第121話 大騒ぎ
シバ王国 闘技場
「いやー、まさかあのワンワンが勝つとはな」
『ええ。コリーのS級たる実力を見れなかったのは残念ですが良い試合でしたね!』
「そうだな。今後が楽しみだな」
『あっ、い・・・犬様。次の試合楽しみですね!フードを人物も謎ですし』
おれはコボルトと盛り上がっていた。コボルトも獣人に頑張って欲しかったようで嬉しそうにしていたが・・・
『あの獣人、犬殿を見てましたな。』
ほぅ。試合が終わった後、ずっとこっちを見ていたらしい。バーナードが教えてくれた。
コボルトも途中から気づいていたようで、わざと話を長引かせていた疑惑が生まれた。
コボルトの目が泳いでいる。通訳の仕事はちゃんとしてくれるからよいんだが。
『ほ・・・ほら。そろそろ次の試合が始まりますよ!』
コボルトが話題をそらそうと必死であった。
◇
『では次、タツヤ対・・・ん? ニャンコ丸!はじめ!』
オークが初めの合図をする。
勇者対異世界召喚者楽しみな試合だ。鑑定した際に本名を見たが、ニャンコ丸・・・ふざけているとしか思えない。顔はフードを深く被っており確認出来ないが、たしか名前的に女性だった気がするのだが・・・。
『おい、お前。異世界人だろ。どこの国だ?』
タツヤがニャンコ丸に開口一番割と多い声で聞く。いくら闘技場とはいえ、間近で見ている観客には聞こえてしまうボリュームだ。。
・・・
「あちゃー・・・。」
『なんと?・・・異世界召喚者。ん?犬殿。頭抱えてどうしました?』
『異世界召喚者・・・。どこの国かしら。』
・・・・・・タツヤのやつ頭はそんなに良くないらしい。もう1人の勇者ナツがタツヤに向かって腕を振りながらヤメロとジェスチャーしている。
『ニャンコ丸とかクソダサい名前しやがって。そのフードをとってやる。』
ニャンコ丸が喋らないのをいいことに、タツヤが更に煽る。
無反応である事が1番良いが、ニャンコ丸はどう反応するか。
『・・・・・・。・・・・・・。』
お・・・無言?
『・・・・・・あら。あなたもでしょ。ピットブル王国は暇なようね』
・・・
あちゃー。ニャンコ丸め。異世界人とバラされたことで無言キャラはやめたらしい。今ので一気にタツヤに関心が移った。ということで・・・
『・・・ピットブル王国?・・・そういえばあの顔どこかで』
『ピットブル・・・。タツヤ・・・。確か・・・』
・・・当然そうなるわな。
『『勇者だ!』』
2人揃って声をあげる。
『まさか勇者とは・・・犬殿は気づいていたのですか?』
『気づいてたなら教えて欲しかったですわ。勇者であれば勧誘できませんもの』
バーナードとプードルの目が痛い。腕を毛繕いして誤魔化す。そして当然・・・
『ということは・・・あの勇者としゃべっていたナツと言ったか。まさか・・・。』
『ええ、恐らくシェパード王国の勇者で間違いないわ』
まぁそうなるわな。盛大にバレた。観客で気づいたものも出てきて、あっという間に広がった。
『ゆ・・・勇者様だ!勇者様がでてるぞー!』
会場は大騒ぎだ。
『しまった・・・。バレちまった。』
『あなた、噂通りの猪突猛進タイプなのね』
ニャンコ丸の嫌味にタツヤが苦笑いする。
『さて・・・気を取り直して。ニャンコ丸お前が何者かわからないが勝負に勝つのはオレだ。』
『あら・・・。どうかしらね。』
ニャンコ丸は意味深にクスりと笑った。勇者タツヤ対ニャンコ丸が始まった。
次回へ続く
読んで頂きありがとうごさいます。次回は勇者対ニャンコ丸決着です。どっちが勝つでしょう
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