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無能を追放して全てを奪われた元勇者  作者: チョコクリーム
1部・無能を追放して全てを奪われた元勇者〜そして彼は思い出す〜
2/10

2.豚と呼ばれていた少年

書かねば…書かねば…書かねば…バタッ

 〜フミダーイパーティーが休んでいる頃〜


 長かった。たった1週間だと言うのに酷く長く感じられた。でも、これでようやく条件が達成される。ふふふ。

 途中何度も殺したくなったが追放されるまでの辛抱と思ってずっと耐えた。これからの明るい未来を想像すると笑いが止まらない。

 こういう時は回想をするのが定番だよな。ふふふ。


 〜神のみぞ知る異界〜


「……うーん、ここは…?」

 目を開けると知らない場所にいた。一切の汚れがない白い空間でどこまでも先へ続いていそうだ。

 下を見ると思わず叫びかけた。叫ばなくて済んだのはいじめられていた時の躾のせいだろうか。下には床がなかった。横だけでなく上下まで無限に空間が広がっていそうだ。

 空に浮いているような光景だが、前へ進むと見えない床のようなものがあるのが分かった。

 とりあえず危険はなさそうなので直前までの記憶を探るつまりだった。神が現れるまでは。


『聞こえますか…今あなたの頭に直接語りかけています』

 目の前に太陽並みに光っている人型のナニカが現れた。太陽と違って直接見ても目が痛くならない。ただ、そこに何がいるのかは分からない。

 それでも、人としての本能で目の前にいる存在が神なのだと感じた。心の中では転生ですか!と叫びたい感情を理性で抑え、冷静に振る舞う。

『あ、あ。聞こえてます。えっと、光っているのが貴方で、貴方は神様、もしくは神様のようなものと考えてよろしいのでしょうか?』


 もし眼鏡をかけていたらメガネクイッとするほどのキメ顔だっただろう。心の声がダダ漏れならカッコつけるのは無駄なのだろうけど。

 相手に話したいと考えて心の中で念じれば会話ができるっぽいので本音は漏れてないと信じたい。

『ええ、私は@↑「*厂:神です。私はあなた達人間と違って暇では無いので急ぎで説明しますね』

 なんか違和感が……。時間が無いと言っていたから基本的に一方通行な説明なんだろうか。

『貴方はちょうどいいタイミングで自殺したので転生させるためにここに連れてきました。暗い空気で居られるとめんどくさいので自殺辺りの記憶は消してあります。戻すことはしないので納得して下さい。どうせ死ぬ直前の記憶なんかいらないでしょう』


 そこで話を区切るとどこからかティーカップを取り出してなんか飲み始めた。全然忙しいように見えないんですが。

 そんな目線を感じたのか神様は面倒くさそうに続きを話した。

『貴方は異世界に転生します。拒否権はないです。10歳になったら記憶が戻るようにしておくのでそこで10歳までの記憶と混ざるようになっています。転生先はその時に分かるのでどうでもいいとして、今ここで大事なのは転生特典(ギフト)です』


『転生特典?』

『はい、転生特典は10歳になった時に感覚で理解できるようになっています。転生特典は運命、補助、特殊の3種類があり、1つずつ与えられます。自分で選ぶことも出来ますが、選べる範囲は限られます。ガチャを選べば低確率で強力な力が手に入ります。どうしますか?』

『もちろんガチャで』


 そう言うと神様はその答えを最初から分かっていたのか直ぐに自動販売機みたいなものを出す。

 似ているが自動販売機とは明らかに違う。商品のところが真っ黒に塗りつぶされていて見えないしお金を入れるところもない。ボタンを押すだけでいいのかな。

『ボタンが3列っていうことは運命、補助、特殊が1列ずつ分けられている感じですか?』

『そうですね。ボタンはどこを押しても中身は変わらないのでさっさと押してください』


 えっ、それってガチャの意味…。もう戻れないしやるしかないか。ボタンをポチポチポチと軽やかに押していく。

 何も起きないのでどうすればいいのかと神様を見ると光が増していた。それはいつの間にか光以外が見えないほど眩しくなっていく。

『それでは異世界ライフをお楽しみくださーい』



 〜少年の家〜


 少年の家はボロボロで家と言うより家畜小屋のようだ。

 スススッ。音の方を見ると虫が居た。最初は虫に怯えて眠れなかったりしたが今では全く気にしなくなった。

 硬いベッドに寝転がりブツブツ呟いている。復讐の計画が練られていく。

「ふふ………転生特典も癖が強いものを引いてしまったなぁ。条件がめんどくさいおかげで強力になっているから悪いとは言えないけどね。ふふ……追放されるのが条件なんて悪趣味だなぁ。ふふ、ふふふふふふふふふふふふふふふ」


 ――少年の転生特典――

 運命【主人公補正(追放系)】〈条件達成〉

 補助【????】〈常時使用〉

 特殊【????】〈対象解析中〉


転生特典解説

運命・・・その人間の立ち位置を示すもの。

例︰英雄、亡国の王子、ハーレムの王、など。

中でも特別なものは【主人公補正(○○系)】。追放系なら追放されると能力が覚醒して主人公補正がかかり、追放ざまぁ展開が確約される。ただし、ざまぁをしてしまえば補正は終わるのでただの凄く強い人になってしまうのでご都合展開は消える。


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