第52話 ワンコVSケルベロス
『ふはははは、凄い、凄いぞケルベロス!』
シュナウザーがケルベロスを操り、国王にヘルファイアをぶち込んだ。ヘルファイアは国王だけでなく建物の壁から先を殆ど消し炭にした。
『シュ・・・シュナウザー様! これは何事ですか!国王はどうされた! ・・・げぇ・・・ケ・・・ケルベロス・・・』
外から兵士達の声がした。シュナウザーに状況を確認するが、突然現れたケルベロスを見て怖じ気付いている。
『うむ、いや・・・。そうだな・・・。国王はおれが始末しておいたぞ・・・そして、おれはこの国に用がなくなった・・・お前たちの王には世話になった。礼をやる!』
【ヘルファイアLv5】
シュナウザーが見境なく攻撃を始めた。・・・・・・コイツ・・・。ケルベロスのチカラを手にいれて完全に調子に乗っていやがる。
今の攻撃でおれが見える範囲の大半の兵士達はなすすべもなくやられていった。
『国王を・・・・、全員!シュナウザーを殺せ! 』
国王の訃報・シュナウザーの逆心は兵士達に瞬く間に広がった。
兵士達はシュナウザーに魔法や武器で立ち向かう。
『ふん、そんなもの効かないのだよ』
【グラビティLv7】SR
シュナウザーの声とともに、ケルベロスの頭上に巨大な重力場が現れる。重力場は城全体を覆い、覆われたエリアは重力によって押しつぶされていく。
「おもいぞ・・・」
・・・・・・おれも重力の影響を受けてだいぶ体が重い。仕方ない・・・このままでは国が滅ぶ。この国が何処かは全くわからないがあまり無闇な殺生は好きではない・・・
【グラビティスタンプLv3】SR
おれとケルベロスの攻撃がぶつかり合い、おれの方が競り負けたがケルベロスの攻撃を中断させる事ができた。兵士達の一部からすごい感謝の眼差しが向けられたワンコであった。
◇
『ほぅ・・・、ケルベロスに寄生するザコかと思ったが・・・なかなかやるな』
おれがケルベロスに放ったグラビティスタンプを見てシュナウザーがおれへの評価を変えた。
まぁそれでも舐められている事には変わりない。
・・・このままでは大勢が犠牲になるため、シュナウザーにはおれ1人に集中してもらうことにする。
舐められたままなのも嫌なので・・・
【威圧Lv10】
ケルベロスより強力な威圧を放ってみる。
『・・・』
『・・・・・・』
『・・・・・・な・・・そんなバカな・・・。ケルベロス!コイツをすぐに殺せ!』
おれが放った威圧をモロに受け、シュナウザーは冷や汗をダラダラたらす。おれのヤバさが伝わったようだ。先程までの余裕の表情が消え、ケルベロスが襲ってきた。
◇
「おい! ケルベロス。正気に戻れ」
ケルベロスに声をかけてみるが、返答もなくおれに襲いかかってくる。
【ヘルブレスLv5】SR
【ブリザードスタンプLv3】SR
【グラビティクロウLv7】SR
【メテオLv7】(手加減ver)SR
スキル同士がぶつかる。ケルベロスのグラビティクロウが予想以上にヤバそうだったのでメテオをケルベロスだけに当たるように放つ。
膨大なエネルギーの放流が生まれ、せっかくメテオを手加減したのに、結果として、城全体が崩壊し甚大な被害となった。
「・・・・・・なかなかやるな。ケルベロス」
勝負が長引くにつれて周りの被害は大きくなっていく。このまま長引くと国全体が滅びかねない。
・・・
・・・・・・おれは少し考えた後、少しばかりの犠牲を払って勝負を終わらせる決断をした。
【メテオLv7】(フルパワーver)
フルパワーでメテオを放った。先程とは比にならない大きさの隕石がケルベロスとシュナウザーに向かって降ってくる。・・・ということはおれにも直撃するということだ。大丈夫、おれには超回復がある。
『な・・・なんなんだ、コイツは・・・。せ・・・せっかくケルベロスを手に入れたのに・・・。ケルベロス!おれを守れ! 』
シュナウザーがケルベロスを盾にして隕石から逃れようとする。ケルベロスのスキルとおれのフルパワーのメテオがぶつかり合った。
◇
「うーん・・・・・・」
おれは上に積もった瓦礫をどかし状況を確認する。
ケルベロスは・・・
『ふっ・・・ははは! さすがケルベロス!今の攻撃をも凌ぐとは。 』
・・・
・・・・・・おれの願いも虚しくケルベロスはダメージを受けたものの、瀕死のダメージとまでは行かず耐え切っていた。
・・・
・・・・・・ヤバい。このままでは国が滅ぶ。
次回へ続く。
いつもありがとうございます。今回も真面目回です(´ω`
次回はワンコが頑張ります。
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