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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

未来の無い世界

作者: aciaクキ

※過去に投稿させていただいた『変わらない世界』の続編になります。これだけでは読んでもわからないかもしれませんので、ぜひそちらからお読みいただけると幸いです。それではお楽しみください。

 人間には、『信念』というものがあるらしい。人間でない俺からすれば、理解しがたい感情ではある。だが、人間に近しい存在として生み出された俺には『信念』と大差ないモノを持たされている。


 創らない、創らせない、創られたモノを壊す、創った者を壊す。


 それが俺の『信念』もとい『役目』だ。世界の通るべき道は一つだけ。どんな場面であっても、誰であっても、過去に干渉し世界を分岐させるようなことはしてはならない。

 してはいけない理由を俺は持っている、知っている。


 故に、俺に感情は必要なかった。多少の感情はあったほうが良いのかもしれない。だが、人を殺す時に、躊躇ってしまっては折角の計画が全て水の泡になる。

 

 俺に与えられた恩恵は『跳躍』。何かを媒介して時を跨ぐなんてそんな面倒なことをする必要はない。

 念じれば時を跨ぐことができる。ただし、条件があるせいで好きな時間軸に行くことができない。俺にとっては使いたいとも思えないほど、この恩恵を使い、時間をまわっていた。

 時には同じ時間を何度も、時には人間が存在しない時間に行く事も、技術が最盛期だった時間軸のときもあった。

 その長い年月は、人格を不安定にさせるには十分な時間だった。


◆◇◆◇


『使用可能だ』


 東京の道端に本を落した直後、しゃがれた男性の声がサイボーグの頭の中に響く。この声が聞こえたということは、恩恵を使用しなければいけないときだということ。


「跳躍」


 憂鬱に、面倒くさそうに、俺──岩波透弥(とうや)の顔をしたサイボーグの持つ感情に近いなにかが役目を果たすことを嫌がる。しかしあの岩波透弥が動き出したからには動かざるを得ない。俺は目を瞑り、恩恵を使用した。


「ここは…?」


 閉じていた目を開けると、鬱蒼と木が生い茂った森林の中だった。野生の声がそこ中に木霊して一種の恐怖感を仰いでくる。

 ふと背中が重く感じて手を後ろに伸ばすと何かの柄が手に触れた。それを掴み抜いてみると、一振の太刀が奇妙に青白く光っていた。


「なんだこれ」


暫刀(ざんとう)、ようやく完成した』


 同じ声が頭に響く。試しに近くにあった木に切りつけみると、そのまま倒れることなく何事もなかったかのように涼しい顔で立っていた。


「なんだこれ…」


 ()()()はずの木が()()()()()()ことに、改めて口からそんな言葉が漏れた。


『記憶、機能、物質の三つを任意で斬ることができるもの。ただ斬るだけでは暫定的に斬れるだけ。念じれば、それで斬れる』


「……はあ」


 サイボーグは意味の分かったような、分からないような微妙な表情をしていた。


「とりあえず…」


 ──物質


 目を瞑り心の中でそう念じる。ゆっくりと目を開けると、微動だにしていなかった木がさっき斬った場所を沿うようにスライドしていく。

 僅かな揺れと大きな音を立ててその木は完全に横たわる。


「へぇ、なかなか。じゃあ次は──」


 サイボーグが別の木に斬りつけようとしたその瞬間、全身を震わすような雄叫びが森中に轟く。その一瞬だけで森が荒れる。

 それまで感じられなかった森の姿を全身で感じられるようになった。吹き荒ぶ風が木々を揺らし、あらゆる方向から甲高い声が聞こえてくる。そして、時折感じられる微量の揺れは、その雄叫びの持ち主の危険性を暗に示しているようだった。


