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第65話 作戦



「おいオーク、起きろ」




99階層についたおれだがオークの顔を見たらうっかりグラビティスタンプをお見舞いしてしまっていた。





『はっ・・・犬様! いぬさまー』





オークの顔をペチペチ叩いていると起きた。起きて早々、おれを抱えて頭をガジガジ撫で回してくる。まぁ迎えにくるのが遅くなったからこれくらいは許してやろう。心なしか力がだいぶ強くなってる気がするんだが。





そういえば・・・





「お久しぶり鎧ちゃん」





鎧ちゃんに挨拶する。鎧ちゃんはお茶をすすっていた。





『犬様ですか・・・また強くなりましたね。』





鎧ちゃんはおれにもお茶を出してくれた。強くなったのがバレたようだ。鑑定持ってないのに何故わかるんだろう。不思議だ。





その後はお茶を飲み干して村に帰った。






心なしか、茶がやたら苦かった・・・。







さて・・・ではブルテリアに行くぞ。




『犬様頑張ります! 』




オークはダンジョンでだいぶ自信をつけたようだ。





『おうよ。いぬちゃんがんばるぞ』





「・・・・・・」






『・・・・・・』






「なんでお前も行く気満々なんだよ・・・」






ケルベロスも準備万端だった。





「お前は流石にまずいだろ」





そう。ブルテリアであんなに暴れまわったのだ。

今、行こうものならパニック間違いなし。





『・・・すっかり忘れてた』





マンガばっか読んでるからもう忘れてたらしい。まぁ暴れてる時の記憶は無いようだからしょうがないとも言えるが。





『・・・・・・それならこれでどうだ』






ケルベロスが猫の姿に変身した。





こ・・・これは!







『い・・・いぬちゃん落ち着け! 』





はっ・・・。気づいたらケルベロスが猫に変身するもんだから追いかけ回してしまっていた。





危ない危ない。やはり犬の本能には逆らえないようだな。結局ケルベロスが元の姿のミニチュア版になったことで正気を取り戻した。





さて・・・




ケルベロスも行くとなるとシバ村が手薄になってしまう。流石にラグに任せるわけには行かない。まだ実力不足である。





・・・





・・・・・・よし、





「ダブル・・・」





おれはダブルを使ってもう片方に留守番を頼むことにした。これでシバ村も大丈夫だ。出発だ。








ブルテリアまで戻ってきた。

グレートデーン軍が来るのが約10日後だということだったのでギリギリ間に合ったようだ。





今回はおれ・コボルト・オークに加え、ケルベロスも増えた。





ケルベロスには絶対に元の姿に戻らないように念を押し、ブルテリア国王であるバーナードに戻った事を伝えに行った。





「おーい、バーナード。戻ったぞー」





おれがバーナードを呼ぶ(吠える)と城の横に建てられた仮設テントの中からバーナードが出てきた。ちなみに城の方はまだ全然復旧が進んでいない。敵が攻めて来るのだから仕方ない。





『おー、英雄殿。』





バーナードが元気そうに出てきた。ミニチュアケルベロスにも気づき撫でていた。よもやこの国を崩壊に追い込んだケルベロスだとは思うまい。





「ケルちゃんです! 」





ケルベロスはバーナードに自己紹介をする。

ケルちゃんって・・・






バーナードがケルベロスを撫でていると、国王を呼ぶ声が聞こえた。騎士団長のチワワである。





『なんだ、チワワか。どうした』





国王はチワワを呼び寄せる。





ガチムチおっさんのチワワ登場。





『ブフッ・・・』





ケルちゃんがチワワを見て吹き出す。





「おいケルちゃん。国王の前で失礼だぞ」





おれは満面の笑みで囁く。





『だって・・・ブフッ・・・チワワって・・・』





ケルちゃんがツボに入ったようで床を転げ回っている。





作戦成功。ニヤニヤが止まらない。

国王とチワワはそれを見て困っている。





『ヤバい・・・』





ケルちゃんがツボに入ったまま全然帰ってこない。

そろそろ話を進めたいのに





『ぶふっ・・・変身が解けそう・・・』





・・・え





・・・・・・やばい。ケルちゃんの変身が解けるらしい。ここでバレるのはすこぶるやばい。





「・・・」




「剛腕極・・・」





おれは急いでケルベロスに全力でパンチを叩き込んだ。結果、ケルちゃんは彼方へと吹っ飛ばされていった。





「さて・・・、話を再開しよう」





バーナードとチワワが飛ばされて行くケルちゃんを眺めていた。だが開戦が近いようで、なんとか話を戻すことに成功した。危うくバレるとこだった。セーフセーフ。



次回へ続く

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