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地面と雪

作者: ライス中村


雪を降らしたのは神か悪魔か?

そのどちらでもないか。


雪はなにでできているだろう?

美しい成分ではないな、と感じてしまう。


もとは緑に満ちていたはずの

そして瑞々しかったはずの地面は、


雪に覆い隠され

それまでの様子ははっきりと思い出せなくなった。


雪景色 雪化粧

夏より冬が好きだと人が言う。


本当にそうなら

今までの歓びはなんだったんだ?



みんなは白銀の世界に満足して

しかし住むのには苦労があるから、


なんの心残りもなく

ふっとその場を去ってゆく。


ほかにも緑はあるからと

ほかの地面で十分だからと言って。



雪はいつか解けるだろうか?

可哀想な地面よ。


仮に解けたとして

もとのような草花はみられないに違いない。


雪を降らせた誰かは無責任に

ただいっときの白銀と称賛とを手にして、


種も植えずに去っていく

苗も植えずに去ってゆく。


育つのには何十年とかかるのに

枯らすのはほんの一瞬だ。



もしも私が地面だとして

わたしの心が草花だとして、


どうせいつか雪に踏み躙られるなら

いっそ砂漠にでもなってしまいたい、と思った。


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