「……行くか」


 実のところ、サイボーグはもっとこの刀の性能を確かめたかったが、あの一瞬で我に返った。

 この時間軸に来た目的を頭の中で整理し、森の中を駆け回る。


 標的を探すのと同時にここの危険因子も探す。さっきの地震のような雄叫びを出した元凶がどんなものか把握する必要があった。


「あれは……」


 見つけたのは雄叫びの正体──ではなく、数匹で群れを成していた動物だった。自身の胴体と同じ程の大きさに発達した脚を動かし、高めの声で互いにコミュニケーションを取っているようだった。


「……恐竜?」


 名前はわからないが、自分の中に入っている情報と今見ているものが一致する。実際に見るのはこれが初めてだが、普通の人間であればその場を逃げ出したくなるほどの凄みを、あの小さな身体から感じた。


 キィキィ、キィキィ


 サイボーグの存在に気づいた一匹が鳴いたことで、群れていた恐竜たちも気付いて散らばる。いつの間にか、サイボーグを取り囲むように円を成していた。

 恐竜たちはギィギィと鳴きながら円を狭めていき、サイボーグとの距離を縮めていく。


 ギラリと目を鋭く光らせサイボーグを一つの獲物と認識している彼等の一匹が、鋭く尖った歯を見せながら突如として走り出した。


「……物質」


 サイボーグが飛び出してきた恐竜とのすれ違いざまにポツリと呟く。


 ギャプ


 そんな溺れるような短い声と共に首の皮に切れ目が走る。そこからワンテンポ置いて大量の鮮血が辺り一帯に飛び散る。

 首は胴が地面に倒れた拍子に外れ転がり、カクカクと僅かに顎を震わせていた。


 その一部始終を見続けていた他の恐竜たちは、その突然の出来事に怯んで、一歩二歩とサイボーグから遠のく。

 その恐怖を振り払うようにまた一匹が叫び、そして別の一匹が叫び、瞬く間にそこにいた全ての恐竜たちが叫び合っていた。

 ふと、全員の叫び声が静まった瞬間、弾かれたように一匹がサイボーグに向かって走り出す。先程とは違って別の一匹も、そしてさらに別の一匹も走り出す。


 サイボーグは向かってくる恐竜たちのことごとくを避け、物質を透過する刀を振るい、見事な立ち振舞を披露する。


「物質」


 一匹につき何度斬撃したかサイボーグも最早覚えていない。死なないことを悟って攻撃の手を激しくしてきた恐竜たちを横目に、サイボーグがはっきりと言い放つ。

 恐竜たちの攻撃は一度も当たることなくサイボーグの目の前で鮮血となって飛び散った。騒がしかった森が、一瞬静寂を取り戻したように微かな風が吹くが、それも束の間、辺り一帯からまた生物たちの声が再びざわめきだす。


 雄叫びと共に地面がまた揺れる。あの雄叫びの主との距離は近いようだ。


「いた」


 しばらく走っていると、自然とは似つかわしくない照射音、耳を劈く咆哮、水気のあるものが飛び散る音が響いていた。

 木陰からそっと覗いてみると、複数の何者かが一体の巨大な恐竜に向けて銃口から光線が飛び出す──いわゆるレーザーガンというもので交戦していた。

 どのレーザーによる攻撃もちゃんと巨体に当たっているにも関わらず、皮膚が硬いのか威力が弱いのか、恐竜にダメージが入っているようには見受けられなかった。


「ここに来たのは明らか彼奴等だな。あの恐竜に負けられると都合が悪いが……」


 少しずつ恐竜の動きが鈍っているようにも見え、今の様子では人間たちが負ける可能性は薄そうだった。

 しかしあの攻撃の様子ではどうなるか、とサイボーグは思案する。


「彼奴等の目的にもよるが、あのままじゃいつ反撃されてもおかしくねぇ」


 恐竜は撃たれながらも、それに意を介さずに人間に近づこうと少しづつ歩を進めていた。一方で人間たちは歩み寄ってくる恐竜から退くように後ろに後退しながら撃ち続ける。


「──っ!?」


 何の前触れもなく恐竜が走り出す。余りにも突然すぎる出来事に、声も出せずに多くの人が吹き飛ばされる。


「立て!!撃てっ!!奴はもう弱ってきている!もうひと踏ん張りだ!」


 隊長らしき人物が誰よりも先に起き上がり撃ち始める。その声に鼓舞された隊員が次々と立ち上がり、銃を構える。しかしそれも全員ではなく、何人かは先程の奇襲でぐったりと横たわっていた。


