第138話 討伐依頼
ボーダー王国へ向かう途中の村の近く
「まさかの野宿とは」
『野宿は久しぶりです』
『おれずっと野宿してた!』
おれもこの世界に来てから数日間は野宿だった。オークもジュニアも割と大丈夫なようである。
「腹減ったな、とりあえず飯でも食うか」
『おお、そうしましょう』
『めっし!めっし!』
幸いアイテムボックスにはご飯をたんまり持って来ている。おれたちはせっかくなので宴会でもすることにした。
二時間後
「あぁぁぁ!おいー、それはおれの肉だぞ!あぁぁぁ、ジュニアそれは」
『ふふふ、このオーク、いぬさまの健康を考えて、肉を食べておきました!』ゲップ
『ミルクうまい! 初めて飲んだ!げっふ』
「おい、ジュニア。それはミルクじゃない。酒や。」
無事に食い散らかしていた。やはり食欲には勝てない。野宿ということで、他にすることもないので、食欲に拍車がかかる。ジュニアはオーク用の酒をがぶ飲みしていた。
『うぇーい! うぇーい!』
『おお、ジュニア。いい飲みっぷりだ。そらっ、もういっぱい!ふはは。』
オークがジュニアに酒を飲ませまくっている。食うのに夢中になりすぎて気づかなかったが、幸い、何も事件は起こっていないので良かった。
『うぇーい。オーク! おれの炎みてくれ! 凄いだろ!ファイアー!』
『凄いぞ、ジュニア! おいジュニア、私の雷も見せてやろう!』
ジュニアが身に纏う炎で宴会芸をし始めた。オークも便乗して張り合っている。
雲行きが怪しくなって来た。
◇
村の中にて
『はー、犬様には申し訳ないですが、宿に泊まれて良かったですね。』
『そうだワン。せっかくだからコボルトちゃんとはゆっくり話したかったワン。』
無事に村の宿屋に泊まることができた女性陣はそれぞれ2つの部屋に分かれていた。コボルトとコーギーは今夜は恋バナで盛り上がる予定のようだ。
もう一部屋は・・・
『もうすぐボーダーだな。』
『ええ、コリーさん。』
『ところでニャンコ丸で通すのか?お前の名前はタチバナサチだったはずだろ』
『ええ、シバの方々にはそれで通しますよ。恥ずかしいのでフルネームで呼ばないで下さい。』
元々ボーダーでも見知ったの2人だ。会話が続く。
『わかったよ。ニャンコ丸。お前さんの境遇はしってる。私は冒険者だがボーダーには恩もある。やれる事は協力してやろう。』
『ええ、ありがとうコリー。でも、なにかあればボーダーの事が最優先で構わないわ。よろしくね。』
『ああ、わかったよ。・・・ん?』
『・・・だれか来たわね。』
2人が会話を交わしていると、部屋の前に村人数人が接近して来た。当然それに気づいたコリー・ニャンコ丸は警戒して部屋から出る。
2人が部屋から出たタイミングで、隣部屋にて恋バナで盛り上がっていたコボルト・コーギーも同じように部屋から出てくる。皆お互いに目を合わせ牽制しあう。
少しの沈黙を破り、村人たちの代表のような男性が神妙な面持ちでコリーに話しかけた。
『急に大人数で伺いました申し訳ありません。S級冒険者のコリー様とお見受けしましたが間違いないでしょうか。』
『ああ、そうだが・・・。どうかしたか?』
『おお! コリー様とそのお仲間様。是非ともお力を貸して頂けないでしょうか。』
村人はコリーがS級冒険者のコリーで間違いない事を確認すると安堵の表情を示した。
コリーたちも村人に敵意がない事を確認し警戒をといた。
『なんかありましたか?代表さん。』
『なんかあったワン?』
『ただ事じゃなさそうですね』
ニャンコ丸・コーギー・コボルトも、村人を労わるように理由を聞く。すると、代表が深刻そうに事態を説明した。
『村の近郊でモンスターが暴れ狂っております。偵察に行った村人の話では、炎と雷が入り乱れ地獄の様であったと。お礼は致しますので討伐をお願いできないでしょうか。』
村人の頼みに顔を見合わせた4人であった。
次回へ続く。
読んで頂きありがとうごさいます。ほのぼのしております。またやらかしております。
もし気が向きましたらブックマーク・評価いただけるとやる気が上がります。よろしくお願いします。
⋀_⋀
(・ω・)
/ U ∽U\
│* ブ *│
│* ッ *│
│* ク *│
│* マ *│
│* │ *│
│* ク *│
│* 評 *│
│* 価 *│
│* し *│
│* て *│
│* ね *│