2 敬語使いの圭…ハッ!!
ハッ!!
あぁ、メンタルやべぇ。
あ、こんにちは坂本凛音です。
ただいま春樹くんと一緒にお風呂に入り恥ずかしさと恐怖で失神したので介護されてます。
介護しているのはうちのお父様。
見た目はタヌキだが昔はかなりイケメンだったらしい。お母さんも美形なのできっと私も美人になる。そう信じたい。
ベッド(春樹くんのお父さんが買ってくれた)に横たわっている私の右側にはタヌゲフンゲフンお父さん。ごめんって。泣かないでお父さん。
左側には春樹くん。おいこら写真撮ってんじゃねぇ。3歳にスマホ持たせたらあきません達央さん!!(春樹くんのお父さん)
このまえ達央さんと呼んだら『将来お義父さんになるかもしれないんだからパパでいいよ』
とデロデロした顔でいわれたが意味がわからない。なんだお義父さんって。春樹くんと結婚するってことか!?
「りっちゃんだいじょーぶ?」
「だ、だいじょうぶだよはるきくん・・・げっほげっほ!!うえっぐ、げ、ぶえっくしょい!」
3歳としてはどうかと思う咳とくしゃみ。
これもすべて春樹くんを私から遠ざけるために訓練したもの。
なぜだかまったく効果が無いがいつかは出る。(はず。)
「おかぜひいちゃったのかなぁ…」
心底心配そうな顔をして顔を近づけてくる春樹くん。
うわっなんだくんなくんなっ!!
こつん。
「ねつはないねー」
おでこをこっつんされただけであった。
変態に進化するという先入観によりチューされるかと思った。怖い。
「大人しく寝てるんだぞ、りんね。パパはお仕事に行ってくるから…春樹くん、お願いできるかな?」
「はいっ!!ボクがんばらせていただく!!」
「ふふ、じゃあよろしくね」
ガチャリとドアを開けて去っていくお父さん。
私抜きで話をしないでくれ。
「りっちゃんー」
甘えた声を出しながら私のぬくぬくベッドに入ってくる春樹くんいやなぜ。
「だ、だめだよはるきくん!!(訳:入ってくんなセクハラ野郎)」
とりあえず謙虚に見えるようにオドオドしながらそう言ってみた。
すると春樹くんは一瞬悩む素振りを見せてからにぱっと笑った。
あ、可愛い。
「いいのいいの!」
そう言ってもっとすりすりと寄ってくる。
あああやめて。私今シャツとパンツだから。恥ずかしいから。あ、ちょ、足触らないで!おいそこ太もも!!やめて!?あああそこお腹だから!!それより上に行ったら〇す!!
「すべすべだねー」
まぁな!!お母さん譲りのすべすべ肌だぜぇ…?
うらやましかろうとニヤニヤしながら春樹くんのほっぺを触ってみるとすべっすべだった。
「これはきっとびじんさんになるねー!」
この一言でイラァッとした気持ちが吹き飛んだ。あざっす。
「はるきくんはきっとやさしくてかっこよくてせくはらなんてしないじょうしきのあるかっこいいおとなになるね!!」
とりあえず願望を言ってみる。
「…?せくはらってなぁに?」
アッ純粋ダッタ。
せくはらってなに、いやはるきくんはしらなくていいよ合戦はお父さんが帰ってくるまで続いた。いや続きすぎだから。
そして1年後。
え、なに?飛びすぎ??…まぁまぁ。
そして完璧なヤンデレになるまであと3年。
春樹くんはそういう趣味の人なら飛びついて食べたくなるショタに進化した。
そして私にはもう一人友達ができた。
「りんねちゃん」
敬語使いの棚橋圭くん。
大人びていて私的にはとても好きだが忘れてはいけない、攻略対象である。
黒髪でとてもキラキラしたいい髪の毛。あぁ、いいなぁ。
「なに?」
「りんねちゃんにあげようとおもってつくってきました、つけてください」
そう言いながらゴソゴソとカバンを漁る圭くん。そのときカバンから私の写真が見えたのは知らないふりをしよう。
「はい、てをだしてください」
そう言って薬指に嵌められたのは指輪。
宝石の代わりにプラスチックのおもちゃが付いていてお姉さんとてもドキがムネムネする。
「おとなになったらぼくといっしょになってくださいね」
普段笑わない圭くんが照れがちにふわりと笑ったのにはもう耐えきれなかったのでむぎゅっとしてしまった。
それを見た春樹くんが物凄い顔をしていたのは知らない。知らない知らない。ナニモワカラナイワー。
「ボクのりっちゃんだよ!!けいにはわたさないもん!!」
「ぼくだってりんねちゃんがすきです、じゃましないでください」
「じゃま!?じゃまなのはけいだもん!!」
「は?なにいってるんですかぼくとりんねちゃんはなにいろかはわすれましたがいとでつながってるんです。」
何色か忘れたらダメだよね圭くん。
「あかいいとのはなし?ハンっ、けいとはつながってないよ!ボクとりっちゃんがつながってるの!!」
「ぼくです」
「ボク!!」
「ぼくです」
「ボクなの!!」
「ぼくです」
「…ボ、ボクなのに…ふええええ」
ついに泣き出した春樹くん。
小さい子が喧嘩するのは成長するためにいい事だが争ってる理由が私なわけで。
将来がどうとかけっこんとか赤い糸とかいろいろフラグが立っているのでへし折りにかかる。
「…な、なかないで?」
とその前に泣き止ませる。部屋の隅に行って泣いていた春樹くんの後ろにそっと立って頭をなでなでしてあげた。
すると頭をバッとあげた春樹くんが高速で振り向き私にガシィッとしがみついてくる。む、何事じゃ。
「りっちゃんは、ぼくとけいどっちがすきなの」
4歳にしては低い声で聞かれたのと耳元で喋られたのでゾワゾワしながら考えてみる。
どっちがすきかといわれれば断然圭くんだがそれはゲームをプレイしていた時の話。
…ふむ。確かこれはどっちかの好感度をあげるときのイベントだっはず。ならば。
「わたしはどっちもおなじくらいだよ、だからけんかしないで?」
多分これが一番いい選択肢。
どっちもおなじくらいすき、とは言わず
どっちもおなじくらいだよ、と言ったのは好きなんて言った瞬間に色々詰んでしまうから。
えへ、監禁フラグはごめんだぜ!!
「どっちもおなじくらいって…それはすきのほう?きらいのほう??」
oh!!難しい!!!!!
好きなんて答えてしまったら(略)
だからといって嫌いと答えると監き(略)
…どうすっか。
「…ともだちとして、すきだよ」
ともだちとしてを強調して答えてみるとそっかぁと離してくれた。
「りんねちゃん」
今度は後ろから圭くんがぎゅうううううううっっっっっとしてきた。いや圭くん力強すぎな。骨ミシミシ言いそうだから。怖いから。
「ぼくは、りんねちゃんがすきです。たぶんりんねちゃんがおもっているよりずっと。」
「う、うん」
「はるきだってたぶんそうです。」
「…まぁ、そうなんだろうね」
「だから、……ものすごくふかいですが、ぼくと、はるきから、はなれないでくださいね」
さらに力を強くする圭くん怖い。
わかったわかった、だから離せと話してもらって仲直りしてもらった。
握手してたけど二人とも手の色変わってるよ力入れすぎだよ。
そして今回で2人の属性がヤンデレに変化しようとしている気がする。
…それと、ヒロインはまだ出てこないのだろうか。
ダジャ(((