表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた  作者: 向原 行人
第2章 精霊と学校へ通う元聖女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/79

第30話 お腹に優しいミルクリゾット

 学校が終わり、今日は王宮へ寄らずにそのまま帰宅する。

 相変わらずユフィさんは二階で過ごしているみたいだけど、大丈夫かな?


『大丈夫じゃない? どうせ、寝てるだけだよ。それより、アクセサリー作りを頑張るんでしょ?』

(そうだけど……うーん。まぁユフィさんは私が元聖女だって知っているし、何かあれば助けを求めに来るハズだから、来ないって事は大丈夫って事かな?)

『そうそう。トイレから出られないのは酷だけど……げふんげふん。さぁ、リディア。頑張ろうー!」


 エミリーが言いかけた言葉が少し気になったけど、まだまだ作業が残っているのは事実なので、アクセサリー作りに取り掛かる事にした。

 それから黙々と作業を進め、気付いたら真夜中となり、翌日も帰ってきてから真夜中まで作業をして……という生活を繰り返し、


「出来たーっ!」

『お疲れ様ー! 流石だね。あれだけの量をこんなに早く……ウチはもう少し時間が掛かると思っていたんだけどね』

「頑張ったからねー。えっと、今は日が落ちた直後くらいかな? 今からだと王宮へ持って行くには遅いから、明日持って行こうかな」


 ようやく騎士さん向けのアクセサリーが完成した。

 早速エミリーの闇の精霊イドちゃんを呼んでもらい、空間収納――何でも収納箱に完成品を居れてもらう。

 ついでに作業台を片付けて、部屋の掃除まで済ませた所で、


――くぅぅぅ


 私のお腹が思いっきり鳴ってしまった。

 既に集中力が完全に切れているし、ここ数日は夕食を食べずに作業をしていたので、久しぶりにちゃんとした物を食べようと思って部屋を出ると、


「ユフィさん? ……何だか、ちょっとやつれてませんか?」

「……き、気のせいよ」


 かなりゲッソリしたユフィさんが扉の前に立って居た。

 一体、どうしたんだろう? ユフィさんって呼んだのに、それを訂正する事すらしないし、普通に返事しちゃっているし。

 やっぱり体調が悪いのかな?


「えっと、ユフィさん。今からご飯を作るんですけど、一緒に食べます?」

「……あ、あなたの施しなんて――ぐりゅりゅりゅぅ――い、要らな……要らないんだからっ!」


 いや、今めちゃくちゃお腹鳴ってたよ? 私よりも遥かに大きな音がしていたんだけど。

 一先ずキッチンへ向かい、手早くミルクリゾットを二人分作り、リビングへ。


「ユフィさん。ミルクリゾットを作ったんですけど、ちょっと間違えて多く作り過ぎちゃったんです。捨てるのも勿体無いので、良ければ食べていただけませんか?」


 何故か私の部屋で茫然としているユフィさんに声を掛けると、


「……しょ、食料を粗末にするのは良くないわよね。す、少しだけなら食べてあげても良いわ」


 凄い勢いでユフィさんが近づいてきて、涙を流しながらスプーンを口へ運ぶ。

 そんなのお腹が空いていたのかな?

 食料はあるから、好きに食べて良かったのに。


『まぁ、今回のは良い薬になったんじゃないかな? ただ、これで自分の言動を改めるとは思えないけど』

(何の事?)

『リディアは気にしなくて良いよー。ずっと寝ていて、既に治っているからねー』


 エミリーが何の事を言っているのかは分からなかったけど、


「ご、ご馳走様。わ、悪くは無かったわ。じゃ、じゃあ、おやすみ!」


 ユフィさんがリゾットを完食し、逃げるようにして二階へと上がって行った。

 そして、翌日……学校が終わって迎えに来てくれたクロードさんにアクセサリーが完成した事を伝え、王宮へ連れて行ってもらった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