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雨の中

作者: 雨模様

雨の音が部屋を覆っている・・・。

ぴちょぴちょと、雨どいから、水がしたたり落ちる音も、かすかに聞こえる。

少し強くなったり、止んでしまいそうになったりと忙しない雨だ。

少し引き戸を開けて、様子を見てみる。

薄暗い、庭が見える。

何時だろうか。

時計の針は午後の3時を指している。これからどんどん暗くなっていくのだろう。

雨の匂いが染みついた合羽を引っ張り出して、身に着けた。

出かけなくてはいけない。

できるだけ早く、でも急ぐ必要はない。

部屋を振り返った。

暗がりの底に、しわくちゃになった寝床が見える。

まだ暖かいだろうその場所に、置いていく温もりが寂しく見えた。

雨の音が私を覆っている・・・。



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