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閑山自撰詩篇

壁、もしくは難読症(ディスレクシア)のための読書

作者: 竹井閑山

幼いころの私は

難読症ではなかったかと思われるほど

本を読むのが苦手だった

声に出して読めばいいとよく言われるけど

声に出してはなお解らない

読みあげる作業に意識を集中

文の意味なんか憶えていない

楽譜を初見で弾くのも同じ

ベートーヴェンの第2シンフォニー

第2楽章のパート譜を

作曲者の速度指定も識らずに

何て技巧を要するんだと勘違い

第2楽章はラルゲットである

不明に気づいてからそののちは

読書速度もラルゲット

四十を過ぎてようやくに

本の中身がわかりはじめる

どうかご寛恕願いたい

私は天才児(ギフテッド)とは違い

何のとりえも持ち合わせていない

読書ぎらいの克服は

壁のひとつを選んだにすぎず

世間的にはただ奇妙な人

でも長い人生をやり過ごすには

ちょうどいい運動なのかもね


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― 新着の感想 ―
[良い点] 重厚感のある言葉と柔く軽やかな言葉の混ぜ具合に独特な響きがあって、クラシック音楽を聞いているようでした。 [一言] >読みあげる作業に意識を集中 >文の意味なんか憶えていない これ自分もよ…
[一言] 壁に頭を打ち付ける行為、かの佐村河内氏を思い出した
2016/03/30 12:16 退会済み
管理
[一言] 初めまして、夜雨直樹と申すものです。 実は僕も本を読む速度がだいぶ遅いんです(それは『遅読』というらしいです)。それはあなたの言われている「ディスレクシア」というやつかどうかは、医者に診断…
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