「────ッッ!」


 再び地面を震わせた雄叫び、しかしそれはこれまでのものと違って振り絞った声、そんなふうに聞こえた。


「押し切れ!あと少しだッ!」


 隊長のその一言で隊員全員の士気が上がる。ラストスパートと言わんばかりの攻防が始まる。恐竜の突進や薙ぎ払いを受けながらも、人間たちは今度は攻撃の手を緩めずに撃ち続けた。人は減り、互いに勢いは衰え、もはや泥沼の攻防戦だった。

 しかしそれももはや時間の問題。先に力尽きたのは――恐竜の方だった。脚の力は失われ、ふっと意識が途切れたようにその場に崩れ落ちた。生き残った人間たちも突然の終わりに、プツンと張り詰めた糸が切れたように、感嘆の息を漏らしながら目の前の出来事を整理していた。


「や、やった……のか?」


 一人の隊員がポツリと呟く。これがもしエンターテイメントの一環なのだとしたら、恐竜はむくりと起き上がり、何もなかったように暴れ出すだろう。

 しかしそうならないのは、本当に恐竜の意識が完全に途切れているからに他ならない。


「やっ、やった!」


「よっしゃ!」


「つ、疲れた……」


 生き残った隊員たちが思い思いに感想を述べる。きっと、この戦いで亡くなっていった仲間たちに謝りたい、弔いたい、一緒にこの喜びを分かち合いたいと思っているはず。

 しかし今の彼らには、生き残ったことへの安堵、自身への労いが先行してきていた。


「ここにいては危険だ。直ぐに帰還するぞ」


 そんな中でも誰よりも冷静で落ち着いた人物がいた。疑いようもない、隊長だった。


「「「ハイッ!」」」


 隊長の言葉で座っていた隊員たちは立ち上がり、統率の取れた敬礼をする。一番後方にいた大きな鞄を担いでいた隊員が一人、その鞄の中から小さな器具を、一つ、二つ、三つと取り出していく。その一人の隊員は取り出した器具を意識の失った恐竜を取り囲むように地面に埋め込んでいく。

 戦闘をしていた隊員たちはその間に帰還の準備をする。亡くなってしまった隊員たちを集め、別の小さな器具を自分たちを取り囲むように挿していく。


 あとは元の時間軸に帰るだけだと、辛い任務から開放されるのだと、隊員たちの気持ちは完全に緩みきっていた。しかし無常にもそんな幻想を壊したのは──


「ああ、悪いな」


そう、申し訳無さの欠片のない謝罪をする、恐竜の血を一身に浴びるサイボーグだった。


 完全な意識の範囲外、彼らの目にはサイボーグはどんな存在に見えたのだろう。だがそんな疑問も、彼らにとっては皮肉と言われてしまうだろうか。

 サイボーグの姿が見える前にその機能は失われ、姿を視ることは叶わないのだから。そして彼らには何が起こったのか考える間もなく

 

