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精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた  作者: 向原 行人
第3章 精霊と新しい暮らしを始める元聖女

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第54話 待ちぼうけ

 クロードに依頼された通り、拠点となる宿を押さえて、待ち合わせ場所へ。

 約束の夕暮れには少し早いから、クロードはまだ現れない。

 いつもなら、アクセサリーを作りながら気長に待つけれど、今回は嫌な予感がして、居ても立ってもいられず、ただただクロードを待つ。

 すると、


「お嬢さん。どうしたの? 道に迷ったのかな? 良ければ僕たちが案内してあげるよ?」

「そうそう。お腹空いてない? ご飯でも食べに行こうよ」


 私を迷子だと勘違いしたらしく、二人組の男性が話し掛けてきた。


「いえ、お気持ちはありがたいのですが、私は人を待っているだけで、道に迷っている訳ではないので」

「そうなの? でも、僕たちすっごく良いトコ知ってるよ? 一緒に行かないと損しちゃうよ?」

「そうそう。俺たち、この街の事なら何でも知ってるからね」


 何でも知ってるの?

 じゃあ、精霊さんが運ばれそうな場所や、あの場所の事も知っているのかしら。


『ちょ、ちょっとリディア! リディアってば!』


 エミリーが何か言いたそうだけど、ちょっとだけ待っていてね。


「あの、でしたら薬が運ばれて来そうな所を教えて欲しいんですけど」

「おっと、お嬢さん。大人しそうな顔して、意外とイケるクチ? いいね、ボクそういう女の子大好きだよ。じゃあ、最高の場所を教えてあげるよ」

「いいねー! さぁ、こっちだぜ。最高なヤツを教えてやるよ」


 あれ? 二人があの場所とは逆の方向へ行こうとしている。

 どこへ行くの? と尋ねようとしたところで、


「貴様ら。私のフィアンセに何の様だ」

「あぁん!? 何だテメェ……がはっ!」

「おい、いきなり何をしやがる! この女は自分から……ごへっ!」


 クロードがやって来て、瞬きする間に二人の男性を当身で倒してしまった。


「リディア、大丈夫ですか? 何か変な事はされていませんか?」

「え? えぇ。だけど、この人たちは、あの薬の行き先を教えてくれようとしただけですよ?」

「リディア……この二人は何も知りませんよ。良いように騙されたのです」


 えぇっ!? そうなの!? 確かに、向かおうとしていた方角は変だったけどさ。


『残念ながらクロードの言う通りだよ。こんなただのナンパ男が、知っている訳ないよ』

(そ、そうなんだ……)

『そうだよ。まぁでも、この二人は吹き飛ばされただけで済んだから運が良いよ。あのままクロードが現れずに、リディアへ何かしようとしていたら、ウチが許さなかったからね』


 あ、あれ? エミリーがメチャクチャ怒ってる?

 わ、私のせいかな?


『ううん、違うよ。騙されるようり騙す方が悪いに決まってるでしょ。ただ、今回のはリディアも酷いけど……まぁそれだけ心配してくれていたんだよね』


 溜息と共にエミリーがいつもの様子に戻ったので、一先ず大丈夫……かな?

 クロードは、倒れている男性二人を睨んで居るから、不機嫌みたいだけど……大きく深呼吸して、クロードが私に向き直る。


「リディア。ところで、宿は抑えてくれましたか?」

「うん、大丈夫」

「では、そちらへ場所を移しましょう。情報収集した結果、どうやらあの場所は、思っていた以上にマズそうです」


 クロードに促され、拠点とする宿の一室へ移動したところで、クロードが調査内容を纏めて話し始めた。

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