第137話 旅は道連れ
ボーダー王国とシバ王国の中間地点くらい
「・・・。何故こうなった・・・。」
『ウエー!ぎもぢわるいー!』
今、おれたちは絶賛ランニング中だ。巨大化したおれの背中には疲労困憊のジュニア。おれの倍以上は大きいのでクソ重い。みんなで走って旅路を進んでいる。
何故こうなったかと言うと・・・
「おいジュニア、飛ばしすぎだろ」
『重すぎた! 限界!』
聞いての通りだ。途中まで快調に飛ばしていたジュニアだったが、瞬く間に失速していった。流石に背中に5人乗っけるのは無理があったらしい。
限界を迎え体調不良となっていた。
『まぁ時間短縮できて良かったワン』
『そうね。ジュニアのお陰で私も荷物を運ぶ手間が少しは付けましたし。』
コーギー・ニャンコ丸、他の皆もジュニアの頑張りを称えていた。コーギー曰く、今がちょうど目的地との中間地点くらいとのことで、おれも、ここまで頑張ったジュニアを褒めてやった。
「この先どうするんだ?」
『到着までゆっくり行けば数日かかるワン。急いでも、とてもじゃないけど1日ではつかないから、この先の村に泊まるワン。』
コーギーの案内で今夜は近くの村に泊まることとなった。
『ただ問題があるワン。ジュニアのような大きいモンスターは多分村に入れて貰えないワン。』
・・・え。
・・・。そりゃそうだ。ジュニアはケルベロスサイズくらいはある。こんなのが突然村に来たら、大パニック間違いなしだ。だが村の外にジュニアだけを放置するのは可哀想だな。
「・・・。流石に村がすぐそこにあるのに、女性陣に野宿はさせられないしなぁ。」
『・・・』
「ということで・・・」
『・・・』
「・・・。オークよ。頼んだぞ!」
『げ・・・。うおっ。い・・・犬様。』
おれがオークに任せようと画策していると、疲労困憊のジュニアがおれの背中でその身に纏った炎を燃え盛らせていた。
「ま、まぁオーク、ジュニアのことは気にするな。頼むぞ」
・・・炎は更に大きくなる。
「おれが残ってやるかなー・・・」ちら
炎が小さくなった。コントロールしていやがるようだ。ジュニアが無言の圧力をくわえてくる。
『これは、私では務まりませんなぁ。』ニヤニヤ
オークが満面の笑みで応える。久しぶりにこの顔を見たが、相当うざい。
仕方ない。ここは・・・
「ふんぬ! オーク、お前も道連れだぁぁぁあ」
『うぉぉぉぉお。むごぉぉぉお』
オークに疲労困憊のジュニアを放り投げた。見事に下敷きになっていた。結局、今晩は村から少し離れた場所で、オーク・ジュニア・おれの3匹で野宿することに決まった。何事もなく一晩過ごせることを願っている。
次回へ続く。
読んで頂きありがとうごさいます。無事に野宿できるのか。出来るはずありませんね。ええ
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