第101話 忘れ物
シバ王国
・・・なんかいる。
「あれが大精霊・・・ちっこい」
思わず口に出してしまうと・・・
『あ!言ったわね!』
なんか絡んできた。
「あー、すまんすまん。リンから聞いたけど大精霊?」
『そうよ。リンちゃんのパートナーよ。やっと顕現できたからアンタには感謝してるわ』
リンちゃん・・・。なんかおれの中の精霊のイメージの斜め下を攻めてくる。それにしても・・・
「感謝?」
感謝されることをしただろうか。
『えぇ。だってアンタでしょ。精霊石を使ったの。あんなもの、そう簡単に手に入らないわ。この近くで手にいれられるとしたらアンタだけよ。そのおかげで顕現できたわ。』
なるほど・・・。大精霊ともなるとそういったこともわかるようだ。一応おれが使ったと応えておく。
『そのかわりケルベロスは私に感謝しなさいよね!これでチャラよ! 』
大精霊はおれとケルベロスを見ながら誇らしそうにしている。
『んが?』
ケルベロスはなんのことかわからず呆けている。
まぁ見当はつくが一応聞いてやると・・・
『ふふん。封印石の浄化は私がやってあげたのよ!リンちゃんと一緒にね』
・・・やはり。さっきの白い光は大精霊だったようだ。そんでもって、それによって力を使い果たしてしまったと・・・。
『んあ? おお。そうなのか! サンキューサンキュー。』
ケルベロスが礼を言うと、大精霊はリンの元に隠れた。
「ケルベロス。」
『んあ?』
「とりあえずもう喋るな。鼻がひん曲がりそうだ」
『がははは、はー』
ケルベロスが息を吹きかけてきた。
どっかいってほしい。犬の嗅覚なめんな。
・・・そういえば。
「おいケルベロス。とりあえずその2人はここに置いて、預けてたタマゴをだしてくれ」
おれがケルベロスに預けていたタマゴだ。どうなっただろうか。
『タマゴ?』
「タマゴ。」
ケルベロスのやつおれの頼みを忘れたらしい。記憶ぶっ壊れてるのか。
『・・・・・・』
「・・・・・・」
おれはケルベロスと目を見合わせる。リンとの大精霊についての会話のデジャヴを感じる。少しの間の後
『あぁぁぁぁぁあ!隠したままだったぁぁぁぁあ』
「このクソいぬ! すぐ取ってこい!」
ケルベロスは咥えていた2人を置いてすぐさまタマゴを取りに出ていった。
次回へ続く。
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