第162話 厄介な勇者
ヨークシャー王国 城下町
『すごいな、ドラゴン。勇者がすっ飛んでいったぞ』
『うむ、コリーが元々すごいからな。コリーくらい強いやつと同化したのは初めてだ。』
同化によって、竜人化したコリーとドラゴン。元々超人的であったコリーだが、その力は更に急上昇していた。コリーのドラゴンパンチ（只のパンチ）を食らったナツは受け身も間に合わず、吹っ飛んでいった。
『さぁドラゴン、常時フルパワーだ。そんなに時間はないぞ』
『ああ、わかっている。来たぞ！』
吹っ飛んでいったナツがよろめきながら瓦礫の山から出てきた。
『サイレントモーション一式』
ナツの実体化した分身達がコリーに襲いかかる。
『ち・・・瞬剣 五月雨』
コリーは短剣でその分身達の攻撃を捌いていく。刀身が見えないくらいの恐るべきスピードで捌いていく。
『ホーリーバースト、ファイアバースト、ブリザードバースト』
ナツは分身で斬りかかるのをやめ、魔法に切り替える。スキルの竜巻がコリーを襲う。
『これが・・・厄介だ。ぐ・・・ぐおおお』
『・・・』
ナツの分身達は捨て身の攻撃で自身が作り出した魔法の竜巻にコリーを引きずり込もうとする。
『こんな・・・ものぉぉぉお』
ナツの分身がどんどん増えていき、コリーが竜巻に飲み込まれようとするが、コリーは火事場の馬鹿力で対抗する。
『コリー・・・、もうそんなに長くないぞ』
『わかった。こうなれば相打ち覚悟だ。ドラゴン、お前の頑丈さに欠けるぞ。』
『うえ、ちょま』
ドラゴンは同化できる時間が残り少なくなっている事に気付きコリーに声をかける。
『勇者、いくぞー、少し休憩しておけぇぇぇえ。絶剣極！』
コリーは防御を捨て、全ての意識を攻撃に集中させた。分身達はコリーに斬りかかるが、ドラゴンの皮膚がその剣を受け止める。コリーの顔が苦痛に歪む。
『ぐぅぅぅう。うぉぉぉぉお。これで終わりだ。無言のヤツと戦ってても面白くないんだよぉぉぉお。』
コリーの絶剣はナツの魔法の竜巻の一部をも切り裂いた。そして一瞬にしてナツの懐に入り、その剣を振りかぶった。
鈍い音とともにナツの体がくの字に曲がる。ナツが膝をついて倒れたが、そこで同化のタイムアップを迎えた。
『ふー、時間切れか。仕方ない！』
『いてててて。肌が痛い。分身達め。思いっきり斬りやがって』
ナツは大ダメージを負ったが、直ぐに回復魔法を施そうと動き始めようとしている。
『そうはさせるか！おい、ドラゴン、2人で勇者を抑えにかかるぞ！』
『わかった！おりゃぁ』
『口塞げ、口、縛りあげろー！』
『うおおおお』
◇
『ふぅ、終わったな』
『ああ、我らの勝利だ』
ナツを拘束しようとしばらく格闘したコリーとドラゴン。努力の甲斐もあって、2人の目の前には縄でグルグル巻きになったナツがいた。モゴモゴ動いている。
『おい、ドラゴン。今回は良くやったな。お前の勇気を褒めてやる』
『う・・・うむ。コリーのお陰だ。すまない。』
『お前が強くなれば、もっと同化時間も増えるし1人でも戦えるのにな』
『そうなのだがな。今回ので心を入れ替えた！』
『どうだかな。頑張れよ。』
こうしてコリーとドラゴンの2人はナツを無力化する事に成功したのだった。
次回へ続く。
読んで頂きありがとうごさいます。ちょっと書いては寝落ちでデータが保存できておらずを繰り返してしまいました。何回も同じ話を書いてしまいました。
ブックマーク・評価いただけると大変やる気が上がりますので、よろしくお願いします
⋀_⋀
(・ω・)
／ Ｕ ∽Ｕ＼
│＊ ブ ＊│
│＊ ッ ＊│
│＊ ク ＊│
│＊ マ ＊│
│＊ │ ＊│
│＊ ク ＊│
│＊ 評 ＊│
│＊ 価 ＊│
│＊ し ＊│
│＊ て ＊│
│＊ ね ＊│
