第113話 お迎え
sideワンコ
ぱちり・・・。目が覚めてしまった。
まだ早朝だ。武闘大会が楽しみでワクワクしすぎて目が冷めてしまった。・・・城下町でも散歩するか。
「んー、早起きは気持ちが良い。」
『あ、あの!お犬様!』
ん?町を歩いていると可愛い少女が話しかけてきた。
たしかラグの妹のフリーゼだ。どこか落ち着かない様子だ。寝れなかったのだろうか。
「ワンワン!(どした?)」
『大会にお兄ちゃんの代わりに申し込んだのですが、まだダンジョンから戻ってこないんです!心配です・・・。』
・・・!
・・・・・・そうだった。ラグの様子を見に行くのをすっかり忘れていた。大会が始まるまでまだ時間がある。ラグを探しにいくか・・・。
「ワウワウ!(探してくる!)」
『お願いします!』
フリーゼに見送られてダンジョンに向かうのであった。
◇
シバ王国 調印式・闘技場会場
sideコボルト
『事前申込者はこちらでエントリーして下さーい。当日参加はあちらで受付を済ませて下さーい。・・・むう・・・お犬様がいない。まったくー。』
コボルトが武闘大会の整列をしていた。バーナードとプードルは既に会場に到着している。
集合まではまだ時間はあるが・・・
『犬殿はどうされたんですかねぇ』
『さぁ、まぁあの方なら心配はいらない気がしますわ。』
バーナードとプードルはワンコの心配など全くせずに談笑している。
『にょぉぉぉお。』
『うっひょぉぉぉぃ』
集合時間が迫るにつれ、コボルト達がバタバタと飛び回り始めた。その理由は・・・
大会参加者が多すぎたのだ。当初そこまで大きくならないだろうと踏んで、当日参加もOKとした。それがダメだった。事前申込者だけでもかなりの数になってしまい、更に当日の申込者も合わせると会場は100人をゆうに超える数になっていた。
『あー、もう。まだ犬様が戻って来てないですがとりあえず時間なので・・・これでエントリーは締め切りますよー!』
時間になったためコボルトが申込みを締め切ろうとする。その時
「うぉぉぉぉぉお、ちょっとまったぁぁぁぁあ」
『うわぁぁぁぁぁあ。ぎもぢわるいー!』
猛ダッシュでラグを咥えたワンコが到着した。
ギリギリセーフでなんとかラグのエントリーができたのであった。
次回へ続く
次回はいよいよ少し参加者の話です。
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