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第97話 勇者の意地



ワンコがドラゴニックスタンプを連発している頃



シバ王国にて




『オ・・・オークさん!』

『おぉ・・・リン。この地響きは一体・・・』




リンがオークの元に駆けつけた。




『ケルベロスさんと勇者が戦っており、いぬさんは加勢に向かいました。その他にも無数のモンスターが確認されています。犬さんからの伝言ですが、オークさんはモンスターがシバに攻めてこないように防衛にあたれとのことです。』

『ぬ・・・そんなことに。わかった。至急守りに備えよう。』




リンはオークに伝言を伝える。オークはワンコからの指示と聞いてすぐに葬式を中断した。




『リンは?』




オークがリンの動きを確認すると、




『おれは今、いぬさんからコボルト達を見守るように言われています。村のことは頼みます』




オークは状況をあまりのみこめないようだったが了承した。




『それじゃリン。また後でな。』





オークがリンの元を離れていく。




『あぁ、あと最後にいぬさんから"おれの葬式なんかやりやがって、ぶっころす!"だそうです』


『む・・・見られていたのか・・・』





オークはニヤニヤしながらリンの元を去っていった。








シバ王国近郊 ワンコは・・・




「ふー、おもろかった・・・」




おれはドラゴニックスタンプの連発をやめ、ひとまず戦況を確認することにした。




「・・・」




「モンスターが・・・」




見ると、あれだけいた大量のモンスターが殆どペチャンコになっていた。残っているのはA級モンスター数匹といったところである。まぁ殆ど瀕死状態だが。




・・・。やりすぎた。調子に乗って連発しすぎたようだ。




他は・・・





『ぐ・・・。そのスキルは・・・。反則じゃないかな・・・。』




ジンがフラフラになりながら瓦礫の山から出てきた。やはり勇者というだけあってそう簡単には死なないようだ。




「おれもそう思うぞ」




一応同意しておく。あとは・・・





『グゥゥゥウ・・・』




ケルベロスはそこそこダメージを受けていたが見事に耐えきったようだ。女王もしっかりと咥えている。





『う・・・、うう』





シュナウザーは無傷ではあるが、衝撃が大きかったらしくフラフラになっている。





さて、ケルベロスをなんとか救いたいところだが・・・





ケルベロスの守りが堅くてシュナウザーが持ってる封印石を壊すまで行き着かない。





そんなこんなで頑張って考えていると・・・





『・・・僕は・・・、こんなところで負けられない!君も倒してプードルも救う!』





ジンが自身に回復魔法を施して再び襲いかかってきた。流石勇者と言うべきか、なんかピンチになり一皮むけてしまったようだ。

にしても状況が変わったのだ。シュナウザーを倒す方にシフトしてもらいたかったが。




『君には悪いけど僕は何としてもプードルを救う!グランドスマッシュ・・・。』





ジンのカラダがオーラに包まれた。相変わらず固有スキル頼みではあるが、これまでのグランドスマッシュにはなかったものだ。





「これは・・・なんかやばい気がするな」





これまでもやばかったが今回のはいまのおれが食らっちゃまずい気がした。こうなれば出し惜しみは無しだ。





『・・・君とは別の形で出会いたかった。僕の新しい力、見せてあげるよ!』





ジンから全力の居合抜きが放たれた。・・・早い。これまでより。・・・しかも。まずい・・・





「おれはお前とは会いたくない!・・・。天衣無縫」





おれは金色のオーラを纏う。





『な・・・。まだ隠していたんだね』




ジンのグランドスマッシュがおれに直撃する。だが天衣無縫によって3分間はダメージを受けない。危なかった。ジンはおれの天衣無縫によって驚きはしたものの、攻撃を続けてくる。早すぎて今のおれには見切れそうもない。





『・・・ま・・・全く効いていない・・・。それなら・・・!』





ジンがおれがダメージを受けていないことにも驚くが、おれも驚いた。今までのグランドスマッシュは一回の発動で一太刀だったが、今回は連続切りが可能なようだった。





『そのスキルはずっとはもたないのだろう。君に攻撃が効くまで切り続けるよ』





ジンのスキルはある程度長い時間発動できるようだった。これは・・・。天衣無縫が切れたらまずい気がする。仕方ない。




「ジン。とりあえず次会うことがあったらおれに土下座して詫びろ!」

『ふ・・・また生き返るつもりかい。それならそれでよいよ。僕はプードルを救う!プードルを救えるなら土下座でもなんでもしてあげるよ。じゃぁね』





ジンは自分の勝利を確信したようだ。おれの言葉の意味を履き違える。

そして天衣無縫中のおれにジンの攻撃が当たる直前





「いくぞ・・・鳳凰眼!」





おぉ。





鳳凰眼を発動させると、おれの目は一瞬周囲の動きをスローモーションに移した。その間に鳳凰眼の対象となるスキルを認識する。





「くらえ・・・」





一瞬のスローモーションの後・・・





『なに・・・』





これまで瞬足に移動していたジンの動きがピタリと止まった。グランドスマッシュが強制キャンセルされたのだ。この瞬間を狙って・・・





「それじゃジン・・・。生きてたら反省しろよ。ドラゴニックスタンプ!」





ノーガードのジンにドラゴニックスタンプが直撃した。




『ぐ・・・ぐぁぁぁあ』





ジンは呻き声を上げながら、おれが造った谷底に真っ逆さまに落ちていった。





・・・・・・うむ。もう這い上がっては来ないようだ。これは流石に勇者の耐性でも死んだかもしれない。まぁ仕方ないけど。とりあえず・・・





「おれの勝利!」





ジンとの戦いはおれが勝利したので勝利宣言しておいた。





こうしてワンコvs勇者ジンの戦いは終わりを迎えた。

谷底を見ながら尻尾をブンブン回して喜びを表現するワンコであった。



次回へ続く

いつもありがとうございます。

今回は長くなってしまいました。


次回もワンコが暴れまわります。



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