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【資料】北野殿遺誡(贈正一位 左大臣 菅原朝臣道真遺告)に関する研究(一部抜粋)
主人公の憑依後二回目の人生である菅原道真、その遺書を研究した文の一部抜粋です。第二章以降において触れる予定...です。
原文
皇尊唯一人萬世一系也
其絛不敢犯
若有邪者破此禁、我必誅此代天焉
(中略)
臨者為護皇国須滅朝敵
知国興廃有一戦、皆努以前異奮励
書き下し文
皇尊ハタダ一人ニシテ万世一系ナリ
其ノ条敢ヘテ犯サズ
若シ此ノ禁ヲ破ル邪ナル者有ラバ、我天二代ワリテ此レヲ必ズ誅ス
(中略)
皇国ヲ護リシ為ニ臨ム者ハ須ラク朝敵ヲ滅スベシ
国ノ興廃ハ一戦ニ有ルト知リ、皆以前ヨリ異二奮ヒテ励ムベシ
...以上の遺告より、菅原道真は皇室の権威が毀損されることを極めて憂慮していたと思われる。その防止策が橘逸勢と類似していることから彼の周辺にその薫陶を受けた人物がいた可能性が高く、橘家との協力関係を示唆する一つの証拠となっていると考えられる。(中略)逸勢が遺した皇位継承之法案が現在に至るまで皇室典範の基礎となっていることを踏まえれば、道真もまた法制において高い先見性を持っていたと考えることが妥当であると思われる...