プロローグ
なんかそれっぽいプロローグを書こうとした結果めちゃくちゃ短くなってしまいました。
すみません。
禍々しい気配を放つ、巨大な城。
その内部で、激しい戦闘を繰り広げる集団がいた。
「この人数で互角かよッ――!」
三十人ほどの人間を相手にする、巨躯の魔物。超高速の剣戟が繰り広げられ、火花が散る。
しかし不意に、辺りが暗くなる。
直後、剣戟の音が止んだ。
「……は?」
誰かの声が、それを不自然に思い呟く。その数秒後、辺りに光が戻った時目に見えたのは――先ほどまで激しく動き回っていた数人の人間の死体だった。
「嘘だろ……あれが本気じゃなかったのかよ?」
広間の隅で、怪我を治療していた男――紅月孔は呆然としながら呟いた。
周りの人間も、絶句しながらただ目の前の敵を眺めることしかできなかった。
「……クク」
巨躯の魔物が低く笑う。そして再度、視界が暗くなる。
その場にいた全員が悟った。これが自分たちの終わりであると。
「――あ」
孔は、自身の首筋に刃物が触れたことを認識すると同時に、その意識を途絶えさせた。
ーーーーーーーーーー
「――ハッ」
アラームの音に気がついて、飛び起きる。そばにある時計を眺めると、時刻は七時二十分。あと十分もすれば学校に行かなければならない時間だ。
「夢か……」
なんだか恐ろしく長い夢を見ていた気がする。
呟きながら布団から出ると、軽く冷や汗が流れていた。着替えるついでにそれを拭いて、制服を着る。
自室を出て適当なパンを貪り、歯磨きなどの身支度をして家を飛び出す。
「遅刻しそうだなぁ……」
そんなことを呟きながら早歩きしている頃には、朝に夢を見たことなど忘れていた。