「機能」


 ──彼らの脳は、その機能を停止した。


 ドサドサと力無く倒れゆく彼らの目には既に光はなく、しかし決して死んではおらず、所謂脳死という人間の一種の死を迎えていた。


「まあ、こんなもんか………あ」


 彼らが動かないのを確認して、一つ犯してしまった過ちに気付いて顔を歪める。


「元の時間軸に戻さないといけねぇの忘れてたな…」


 戻してから『機能』使えばよかった、とボソボソと呟きながら、動かない彼らを引きずり一箇所に集めていく。


「跳躍」


 サイボーグは目を閉じ、彼らに触れた状態で呟く。気づけばそこには恐竜の亡骸しか残っておらず、それ以外はその場から忽然と姿を消した。


 閉じていた目を開ければ、薄暗く狭い、何かを棄てるにはおあつらえ向きな路地のような場所だった。

 上を見れば少し此処の様子が分かる。高い建物が立ち並び、その上には悠々と飛行船が空を走っているのが少し見えた。

 兵士たちを置いて屋上まで跳び上がって見てみると、あちこちで飛行船が人々を運び、下の道路には色彩式豊かな多くの球体が、人を乗せて走って明るいこの世界をカラフルに仕立て上げていた。


「彼奴等はこの時間軸の人間か。ここの文明レベルは絶頂期より少し前だな。ならタイムワープの技術があのレベルのも納得か」


『帰還せよ』


 しばらく、これまであまり楽しめていなかった景色を楽しんでいると、また頭に声が響いてきた。サイボーグ自身、この時代の風景が一番輝いているように思えていて、ここから離れがたいと、そんな一種の郷愁を覚えていた。


「ちょい観光したかったが、まあいいか。任務は終わったし」


 チラと下で山になっている兵士たちを一瞥し、視線をまた輝きへと戻した。


「跳躍」


 そこにはもう、サイボーグが居たという事実は残っていなかった。


◆◇◆◇


 サイボーグが目を開けると、先程の鮮やかな世界とは打って変わった、荒涼としていて暗く、どんよりとした重い空気の漂う世界だった。

 建物のガラスは全て割れ、廃墟とかした施設の隙間という隙間に枯れた蔦が絡みつき、それで辛うじて崩れずに済んでいるような状態だった。当然、緑は存在していない。


「まだ、あまり変わらんな」


 サイボーグは荒れた世界を黙々と眺めながら、目的地へと歩く。日々少しずつ変化していっているはずだが、それが良い方へ転じているのか判別をつけられないでいた。

 幾度となく過去へ赴いているにも関わらず、大きな変化は見られない。


「あれは……?」


 暫く歩いていると、遠くの方に薄っすらと何か建物がいくつか建っているように見えた。

 砂埃を巻き上げ近づいてみると、人は居ないもののいくつか家が建っていた。


「家が…」


 規則的に建てられた家の様相は、村を想起させるものだった。


「本当に少しずつだな」


 そう呟いてみるものの、やはり大きな前進であることには変わりない。ここらへんはまだ殺風景だが、別の方へ進めばきれいではないが多くのビルが立ち並んでいる。

 村から少し歩くと、見慣れた建物が見えた。きれいなほど豆腐型の建築物。俺の、俺達の拠点だ。


「帰った」


「ああ、お疲れ」


 もの暗い部屋の中、鋭い光に刺されながらも画面に向かって精密機器を操作している人物がいた。


「博士、奴の動向はどうなってる」


 サイボーグはヘルメットと刀を外し、武装解除したあとに近くのソファにドカりと座る。博士と呼ばれた人物は、画面から視線を外し、サイボーグの方へと向き直る。


「まあそう焦りなさるな。彼は今はまだ鳴りを潜めている。またすぐ動くかもしれぬが」


 サイボーグと向い合せになるように別の椅子に座り、一緒に持ってきたコーヒーを少しすする。サイボーグは彼の顔を見ることなく視線を別の方を向け続ける。


 博士の顔は余りにもチグハグ過ぎていた。耳は両方ともなく、目は片方に小さな単眼鏡のようなものがつけられており、顔のあちこちには無理やり繋げたような跡が残っていた。身長はかなり小さいが、かなり年季の入った顔で小柄な可愛さは皆無だった。


