第108話 ブルテリアの地下水脈
ブルテリア王国 近郊
『・・・ツ。ここは・・・何処だろう。』
バンドッグ勇者ジンはワンコとの激闘に敗れ谷底に落とされたが、奇跡的に生きていた。
谷底は地下水が流れておりだいぶ流されてしまったようであった。ジンはそこがブルテリア近くだとはわかっていない。
『あの柴犬め。やってくれたな。僕が悪いとはいえ死ぬところだった。プードルは・・・すまない。』
プードルの事が気になりはしたが、あの戦いで助け出せなかった時点で絶望的だということはジンにもわかっていた。そもそも真っ暗で何も見えないため、脱出もできない。急いで自身に回復を施す。
『・・・・・・ふう。これからどうするべきか。まずは脱出だ。探索してみるか。』
回復を施した後、ジンが聖剣に手をやると聖剣は光り輝いた。
『これで明るくなった・・・。』
聖剣『・・・・・・』
聖剣の使い方が間違っていることは誰にも突っ込まれずに、1人寂しく探索し始めるジンであった。程なくして、
『・・・なんだ。これは。』
真っ暗闇の一角に歪な渦のようなものが広がっている事がわかった。
『これは・・・ダンジョンだろうか。』
そう、それはダンジョンの入り口だった。そのダンジョンからは邪悪な瘴気が漂っている。
『これは・・・。こんなものを放っておいては危険すぎる・・・。だが・・・仕方ない。』
ジンはプードルの安否が気になったが、負けてしまった以上、こちらを優先すべきだと判断した。
『・・・行くか。』
ジンは意を決してダンジョンに飛び込んだのだった。
◇
その頃プードルは・・・
『はぁ・・・ジン。生きているとよいけど。』
バンドッグ王城で紅茶をのんでくつろいでいた。
次回へ続く。
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