危ない所業 ~包丁を持った不審者~
この物語はフィクションです。
中学生である僕は授業を受けている。しかもそれは扉から2列目の1番目。ノートをきれいに書いているかを見られるし、少しでも授業に集中していなかったら先生によってはすぐ怒られる。そんな最悪な席で。
授業の内容は歴史だ。歴史の授業は面白いと言えば面白いがほぼ黒板を見てノートに書いてのくり返しになるのですぐ眠くなる。だが、歴史の担当である先生は生徒に対して強気で、すぐに怒る。寝たりでもしたら世界の終わりだ。
そんなことを、ガタンッと扉が開く音がして包丁を持った一人の男が入ってくる。不審者だ。
「きゃあぁぁぁー!」
「うわあぁぁぁー!」
そして次の瞬間に悲鳴とも言える声が教室を飛び交う。ある生徒は立ち尽くし、ある生徒は後ろに逃げ、ある生徒は友人と抱き合っている。教師は腰が抜けたようです座りこんでいる。
だが、ほとんどの生徒は不審者の近くにはおらず人質になることは避けられたらしい。
「おい、そこのお前、こっちに来い」
不審者は僕に向かって命令してくる。一番近いところに僕がいるのでいい判断だろう。クラスメイトは怯えながら僕を心配そうに見てくる。
しかし、僕は冷静だ。僕は不審者の人質になるつもりはさらさらない。そうなれば、僕の行動は一つしかない。
「おらっ!」
僕は自分の目の前にあった机を不審者に向かってぶん投げた。
「くっ!」
不審者はそれを防ぐために腕を前に出す。腕に少しくらい怪我はしただろうが、まだまだ倒れないだろう。
そこで、僕はすかさず自分の椅子で不審者を殴る殴る殴る。不審者は最初の方は意識を保っていたが、すぐに意識を失った。
クラスメイトや教師は僕を驚いた目で見てくる。少しは感謝してはいいと思うんだが……
僕は不審者から包丁をはなさせて机を使ってクラスメイトと教師から隔離する。
こうして、この事件は終わった。
危ないので真似しないでください。