第150話 ボーダー王国
ボーダー王国 宿屋
「ふぁぁぁあ。昨日は疲れた。今日はどうするかな。」
『犬様!ちょっと聖騎士とやらに会ってみたくはないですか!』
ボーダー王との対面から一夜。おれが眠たそうにしているとオークがテンション高めに話しかけてきた。聖騎士か。気にはなるがなぁ。
「多分敵が来たら真っ先に迎え撃つのが聖騎士だぞ。否が応でも見れる気がする。」
『ふーむ。そうですかぁ。では少し観光でもしましょう!』
オークはそう言うと足早に外へ出ていった。なかなか強引である。せっかくなので観光でもしようと思う。
それからしばらくして
「オーク。さっきのあれ、美味かったな!」
『はい! 本当にここボーダーは良い国ですな。シバにも取り入れましょう!』
おれはオークと視察を行っていた。シバで生かせるアイデアは持ち帰って、実践あるのみである。一通り町を巡り小腹も満たしたところで、最後に雑貨屋を見ることにした。
色んなお土産が置いてある。
『犬様!アレ、かっこいいですね!』
オークが何かを指差している。どれどれ・・・
「・・・"勇者ルイ、魔王討伐原画"か」
そこには、大きな絵画が飾られてあった。ど迫力で壮観だ。オークがかっこいいといったのも頷ける。
「いい絵だな。」
『ええ、勇者ルイですね。』
「しってるのか?」
『ええ、もちろん。ボーダーの勇者でしたが、魔王討伐後しばらくして死んでいます。この世界の誰もが知っていることですね。』
そうだったのか。知らなかったのはおれだけだったのか。そうなると、ニャンコ丸がそれを言わなかったのも、"知っていて当然"と思っていたからか。そんでもって、勇者が召喚出来て居れば大陸一になっていたというのも、勇者ルイを失った後の召喚のことか。紛らわしすぎる。
「なんで死んだんだ?」
『うーん、それについては色々な説があります。魔王の呪いや暗殺、不老不死を失ったなどですね。』
ふーむ。それは謎すぎるな。
「不老不死?」
『はい、固有スキルが不老不死と言うのは有名な話です。』
それまたチートすぎるな。となると、なんらかの形で固有スキルを失ったと言うことだろうか。まぁ考えていても仕方ないな。
「良いものを見たな。」
『はい、シバに帰ったらミーアの店にお犬様の絵を飾っておきます!』
「それはやめれ。」
こうしておれたちは城下町の視察を終えたのだった。
◇
sideニャンコ丸
ボーダー城 一室
『サチ様。準備は整っております。いつでも迎え撃てます』
『団長殿、ありがとうございます。私は大規模転移魔法発動の準備にかかります。ヨークシャーがどのような形で攻めてくるかわかりません。この国が戦場になることは確かです。領民を別の場所に強制転移させます。あとは頼みましたよ。』
『わかりました。任せてください。彼の方の為にも、私たちは負けるわけにはいきません。』
ニャンコ丸は騎士団長と言葉を交わす。騎士団長からは覚悟を決めた強い意志が感じられる。
『あとは・・・シバの方々は敵にまわさないことです。もし、窮地に追い込まれたらなりふり構わず、助けを借りてください。』
『ええ、わかっていますよ。今はそれどころではありませんので。』
『ええ、プライドよりも優先すべき事があります。』
『そうです。では互いの無事を願って、始めましょう、我らが聖戦を。』
2人は拳を合わせて、この戦いの勝利を誓うのであった。
次回へ続く。
読んで頂きありがとうごさいます。ボーダーの目的ははたして。
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