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第75話 提案



『犬さん、オークさん! 頑張りますよ! 』





おれたちは今ミーアの露店で働かされている。オークがオークションで大チョンボをやらかして一気に財政難になってしまったからだ。何でおれまで・・・





オークションで購入した品をすぐに転売する事は公には認められていない。即ち、生活して行くには、直ぐにでも小金を稼ぐ必要が出てきたのだ。

滞在自体は金がかからないが食費はタダという訳にもいかない。





オークがキャッチの様に道行く客を呼び止めている。おれはというと・・・





『キャー、かわいい』





・・・招き猫ならぬ招き犬になっていた。道行く人に揉みくちゃに触られていた。かわいい女の子の時は天国だが今回のようにオカマのムキムキお姉ちゃんの時もある。





地獄である。





英雄本人達による集客ということもあり、なんとかそれなりのお金は稼げる事となった。なにせ元手はタダ同然だからな。








「ふー、疲れた」




やっと在庫を売り捌き、おれたちは宿屋まで戻ってきた。ミーアとコボルトは後片付けだ。





「おい、オーク。コレどうするよ」





オークションで落札してしまった物を前におれとオークは考える。





『はい・・・どうしましょう。犬様。』





オークも自分のせいとはいえ自分ではどうしようもないようで困っている。ツンツンしてみる・・・。





『あ・・・・・・。動きましたねぇ』






確かに少し動いた気がする。





・・・・・・おれたちは目の前のタマゴをまじまじ観察する。そう、オークションで落札してしまったアイテム、それはタマゴだった。鑑定してみるも【謎のタマゴ】URと出るだけで詳細はわからなかった。おれの鑑定レベルが足りないのかは不明だ。





『と・・・とりあえずあたためないといけないのではありませぬか』





オークがもっともな事を言う。あっためると言ってもな・・・・・・。






閃いた。





おれはタマゴをアイテムボックスに収納した。そして・・・シバで留守番中のおれに犬小屋の中であたためるように殺意とともに送っておいた。

留守番中、竜巻を消したのは評価するが、散々ヒマしていたのだ。少しは働いてもらうことにする。








ブルテリア王国




オークションが終わってから数日。おれたちはもう暫く、ブルテリアに滞在してもらうように要請を受けていた。そして今日・・・





ブルテリア城まで来た。おれたちがブルテリアに到着した頃はほぼ全壊だった城が、半壊くらいにまで修繕されていた。作業員達が魔法で驚くべき速さで復旧しているらしい。





城に入ると騎士団長のチワワが出迎えてくれた。バーナードの元に案内される。





『おー、犬殿お待ちしておりました。』






バーナードは応接室のような所にいた。

ようやくブルテリアも落ち着きを取り戻しつつあるようだ。今後の話といった所だろうか。

とりあえずおれの呼び方は英雄から犬に変えてもらった。




『長らく滞在して頂きありがとうございます。今日はお察しかもしれませんが今後の話をさせていただきたいと思いお招きしました。』





予想通りだった。色々話をしたがまとめると




約束通りシバ村に城を建築する。おれたちが戻る時に作業員達を一緒に連れていってくれ、ということであった。問題ないので了承する。





一応事前に約束していた事はこれだけなのだが、今回バーナードから提案があった。





それは、城を建てたらシバが村から王国になる。その際に同盟を結びたいというものだった。今回の竜巻が通った道を整備してシバとブルテリア迄の行き来も可能にしたいとの事であった。





竜巻の被害を逆手に取るとはやはり頭が良い。





ブルテリアの流通網があればシバにも恩恵は計り知れない。今回のグレートデーン戦でシバの事は各国に知れ渡ったと見て間違いないのでブルテリアにとっても抑止力となる。お互いにウィンウィンだということだ。





結局、皆に相談してバーナードの申し出を飲む事とした。調印式についてはお互いの城が建ってから、国民の前でやる事になった。





『犬殿、これから宜しく頼みますぞ』





おれは肉球でバーナードと握手を交わした。こうして、ブルテリアでの予定を全て終え、おれたちはシバへ帰るのであった。





最初はコボルト達10人くらいだった集落がどんどん大きくなってきた。感慨深いものがある。






グレートデーン王国 牢屋





『く・・・くそぉ。バーナードのやつめ。このまま終わると思うなよ・・・。そもそも・・・』





戦争に敗れたグレートデーン王はブルテリアの介入によってその地位を失っていた。グレートデーン国内にも兵は残っていたものの、殆どの兵は今回の戦争に出兵してしまっていたため、最早グレートデーンにはブルテリアの介入を阻止できるだけの力は残されていなかった。




元国王が投獄された牢屋の中で恨みを口にしていると





『・・・グレートデーン王よ。全く・・・まさか負けるとは・・・なんとも無能。』





男がフードを被り監視を擦り抜けてやってきた。





『な・・・、お前は・・・。話が違うじゃないか!必ず勝てるといったじゃないか。すぐに助け・・・』





その男は元国王が騒ぐ前に口封じで国王を手にかけた。





『ふ・・・無能なお前を助けるわけがないだろう。』





男は元国王が致命傷を負った事を確認し姿を消した。





『は・・・はなしが・・・違うぞ・・・。シュナウザー・・・』



次回へ続く。


これにて同盟編は終了です!

いつもありがとうございます(´ω`



これにて同盟編は終了です!

次回から新しい章が始まります。


もし気が向きましたら、ブックマーク、レビュー、評価など頂けると、次の章でワンコが暴れまわるかもしれません!宜しくお願いします(´ω`!

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