第135話 ワンコの一日 後編
はてさて、ゴッドガチャの結果はいかに。
【スキルガチャの能力が一部解放されます。解放能力の抽選中・・・・・・抽選完了。】
ふむふむ。やはりゴッドガチャはスキルガチャの制限解除確定なのだろうか。
【抽選結果をステータスに反映します。スキルガチャ専用能力″ファントム″が使用可能となりました。】
「ファントム・・・。なんだろ」
鑑定眼で見てみる。
【鑑定レベルを満たしていない為閲覧不可。】
見れない・・・。鑑定眼でも無理なのか。鑑定眼より上があるのか、それともそもそも見れないのか。
ステータスを開いてみる。あった。
【ファントムLv--】
押してみる。ポチッと。
【発動方法が違います。スキルと同様に発動してください。】
なるほど。スキル名を口にすると発動できるのか。
「・・・。・・・ファントム。」
恐る恐るスキルを口にする。すると見たことのある虹色の紙がどこからともなく現れ、おれの中に吸収されていった。・・・あれは確かガチャを引いた時の紙だ。ステータスを開いてみる。
「色が違うスキルがあるな。UR Lv1 縦横無尽」
そのスキルは黄色の文字で書かれていた。これは鑑定眼で見れそうだ。なになに・・・。"覇気を纏う。覇気を自在に操ることができる"とある。これまた凄そうだ。だが、色が違う。ふむ・・・。続きがある。
使用可能回数1回or1分限定。能力使用又は不使用の場合は1日で消滅と書いてある。
なるほど。そんでもって・・・
「ファントム・・・。」
【発動不可。1日一回発動可能です。】
やはりか。1日一回限定でスキルがもらえるようだ。そりゃそうだ。何回も使えたらそれこそ無敵だ。URスキルしか出ないのかはわからないが、これはだいぶありがたい。重宝しそうだ。
◇
とりあえず今日はやる事ないし、お試しでスキルを使ってみることにした。
「・・・縦横無尽。」
スキル名を口にすると、体の奥のなにかが外れ溢れ出るような圧を感じた。その圧がおれの体外に山吹色の闘気となって放たれる。
「うぉぉぉ。なんだこれ。これは・・・操れるのか。せーの、ふん!」
その瞬間、シバ王国全体まで轟くような威圧がおれの体から放たれた。これが覇気というやつか。
"ガタン"
部屋の外からなにが倒れる音が聞こえた。
「んー?」
見に行くとコボルトがおれの覇気にあてられて、気を失って倒れていた。すまんことをした。至近距離過ぎたようだ。そんでもって・・・
『い・・・犬様ー、緊急事態で!あれ』
『おーい、いぬちゃーん。今のなんだ』
『ちびりそうだったワン』
シバ王国に滞在している強者達が猛ダッシュで駆けつけてきた。オークが真っ先に駆けつけ、そのあとケルベロス、コーギーと続く。ケルベロス以外皆、顔色が冴えない。
『ワンちゃんか。流石にびっくりしたわ。』
『この威圧感! 懐かしい!』
ニャンコ丸とジュニアも駆けつけた。ニャンコ丸のおれの呼び方が気になる。いつそうなった。
『犬様、今のは犬様で? 魔王が誕生してしまったのかと思うくらいの衝撃でした。ビックリしました。』
「す・・・すまん。一応、これっきりだから安心してくれ。」
皆が冷や汗ダラダラの中、オークから質問がきた。どうやら誤解を与えてしまったようだ。村人も殆ど気絶中だそうだ。やはりURスキルは半端ない。あまり不用意に使うのはやめておくことに決め、とりあえず皆には謝って解散とした。
その後ステータスを確認すると・・・
「消えてるな。」
"縦横無尽"はステータスから消えて無くなっていた。やはり一回or一分使用したらなくなるようだ。
とりあえず、ゴッドガチャの"ファントム"については理解することができた。
これで一応おれの準備は整った。あとはもうちょっとジュニアが大きくなるのを待って、ボーダーに行くのみである。
誰がボーダーまで行くか、今夜会議にて決める予定だ。といっても消去法で殆ど決まっているのだが。
次回へ続く。
もう少しシバに滞在します。もう少々お待ちください。
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