第115話 調印式
シバ王国 sideワンコ
調印式が始まった。会場の造りは真ん中が闘技場、その周りを観客が取り囲んでいる。試合の出場者は人数が多すぎるので別で簡易控えスペースを設け待機してもらっている。
闘技場の真ん中には小綺麗なテーブル・椅子が設置され、おれ、バーナード、プードルが着席する。観光客もこの歴史的な瞬間に盛り上がっている。
『プードル様ー、あっ、こっち見たわ。綺麗だわぁ』
プードルは美人で凛々しいことから男性もそうだが女性にも人気があるようだ。
『バーナード様ー、かっこいいですぞー。』
バーナードは最近王になったばかりだが、親父の悪政をひっくり返しただけあって、固定のファンが多そうである。
おれは・・・
『キャー、お犬様ー。かわいいー』
割と女性にも人気があるようだ。ちょっと気分が良い。わりかし若い声援があるたびに、コボルトの視線がチクチクする。
『えー、というわけで、三国が同盟します。それではシバ王国・ブルテリア王国・バンドッグ王国それぞれの王による署名捺印をお願いします』
コボルト司会の中、おれ・バーナード・プードルは条約締結書類の署名捺印にうつる。
・・・
・・・印鑑が・・・ない。
・・・・・・なぜだ。ブルテリアもバンドッグもキチンと印鑑を用意してきたのに何故かシバだけおれの肉球だった。というか今気づいたが、ペンが片手では 持てない。
「・・・・・・どーしよ」
両手の肉球で挟むようにしてペンをもつ。
"ガシャン"
・・・あ・・・。持ち損ねてしまった。
「・・・・・・」チラ
バーナードとプードルをみると、必死で笑いを堪えている。そのとなりのオークは・・・オークの野郎もプルプルしてやがった。
そして・・・
『ウヒー、死ぬぅぅぅ』
ケルベロスのやつもちゃんとケルちゃんに変化して出席していたが、盛大に笑い転げている。ケルちゃんフォルムでそれやられると尚更イラっとくる。
「こうなれば・・・。・・・サイコキネシス」
おれは観客にバレないようにサイコキネシスを使いペンを持っているように上手いこと誤魔化し難を乗り越えた。そして、最後に肉球で捺印し同盟締結が完了した。
あとでケルベロスには仕返しすると決めた。
『これにて三国同盟が締結となりました。今後の両国の発展にご期待ください。それでは今一度拍手をお願いします』
こうして調印式は盛大な拍手で締めくくられた。
◇
シバ王国 武闘大会 控えスペース
『はぁ、ようやく終わったか。早く優勝して商品を持ち帰りたいな』
『優勝したらまたお金いっぱい貰えるなー。何買おうかなー』
大勢の出場者が集まっている。待たされすぎて爆発寸前の出場者が多い中、2人の男は涼しい表情で大会の開始を待っていた。
2人の腰には聖剣の様なもの。他の出場者とは明らかに違う雰囲気を感じさせていた。
次回へ続く
次回は武闘大会でゴタゴタします。
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