第59話 策士
「はぁ、どうするかなー」
ブルテリア王のバーナードに隣国グレートデーン王国との戦争に協力要請されたワンコであったが・・・
おれがため息をつくとオークがなんか凄いフンフン言い出した。やる気満々らしい。
・・・
・・・・・・とりあえず無視して、"協力の見返り"について聞いてみたが、希望をできる限り聞くとのことであった。
・・・少しふっかけてみるか。コボルトを通してやり取りする。
「それならシバに城を作ってくれ、あと城造りの技術を教えてくれ」
どの道ブルテリアも城を建て直すのだ。ついでにシバにも建ててもらおうと考えた。
『・・・』
バーナードは考え中だ。無理難題だったかもしれない
『・・・・・・それであれば問題ありません!』
・・・・・・大丈夫だった。
詳しく聞くと、魔法やスキルを使用する為、そこまで時間はかからないとのことであった。
・・・
・・・・・・ミスった。もっと良い条件にしとくんだった。
まぁ、後にも引けないので、バーナードにはその条件で協力することにした。あと、条件が破格すぎるとの事だったので、とりあえずおれじゃなくてオークが特攻する事を了承してもらった。
◇
『お任せください!犬様!』
オークに特攻してもらうことを話すと嬉しそうに槍をぶん回していた。
『あのー、少しよろしいでしょうか』
バーナードだ。今回の戦いについて話があるらしい。
『グレートデーンは最近異世界召喚を行なったようです。中でも1人勇者に匹敵する潜在能力を持った者が召喚されたと聞いています。』
・・・
・・・・・・先に言えよ。
バーナードのやろう、とんでもない後出しをしてきやがった。断りたくなってきた。
『ですが、英雄殿なら大丈夫です!もう民にも協力してもらう旨、広めておきました!』
・・・
・・・・・・このやろう。周りから固める作戦とは。最初はバカだと思っていたが・・・
多分おれの像を作ったことも計算のうちだろう。
この街に来た時、国王が死んでいるのにお祝いムードを感じた理由がわかった。コイツ、優秀だ。
「・・・」
「・・・」
「・・・・・・ということだ。よかったなオークよ。あとは任せたぞ」
・・・・・・オークは忽然と姿を消していた。
逃げやがった。
次回へ続く。
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