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精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた  作者: 向原 行人
第2章 精霊と学校へ通う元聖女

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第34話 内通者から隠れる元聖女

 ロビンさんが出て行った後、暫くエミリーと雑談していると、バタバタと部屋の外が慌ただしくなってきた。

 一体、何が起こっているのだろう。

 別に鍵が掛かっている訳でもないし、部屋を出て聞いて様子を伺ってみたい所だけど、待機しているようにと言われてしまっている。

 しかも、私が狙われているという話まであったし……大人しくしている方が良さそうね。


『じゃあ、ウチがちょっと見てくるから、待ってて』

(うん。お願い)


 エミリーが壁をすり抜け、部屋の外へ。

 完全に一人だと、凄く退屈かも。

 なんて事を考えているうちに、エミリーがすぐ戻ってきた。


(おかえり。どうだった?)

『んー、色々あったんだけど、一先ずウチが説明するよりも、ちゃんと説明してくれる人が来てくれるよ』


 どういう事かと思っていると、静かにロビンさんとクロードさんが部屋に入って来た。


「リディアちゃん、よく聞いてね。私とクロードちゃんとで意見交換しながら考えた結果、考えたくはないけれど、騎士団内に内通者が居ると思うの」

「内通者……ですか?」

「えぇ。メリア大臣側のスパイと言い換えても良いわね。こちらの準備が揃い、いざ対峙……という所で、こちら側の切り札とも言えるリディアちゃんを狙ってきた。これが内通者による情報漏洩である何よりの証拠よ」


 ロビンさんが自信満々に言うけれど、実際はどうなんだろう。

 本当にスパイが居るなら、私に石の鑑定能力があると判明したところで何か仕掛けてくると思うんだけど。


「だから申し訳ないんだけど、リディアちゃんには一度身を隠して欲しいのよ」

「身を隠す?」

「えぇ。残念だけど、王宮側で用意した家は全てバレてしまう。また狙われてしまうかもしれないしね」

「…….また?」

「あ……何でもないのよ? ちょーっと、色々あったけど、ちゃんと治療院へ運ばれたから大丈夫よ?」


 治療院? よく分からないけど、大丈夫なら良いのかな?

 既に治療が施されているのなら、私がでしゃばらない方が良いよね。


「で、話を戻すけど、リディアちゃんには大臣との戦いが終わるまで王宮が管轄していない家……クロードちゃんの家で暮らして欲しいの」

「…………え!? えぇぇぇっ!?」

「ずっと暮らしてって言っている訳じゃないの。一時的に身を隠して欲しいだけなのよ」

「え、いえ、そうじゃなくて、あ、あわゎゎゎ……」

「騎士団の誰もに疑いがあるけれど、クロードちゃんは絶対に大丈夫だから、安心して」


 いや、身の安全については疑いようが無いし、そもそも私にはエミリーがいてくれているし……


『やったねリディア。楽しい事になりそうだね』

(え、エミリー!? な、何を言っているの!?)

『身も安全になるし……あ、でも、貞操は危機かも?』

(エミリーっ! て、貞操って、な、な、何を……)


 エミリーに変な事を言われ、耳まで真っ赤に染まってしまう。


「じゃあ、そういう訳だから。あと、非常に申し訳ないんだけど、ここからクロードちゃんの家までは秘密裏に移動するから、この箱に入ってもらうわね」


 そこから先は、頭がボーッとしていて、ロビンさんに言われるがままに箱に入って、ゴロゴロと台車? か何かで運ばれ……ドキドキしている内に、見知らぬ大きな家に居た。

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