第170話 御臨終
ヨークシャー城
sideワンコ
・・・頭がもやもやして、無性にイライラする。なんかもうどうでもよい気分だ。誰でもよい。目の前には映るやつは全員タコ殴りにしたい衝動にかられる。おれは肉球を握りしめ、目の前のヨークシャー王をタコ殴りにした。
◇
「こんにゃろ、こんにゃろー」
『ぐっふ、ぐっふぅぅぅう』
ヨークシャー王はワンコにタコ殴りにされ既に瀕死の状態であった。それにしても、ヨークシャー王、オークも真っ青な素晴らしい耐久力である。
『ニャンコ丸・・・、いぬちゃん、なんかやばくないか?体赤いし』
『そ・・・そうね。視界に入ったものは何でも襲うようね。ヨークシャー王が死にそうだわね・・・、勇者も来ないし。・・・体赤いし。』
ケルベロスとニャンコ丸はワンコの注意がヨークシャー王へと向いた隙をみて、だいぶ距離を取る。
『と・・・とりあえずいま、いぬちゃんの視界に入らない方がよいな。ワシの首2つがこのとおりクテーンと!がっはっは!』
『・・・・・・。ぶふっ!』
ケルベロスが自身の気絶した首2つをブルンブルン回して、震わせている。完全にウケ狙いの悪意あるぶん回し。ニャンコ丸はそれに堪え切れなくなり吹き出す。
「ケルベロス、あの世で反省だー!」
『げっ、ニャ・・・ニャンコ丸、見つかったぞ。』
『だ・・・だって、ブフ・・・、あなたが悪いんじゃない』
吹き出したニャンコ丸のせいで(元はといえばケルベロスがふざけていたせいだが)ワンコが猛然と2人に迫る。
『う、うおぉぉぉ、にげろぉぉぉお』
「まてやこらぁぁあ。ふんぬ!」
『うごぉぉぉお』
『ケ・・・ケルベロスー。』
逃げる間もなく、真っ赤なワンコがケルベロスを捉えた。遂にケルベロスの3つ目の首がクテる。ケルベロス、死んだかわからないが御臨終である。
「ニャンコ丸ー、お前もお尻ペンペンだぁぁぁあ」
『うひゃぁぁぁ、にげろぉぉぉお』
ケルベロスをクテらしたワンコはニャンコ丸にロックオンした。お尻ペンペンなんか食らったらニャンコ丸は瀕死間違いなし。当然直ぐに追いつかれるニャンコ丸。
『ワンコちゃん、やりすぎよー』
「お仕置きだぁぁぁ。」
蹲ったニャンコ丸にワンコの肉球パンチがヒットする、その直前
『ふぉぉぉぉお、父上ぇぇぇえ。何してるんだぁぁぁあ!』
真っ赤に染まったジュニアがワンコのパンチを受け止めたのであった。
『ニャンコ丸無事か!』
『ん・・・?生きてる! って、ジュニアじゃない。あんた死んだんじゃ・・・』
ニャンコ丸は死んだと聞いたジュニアが生きていたことと自分が生きていたことに驚き目をまん丸にする。
『ふふふ、おれ死んでない!鳳凰簡単に死なない!』
『え・・・、鳳凰!? てかあんたが死んだからワンコちゃん、あんな感じになっちゃってるのよ。』
『え、そうなのか!?』
『とりあえずワンコちゃんを正気に戻さないと』
『わかった!おれも時間ない!急いで頑張る!』
ジュニアが真っ赤なワンコに立ち向かうのであった。
次回へ続く。
読んで頂きありがとうごさいます。少し仕事が立て込んでしまい、書いては寝落ちを繰り返し遅れてしまいました。繁忙期過ぎるまで、少しペースダウンかもです。
まさかのケルベロスが・・・笑
ブックマーク・評価いただけると大変やる気が上がりますので、よろしくお願いします
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