第6話 やっぱり家がほしい④ 大誤算
「ほいっ、ほいっ」
おれは順調に木を投げながら森の中を進んでいた。
なんか投げているうちに段々と楽しくなってきた。
スキル【剛腕Lv3】がなかなかに凄い。Lv3でこれならもっと上がったら凄いことになりそうだ。
そんなことを思いながら集落までの道を進んでいると気配察知スキルが反応した。
森の中に2つの気配がある。少し遠くだ。
集中して探ってみるとモンスターと人間ということがわかった。気配察知Lv2でわかるのはこれくらいだろう。
人間がモンスターに襲われているのかもしれない。
コボルトの集落に来てからというもの、平和そのものだった。なぜ、モンスターが出現しないのかわからないが、いまは緊急事態かもしれない。急いで助けに向かわないと。
この世界で初めて人間に会える。緊張するが少し楽しみだ。
元々おれは話すのは苦手だったが、スキルの力も後押しして、この世界に来てからというもの、コボルト達とそれなりにうまくやってきた。
人と話すのも大丈夫かもしれない。
「やるか」
そういって自分を鼓舞すると運んできた木を持ち上げ、狙いを定めて思いっきりモンスターの気配がする方へぶん投げた。
木は空高く舞い上がったかと思うと、物凄い速度で落下していき、モンスターらしきものに直撃した。
・・・人間にあたるとこだった。危ない危ない
すぐに気配察知で確認するとまだモンスターがフラフラ動いているのがわかった。
おれは俊敏を使い素早くモンスターに接近した。
そして食らわした。
剛腕肉球パンチを。。
モンスターは吹っ飛んでいった。
肉球パンチめちゃ強い・・・
モンスターが倒れたのを確認し、人間が無事か確認するために俊敏を使い人間に近づいた。
人間は一連の流れに頭が追いついていないのか、恐怖なのかわからないが、おれが近づいても口をあんぐりさせて動かない。目も閉じてしまっている。
「仕方ない」
おれは人間を安心させるべく全力で尻尾を振って可愛いアピールをした。
しばらくすると、人間はおれの全力尻尾フリフリに気づき、落ち着きを取り戻した。
人間はおれに向かって話しかけてくる。
『助けてくれてありがとう』
おれは応える。
「全然よい、たまたま通りがかっただけだ。ケガはなかったか?」
おれイケメンすぎる・・・
しばしの沈黙のあと、おれの質問の答えは返ってこなかった。
・・・大事な事に気がついた。
・・・おれ犬だった。
多分人間には「ワンワン」としか聞こえてない。
なぜだー。
神へのクレームがまたひとつ増えたのであった。
次回につづく
ステータス
名前 イヌガミ
種族 犬
称号 コボルトキング
魔法 なし
技能 固有スキル【スキルガチャ(1日1回)】
獲得スキル
SR【威圧Lv10】【幸運Lv3】
RR【清掃Lv8】
R【話術Lv3】【交渉Lv3】【気配遮断Lv3】
N【体術Lv2】【気配感知Lv2】【剛腕Lv3】
【俊敏Lv3】
耐性
【物理攻撃耐性Lv5】
保有ラッキーポイント 1400pt
所持アイテム
「ドックフード5袋」「枕10個」「工具」「抽選券1枚」
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