて来ないように木に結びつける。


「後は小屋の中だな....まだ無事だといいんだが」

人を1人殺しても顔色1つ変えずに、ヒイロは入口の横に張り付き中の様子を伺う。

(・ω・)▷ヒイロのメインで使う武器は魔力で作ったワイヤー類やな、使い手は選ぶけど使いこなせば強力な道具や。

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