第87話 本気
side シュナウザー
ヨークシャー領 封印石研究施設
『成功だ・・・遂に完璧な封印石に・・・』
シュナウザーはほぼほぼ完成していた封印石の最後の仕上げを終えた。
『さて・・・そろそろ勇者がシバにつく・・・。我らも向かうとしよう。女王も連れてこい』
シュナウザーは手下に指示を出す。と同時に封印石にて掌握しているモンスター達に完成品を使用する。・・・するとモンスターが纏っていた黒い光が消えていった。
『さて・・・、シバ王は残念だったが、ケルベロスは今度こそ頂く。ふふふ・・・勇者にはもうひと働きしてもらう』
◇
その頃のワンコ
「鎧ちゃんまだー?」
『あとちょっと! 目のとこの動き!これが大事なんです!』
鎧ちゃんはまだ鎧のメンテナンスをしていた。入念すぎるくらいに、特に目のシャカシャカするとこは時間をかけてやっていた。
◇
sideケルベロス
シバ王国 近郊
『どこへやった!』
『おしえんぞっ!』
『死ぬか教えるかどっちがいい』
『どっちもやだ』
ジンとケルベロスは言い争いをしながら戦っていた。
プードルを返して欲しいジン。タマゴを取られたくないケルベロス。
会話が絶妙な具合に噛み合ってるけど噛み合っていない。
『ていうかおまえだれだ!?』
ケルベロスがようやく、本来は一番最初に聞いておくべきことを聞いた。
『・・・勇者だ。おまえの国の王様をやったのは僕だ。、だから殺されたくなかったら渡せ』
ジンの方も早くプードルを取り返したい一心で、自分の正体をペラペラ喋る。
『なにぃ。いぬちゃんをやったのはお前か。(・・・ということはいぬちゃんはタマゴの為に襲われたのか・・・)それなら尚更渡せんな。がっはっは。』
ケルベロスは相手がワンコをやった勇者だとわかったのに豪快に笑いながら応える。
余計にタマゴを渡したく無くなったようである。
『・・・このままではラチがあかない。おまえを倒してから自分で探すことにする。』
ジンが聖剣を鞘におさめ居合の構えをとる。
これまでは情報を引き出すために敢えて手加減していたジンだが、本気で倒すことにシフトした。
『ぬ・・・。』
ケルベロスはジンの異変を察知し距離を取る。
ジンのわずかな動きも見逃すまいと防御に備えるケルベロス。
『ふ・・・。最初に教えてくれれば殺さずにすんだものの。女王は僕が自分で探す。・・・グランドスマッシュ』
ジンから無慈悲にもワンコを瞬殺したグランドスマッシュが放たれた。
次回へ続く
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