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第57話 ブルテリアの英雄



『なにやってるんですかー、行きますよー』





ブルテリアに着いたのは良いが、無残に破壊された城を見て、急に行きたくなくなった。

ケルベロスを助ける為なので仕方なかったとはいえ派手にぶっ壊したのだ。





もしかしたらおれの事を血眼になって探している可能性もある。





『・・・・・・お犬様、どうかされたんですか』






コボルトが心配してくれる。優しい。






『犬様・・・汗がすごいですが大丈夫ですか』






オークが何かを察したようでニヤニヤしながら気遣う態度を見せてきた。






・・・・・・






・・・・・・コボルトを見習うよう教育として、サイコキネシスで地面にめり込ませて置いた。









『とりあえずです!なにが起きたかわかりませんが一度街に入って見ましょう!』





結局ミーアに抱えられて街まで行くことになってしまった。





街の入り口まで来てしまった。

街は城が破壊されたとは思えないくらい活気があって人が溢れていた。悲壮感よりはどちらかといったらお祝いムードが漂っている気さえする。





一歩踏み入れる。





・・・





・・・・・・足を踏み入れた瞬間、なんか街の至る所から緊張感が伝わってくるのを感じた。





やばいかもしれない。





『いぬさん・・・なにやらかしたんですか・・・』






ミーアがそれを感じ、おれの耳元で囁く。

これは・・・説明しておいた方が良さそうだ。

おれはみんなを集めた。




『いたぞー!』




皆に事の経緯を伝えようとした時、城の兵士と見られる数人がおれたちを見て猛ダッシュしてきた。





「やばい・・・逃げるぞー!」





ここで捕まってはまずい。おれはダッシュするよう促す。





『お犬様! ほんとなにやらかしたんですか!』





コボルトが走りながら1枚の紙を見せてきた。

街の至る所に貼ってあった紙だ。なになに・・・





・・・





「城まで連れてきた者に報奨金・・・」






そこにはおれとしか思えない絵が描かれていた。





「・・・・・・おれにそっくりだな」





一応、おれじゃない可能性もある。





その間にも、最初は兵士だけだったのが、住民達もそれに混ざって追いかけてきた。どんどん人が増えていく。





『なにいってるんですか!こんな面白い姿してるのは犬様だけですよ!』





ケルベロスがニヤニヤしながらここぞとばかりにぶっこんでくる。

後で殺されたいらしい。






・・・凄い人数になってきた。追いかけてくる数がヤバいことになっている。そろそろコボルトもミーアも限界のようだ。死にそうな顔をしている。




・・・




・・・・・・本気出して撒こうかな・・・

おれは巨大化する。





『待たれよ! 』





街の広場に大声が響き渡った。

大した声量だ。声のした方を見ると貴族っぽい格好の青年が立っていた。





追って来ていた兵士も住民もその青年に気づき、一同が跪いた。





これは・・・王様なのかな?おれは何となく青年の言う通りに待って見た。青年がこちらにくる。

おれを捕まえるんじゃないのか・・・





青年は目の前にくると一礼し丁寧な口調で喋り出した。





『大変な失礼をお許し下さい。我がブルテリアを救っていただいた英雄をずっと探しておりました。是非、ゆっくりと話をさせて頂きたい。』





・・・ん?




・・・・・・え、英雄?





・・・




・・・・・・なんか知らない間にブルテリアの英雄になっていたらしい。コボルト・ミーア・オークも顔を見合わせる。そして・・・





『あれをご覧ください!』





青年が城のあった場所を指差した。






そこにはおれにしか見えない立派な銅像が建てられていた。





・・・・・・なんだこれ






『見てください!英雄の像です!』







・・・





・・・・・・また1人バカを発見してしまった。

もっと先に直すのあったろ。てか城を直せ、城を。



こうして、後のシバ王国と同盟を組むことになるブルテリア王国、現王との初対面となったワンコであった。



次回へ続く

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