第109話 最上階
シバ王国
「このやろぉぉぉぉぉお。手伝えぇぇぇぇ」
『いやだぁぁぉぉぁあ』
おれは武闘大会会場作りでバタバタしていた。
ケルベロスはいつも通り全然仕事しないので、たまには捕まえてやろうと取っ組み合いをしていたところだ。
『ワッハッハ。手伝ったらワシがワシじゃなくなるからな。』
ケルベロスのやつ、益々ニート化している。
こうなれば・・・
「ケルベロスくん! 君の仕事はなんだと思う?」
『んが? んー。ワシはダンジョンの主だからな。特にないぞ。がっはっは。』
ケルベロスが馬鹿笑いしている。
「そうだぞ。これから開く武闘大会で猛者がいっぱいくるだろうなぁ・・・。」ちら
『ん?』
・・・まだわかっていないらしい、
「ダンジョンは盛況だろうなぁ。猛者が100階層に押し寄せたら忙しくなりそうだなぁ。頑張ってくれよ。ケルベロスくん。」
『ぬぉ! のぉぉぉぉぉお。中止!武闘大会中止!』
ケルベロスが雄叫びをあげて絶望していた。しめしめ。
「あと、当日ブルテリアのバーナードとかくるから、シバにいるならケルちゃんになっとけよ。」
『ぬっ。がはは。当たり前だ。そんなミスはせんぞ。まかせておけ』
ケルベロスは胸を張って応える。・・・こいつ、絶対なにかやらかしそうだ。
そういえばダンジョンの話で思い出したがラグはどうしているだろうか・・・。
◇
sideラグ
『お兄ちゃん、戻ってこないなぁ。そうだ!』
ラグの妹のフリーゼがダンジョンから全然戻ってこないラグに変わって、武闘大会の申込み手続きを完了させていた頃
『いよいよだ・・・。やっと会えるぞ』
ラグはダンジョン98階層まで到達していた。
ワンコがあげたスキル瞬剣や修行の成果もラグがここまでたどり着けたことの要因の一つではあるが、1番はやはり・・・
『鎧ちゃん・・・。可愛かったなー。』
"鎧ちゃんに会いたい"という気持ちだろうか。
ラグは突き進んだ。それも物凄い速さで。
60階層のスノードラゴンとは激闘の末、先に進む許可を得た。
70.80.90階層のボスもラグは驚くべき適応力を見せた。追い込まれた(鎧ちゃんに会いたいだけ)人間の底力だった。
いよいよ99階層への扉が開く
『お待ちしておりました。まさか本当にこの短期間で到達されるとは思いませんでした。』
『君に会うために頑張ったんだ。戦ってくれるかい?』
ラグは剣を構える。
『人間の来客は2人目です。私を認めさせたら最上階への挑戦を許しましょう。』
『あぁ。よろしく頼むよ。(・・・正直最上階には興味がないんだけどね)』
ラグにとっての最上階の挑戦が始まったのであった。
次回へ続く
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次回はガチャ回です(´ω`
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