第103話 尋問
シバ王国にて
『い・・・いぬちゃん!違うんだ。これには訳が!』
「なんだとー、訳もクソもあるかー!」
ケルベロスに預けていたタマゴがどっかいってしまったので説教中である。
オークションで大金を払ったのだ。何が生まれるか、わりと楽しみにしてたのに。
まぁケルベロスが封印石で操られていた時点でそんな気もしていた訳だが。
「で? 何が違うんだよ」
一応聞いてみると・・・
『いや・・・タマゴはあったんだけど・・・。』
ほう、タマゴはあったらしい。
「だけど?」
『もう生まれてた。殻しか残ってなかった。』
・・・まさか生まれていたとは。
「んで中身は?」
『わからん。探したけど何処にもいなかったのだ。』
・・・
・・・・・・悔しすぎる。もう少し早かったら生まれる瞬間に立ち会えたかもしれないのに。
仕方ない。とりあえずタマゴは諦めてシュナウザーからの情報収集を優先することにする。
かなりしっかりとあたためてたから残念でならない。
◇
シバ王国 王城 牢屋にて
『ふん!おれはなにも喋らんぞ』
おれはコボルト・リンと一緒にシュナウザーに会いに来た。おれとコボルトだけだと見た目的に空気が緩んでしまうため、口を割らせるのは厳しいと判断したのだ。
『封印石とはなんだ。お前たちの目的はなんだ』
リンがわりと強めのトーンでシュナウザーを尋問する。大精霊がリンの胸元から顔を出してその様子をまじまじと見ている。どんな気持ちなのだろうか。
『お前・・・グレートデーンの召喚者か。シバに寝返ったのか!モンスターの下につくとは・・・所詮ハズレか。フン。』
喋る気はさらさら無さそうだ。だが一つ気になることを言った。ハズレとはなんのことだろうか。リンに聞くように言う。
『ハズレ?どういう意味だ。』
『フン。知らないのか。グレートデーン王が嘆いていたぞ。まぁお前らに教えてやる必要もないわ。』
どうやら教える気はないらしい。封印石なんかよりむしろそっちの方が気になってきた。
こうなれば致し方ない。強硬手段はとりたくなかったのだが・・・
おれは巨大化を使用した。シュナウザーがビビる。
『な・・・、拷問しようというのか!私はそんなものには屈しない!』
シュナウザーが抵抗する。
おれはシュナウザーに近づき・・・
・・・
はむ。シュナウザーの頭を咥えた。
「くらえ!究極舌技ペロペロマシンガン!」
舌が躍動する。
『ぐ・・・う・・・うわぁぁぁぁぁあ。わ・・・わかった!しゃべる。しゃべるからー!』
シュナウザーを咥えるのをやめると唾液まみれのシュナウザーがいた。すごいげんなりしている。
「ふ・・・。流石おれ。」
神にも通用したこの舌技。自画自賛しながらコボルトとリンを見ると・・・若干ひいていた。
とにもかくにもこうしてシュナウザーが持っている情報を引き出すことに成功したのであった。
次回へ続く。
これにて3章は終わりです。
次回から新しい章になります。
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