第164話 サボリ魔
ヨークシャー王国 城下町
『ニャンコ丸! 勇者が来たぞ!』
コリーとドラゴンが勇者ナツとの戦闘を繰り広げているころ、ジュニアは勇者タツヤを迎え撃とうとしていた。だが・・・
『ニャンコ丸ー?・・・・・・。いない!?』
ジュニアの背中には、さっきまで一緒にいたはずのニャンコ丸がいなかった。
『・・・ニャンコ丸がいない!』
ジュニアが辺りをキョロキョロして探すが、ニャンコ丸は忽然と姿を消していた。
『・・・』キョロキョロ
何処を探してもニャンコ丸は居ない。
『げ・・・。』
ジュニアの目の前にタツヤが姿を現わす。ジュニアはニャンコ丸がいない事がわかり少し焦り気味であった。
『サンダーバレット』
『うお! いきなり来た!』
ジュニアはタツヤの極魔法をヒラリとかわす。
『ニャンコ丸がいない! 仕方ない! おれ1人で戦う!』
ジュニアは覚悟を決めて、タツヤを迎え撃つのであった。
◇
ジュニアがタツヤと鉢合わせた頃。
『がっはっは。おお、ここにも食料が!ほほう、これはうまそうだ。』
ケルベロスは領民が逃げていなくなった街中で、タダ飯を食らっていた。
『ヨークシャーもなかなか! いやー、来てよかった。国を救うわけだからな、これくらいの報酬は貰わないとな。がっはっは。』
他の仲間たちが死ぬ思いで勇者と戦っているにもかかわらず、ケルベロスはサボっていた。さっきまで街の中で大暴れしていたのにこのセリフ。そしてそこへ
『・・・。なにしてるの?』
『げっ! ニャンコ丸。 いや、少し戦場の偵察をだな・・・』
『・・・・・・』ジー
『すまんすまん! 今から本気出すから、な?』
ニャンコ丸がケルベロスを疑惑の目で睨んでいた。
『ニャ・・・ニャンコ丸こそ、ジュニアを1人にしてるじゃまいか』
『あの子は良いの。ドラゴンと違って、多分相当強いはず。』
『ジュニアは得体がしれんからな。』
『それより、約束は守ってよね。あんたを上手いこと連れて来たんだから。』
ニャンコ丸がケルベロスに乗る。
『ワシは約束は守るからな。ワッハッハ。にしても別にいぬちゃんに任せときゃ勝手に解決してくれるだろ。』
『ヨークシャー王はめちゃくちゃ強い、更にヨークシャー勇者、何処にいるかわからないけど、出てきたらなるべく時間を稼いで欲しいの。あんたが適任。』
『ふむ、そーゆうことか。ワシ、持久戦には人自信があるあらな。がっはっは。』
ケルベロスがヨークシャー城に向かって走り出す。
『まずはヨークシャー王とあのワンコの戦いに乱入よ。ヨークシャー王を追い詰めれば必ず勇者が出て来るはず』
『わかった! では、とうげきぃぃぃぃい。』
『きゃぁぁぁぁぁあ。ちょっとあんた、それやる必要ないでしょ!』
ケルベロスはニャンコ丸を乗せて、ヨークシャー城までの全ての建物を破壊しながら突き進んでいったのであった。あとでニャンコ丸にブチ切れられていたのは言うまでもない。
次回へ続く。
読んで頂きありがとうごさいます。相変わらず堕落したケルベロスです。
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