「それよりも、外のアレは見てきたかの?」


 アレ、というのはおそらくあの村のことだろう。


「ああ、見た」


 外方に向けた視線を戻さずにぶっきらぼうに答える。博士はそのサイボーグの振る舞いを気にすることなく言葉を続けた。


「お主の役目の結果じゃ、誇れ」


「ああ」


 過去に干渉して未来を変えようとする者共、彼らを元の世界に戻し、過去への干渉を妨げる。そうすると、未来が過去に干渉されなかった未来へと切り替わり、我々のいる世界が本来の姿を取り戻す。それはこの世界が今の殺風景な景色ではなく、緑の茂る空気の良い世界へと好転する。

 つまるところ、我々のいる世界は時間の成れの果て、行き着くとこまでいった世界の終着点。ここが未来の最端地であり、究極の現在。そんな世界が、廃れ果てている。


 その原因は、過去人が過去に干渉しすぎて未来を大きく変えてしまったから。過去に干渉した過去人たちの代表格、それが岩波家。奴らが過去に干渉して未来をより良いものにするという名目で、好き勝手暴れた結果がこの世界である。

 その中でも未来を悪転させたのが、岩波透弥なのだ。


「岩波透弥、奴は初めは良かった」


 どれほど時間が経ったか、博士がしばらくの静寂を破った。まるで頭の中を覗いたようにつぶやく。しかしサイボーグはその言葉に昔を振り返って出たような言葉には聞こえなかった。


「いつから変わってしまったか……。お主が奴を止め続けるというのは、なんとも皮肉なことよの」


「どういうことだ?」


「気にせんでよい。もう行け」


 博士は椅子から立ち上がり、再びモニターに視線を向けた。


「次は、少々骨が折れるかもしれんのう」


 ちらとモニターに目を向けると、一人の少女が本を読んでいるのが目に映った。髪は短く、眼鏡を掛け、姿勢よく椅子に座っている姿は文学少女という言葉をそのまま体現させたかのようだった。


「いけるかのう?」


「……やるしかない」


 サイボーグの顔に苦い皺が寄る。かつて相対したことがある彼にとっては唯一のトラウマといっても過言ではないのが彼女という存在。


「次は彼らが互いに手を組むはずじゃ。彼奴らが過去へ行ったとき、お主の出番じゃよ。わかっておろうな?」


「わかってる」


「よろしい。武器は暫刀を持っていけ。それで『機能』を斬れば、岩波透弥の不老不死はもれなく失うはずじゃ」


「確証は?」


「ないの。じゃが、理論的には可能じゃ。あとはお主の腕前次第かの」


「……そうだな」


 空のコップをテーブルに残し、サイボーグは出発の準備を進める。


「よし、あ奴らが過去へ行った。使用可能じゃ」


「跳躍」


 暫刀を肩にかけ、ヘルメットからのくぐもった声と共に、姿もその場から消失する。


「岩波家最大の問題児、岩波(さき)。当然、透弥のほうもあれから数百年経っている。あの二人は強いが、さて透弥はサイボーグを倒してここまで来れるかの」


◆◇◆◇


 空気が変わるのを感じた。周りから声が聞こえてきて『跳躍』が済んだことを認識して、目を開ける。


 時は3546年、この時代は機械や仮想現実に頼りすぎた人間が肉体に回帰し、機械を破壊していった人間の在り方が再び変わった激動の時代。


 この時代の最終目的は機械の一掃。そのために機械を破壊することにおいてはこの時代が一番優れている。つまり、この時代には機械を完全に破壊できるモノが存在したということを意味する。

 ここに透弥たちが来たということは、サイボーグを下す準備をしに来たということ。それと同時に、自分たちを追って時代を渡ってきたサイボーグをここで倒すつもりなのだろう。


「さて、探さないとな」


 どういうわけか、二人がどこにいるのか感じられない。おそらく近くにはいるのだろうが、どこにいるのか特定することができない。


「早くしねぇと殺せなくなっちまう」


 サイボーグは背中に備え付けた刀の重みを感じ、荒れた大地を踏みしめる。

最後まで読んでいただいてありがとうございます!別のお話もお読みいただけると嬉しいです。

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