第99話 契約
シバ王国近郊 sideワンコ
「ふんごぉぉぉぉお!」
・・・
「このクソいぬぅぅぅう」
・・・・・・全然だめだ。ケルベロスのやつ口を開けようとしやがらない。
『ぐぁぁぁあ。口がぁぁぁあ。臭いぃぃぃい』
シュナウザーがケルベロスの口の中でもがいている声が聞こえた。まぁ口を開けるとおれに捕まるから開ける命令は出さないと思うが。
にしてもケルベロスのやつ、なに食ったんだ。
◇
sideリン
シバ王国にて
『ふぅ・・・あとはコボルトを見守るだけだ』
リンはオークに伝言を伝えた後すぐにコボルト達の元に戻ってきた。コボルトはこれといって状況は変わっていなかったが時間が経つにつれて・・・。
『にょぉぉぉお。来たー!』
『おぉぉぉぉお。これは!』
『わっしょいわっしょい!』
『うぉぉぉぉお。くるー!』
最初の騒がしさから一転して静かになったコボルトだったがここへ来てまた騒がしくなった。
『そろそろか・・・』
『リンちゃん! 精霊が来るわよ。さぁ来なさい!ついに私も顕現できるわ。やった! やった!』
ついでに大精霊も騒がしくなって来た。
そして・・・
コボルト達の輝きが最高潮に達した時
『ま・・・眩しい』
眩い光とともに精霊コボルトが誕生した。
『にょぉぉぉぉお!なにこれ!』
『ふぅ・・・。なんだこれ』
『おぉぉぉぉお。なんだろう』
『うほぉぉぉぉお! すごいこれ』
炎、風、水、氷、光、闇など特性は様々な精霊達だった。
コボルト達は自分たちが精霊だった事に驚いている。
精霊と言っても見た目は今までとそんなに変わらない。内包する力が備わった感じだ。
『やぁ、コボルト。目覚めたようだね。』
リンがコボルトに話しかける。
『あ、リンさん!なんか色々ご迷惑をおかけしました。ありがとうございます!にしてもこの力は・・・凄いです!』
コボルト達は一応リンに多大なる迷惑をかけた事を覚えているようでお礼をいった。続けて
『ややっ。リンさん。リンさんのその力は!』
コボルト達がリンの固有スキル大精霊の存在に気がつく。精霊同士でわかるようだ。リンはコボルトに大精霊について説明する。
『な・・・なるほど。ちょっと待ってください!』
コボルト達が円になって会議しだした。
『ごにょごにょ、ワイワイ』
しばらく会議した後
『リンさん! 決まりました! 満場一致でリンさんと契約する事にします。今まで戦力にならなくて悔しかったので! 』
コボルト達は全員リンと契約する事になった。大精霊の導きにより、リンと契約した方が力を発揮できるためだ。リンと契約することによりコボルトにも大精霊にもメリットがあるのだ。
『あ・・・ありがとう。それじゃぁ契約にうつるね』
リンは全員と契約できるとは思っていなかったため、戸惑いながら1人ずつ契約していくのであった。
次回へ続く
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