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空は非日常を求めてる  作者: えぬえす
2/24

変化

第2話変化です!

みなさん!1話を見ていただきありがとうございます!あたたかいコメントもいただき、続きを書くモチベになりました!それでは、空は非日常を求めているをご覧下さい!

「おはよーございます!おにーちゃん」


「おはよー沙友理」


 目が覚めるといつもの風景だ。特に変わったことは無い。


 昨日あんなことを言われたのだ、少し期待していたが、まあ現実はこんなもんか、と開き直ることにする。


 それにしても昨日の話、なぜ他の神様とやらを見つける必要があるのだろうか。宇宙人でもせめてくるのか。


 そんなことを考えている時点で、自分も完全に病気だなと感じる。


「それじゃ、行ってくるよ」


「はーい。行ってらっしゃい!」


 そうして学校に着き、授業が始まる。しかし、かえでの姿がない。今日は休みらしい。


 休み時間には、ワイワイ系の集団が、かえでは病気で入院した的な話をしていたが、その手の話がなんの根拠もないデマだと言うことを僕は知っている。


 大体、あんなことを言っておいて休むなんてとても迷惑だ。明日ちょっと怒ってみよう。



――翌日――


 今日は横にかえでがいる。だが、少し様子が変だ。なんというか、おどおどしている。それに今日はワイワイ系の奴らが集まってこない。何かあったのだろうか。


「林さん、昨日なんで休んだの?体弱いのか?」


 そう話しかけたのだが、彼女は返答に困っているようだ。やはり何かおかしい。


「君は私が見えるの?」


 頭が混乱した。何を言っているのだろうか、なんかのアニメに影響されたなきっと。


「見えるも何も、そこにいるじゃん」


「驚いた、みんな見えてないのだから、君も見えてないのかと思ったよ」


 みんな見えてないとはどういうことだろう。


「詳しく教えてくれないかな。つまり、どういうこと?」


「あなたは馬鹿なのかしら?言葉のままの意味よ。こんな簡単な日本語、小学生でも分かるわよ?」


 とても腹が立つ話し方だ。煽り方が、ツンデレキャラのそれである。


「だから、その言葉の意味が分かんねーんだよ。見えないってどういうことだよ」


 少し大声を出したせいで、みなの視線が僕に集まる。


 すると彼女は突然立ち上がり、教卓の前に行く。そして、とても大きな声で


「バカヤロー!」


 と叫んだ。突然何をしだすんだこいつは。


 だが、そこで異変に気づく。


 誰一人として彼女を見ていないのだ。先程の僕の声は彼女の声の半分も出ていないはずなのに、これはおかしい。


 彼女は席に戻ると、自信満々にこう言った


「ほら、こういうことよ。やっとわかった?お馬鹿さん」


 なぜこんなに人を煽る話し方をするのだろう。昨日まではもっと落ち着いた感じの人かと思っていたのに……。


 やはり、何かおかしい。見えてないのもおかしいのだが、それ以外にも、彼女は人格が明らかに変わっているのだ。


「放課後、昨日何があったか教えてくれ。たのむ」


「別に、何も無いわよ。私には」


 今の発言、なにか引っ掛かる……。『 私には』ということは、別の人に何かあったのだろうか。


「とにかく、放課後は屋上に来い。いいな?」


「あんた何様よ……。まあ、いいわよ」



 そして時は過ぎ、あっという間に放課後になった。20分待っても彼女は来ない。


「あいつ、約束すっぽかしやがったなー!」


「うるさいわね、行き方が分かんなかったのよ」


 いつの間にか、後ろにはかえでがいた。叫んだのを聞かれたのは気まずいが、分からなかったのなら遅れても仕方ない。


「ん?分かんなかった?」


 一昨日ここに呼び出したのは誰だ。間違いなく、僕の目の前にいる女、かえでだ。


「初めて来るんだもの、当たり前でしょ」


 この発言で、さっきから感じていた彼女の違いに気付いた。


「もしかして、林さん……記憶喪失?」


 彼女は少し驚いたような顔をして


「分かるんだね。そうだよ。というか、今までが記憶喪失だったって言う方が正しいのかな?」


 今までが。つまり、僕が神だと言ってきたかえでは記憶喪失の期間のかえでと言うことだろう。するとかえでは話を続けた


「私ね、先月、夢の中でとても綺麗な女の人と出会ったの。それでね、その女の人が、体を少しの間貸してほしいっていうの。なんでって聞いたら、仲間を集めないと、とても大変なことになるからって。それで断れなくって、気付いたら1ヶ月経ってて、頑張って受験した高校よりレベル高い高校に転校してたってわけ」


 彼女が言っていることは、普通に考えたらありえない。


 だが、演技でこれをしているのなら、その辺の有名女優なんか比にならないレベルの実力派だ。こんな所に通わず、ドラマとか声優とかのオーディションに参加した方がいいだろう。


 そんな風には見えない。と、思う。


 正直自分もよく分かってないのだ。急にこんな話を聞かされたら誰だって混乱するはずだ。


 でも、僕にはこの話を信じるという選択肢しかないと、その時なぜか思った。


「なるほど。僕はその話信じるよ。昼間、実際に君が無視されてるとこ見たしね」


 すると彼女はなぜか不満そうに顔を膨らまして。


「無視って言い方やめなさいよ!みんなが故意的にやってるみたいじゃない!なんか、よくわかんない現象かなんかなのよ!」


「ごめんごめん。じゃあ……なんで見えないのか、原因を突き止めないとね」


 彼女は驚いた顔をして、と思えば泣きそうな顔をしている。


「なんで泣くの!?」


「助けて……くれるんでしょ?ありがとう」


 彼女はきっと寂しかったのだ。誰も自分を見つけてくれない孤独な世界で。


「ああ。約束する。君がみんなに見えるようになるまで、君のそばにいるよ」


 我ながらかっこいいセリフを言ってしまった。と思っていたら


「は?なにそれキモい」

 それが先程泣きついてきた男に言う言葉だろうか。


 やはり、僕にこの類いのセリフは似合わないのだなと泣きそうになる。


 だが、彼女がちょっと笑顔になったのをみたら、そんなことどうでもいいと感じてしまう。


 こんな状態で、神などと言ってしまった暁には彼女が混乱してしまい、大変なことになるだろう。このことは今は内緒にしておく必要があると思った。


 そして、彼女を家の近くに送っている途中、見慣れた人物が目の前にいた。


 イケメンで、僕の友達、一色りょうだ。


 目が会った瞬間一色は鬼の形相になり、僕に近付いてきた。


「よ、よう一色。どうかしたのか」


「お前な!なーにこんな可愛い子と下校デートなんかしちゃってるわけだ!」


 僕とかえでは驚きで開いた口が塞がらなかった

今回は2人目の空の友達、一色君が出てきましたねー。彼はなぜ見えないはずのかえでが見えるのか。


次回の更新はいつになるかわかりませんが、1ヶ月以内には必ず出しますので、待っていて頂けると嬉しいです!

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