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精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた  作者: 向原 行人
第2章 精霊と学校へ通う元聖女

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第29話 順調に進むアクセサリー作り

「お食事を……? って、鍵が掛かってる!?」

「あ、後で食べるので、リビングに置いておいてください」


 扉の外からユフィさんの声が聞こえ、いつの間にか夜になっていた事に気付いた。

 相変わらず、アクセサリー作りに没頭してしまうと、時間があっという間に過ぎてしまう。


「んー! 丁度、集中力も途切れたし、ちょっと休憩にしよっか」

『そうだねー。リディアはアクセサリー作りを始めると、周りが見えなくなって、食事もとらずに作業を続けるからね。休憩は適宜とった方が良いよ?』

「作るのが楽しくて、ついのめり込んじゃうんだよねー」

『まぁ丁度良いタイミングだし、夕食を取っておきなよ』


 キリの良い所まで作業を続け、一旦作業を止める。

 今回は一つ一つのオーダーメイドではなく、同じアクセサリーを沢山作るので、先ずは必要なパーツを一気に作っているんだけど、同じパーツを何個も作るから、とにかく速度が速い。

 完成品は未だ一つも無いけれど、同じアクセサリーを一つ一つ作るよりも、最終的な作業時間は格段に短くなるはずだ。

 座りっ放しで疲れたので、大きくノビを一つ。そのまま立ち上がって、扉へ……って、鍵なんてかけたっけ?


『ウチが掛けておこうって言ったからだよ』

(あ、そうだったね。でも、ユフィさんも食事を作ってくれた訳だし、やっぱりメイドさんとしてちゃんと働いているんだよー)

『そうかなー? あ、リビングのテーブルに何か置いてあるね。さっき言ってくれていた夕食かな?』

(きっとそうだよ。美味しそうだし、早速いただこーっと)

『リディア、待って! 食べちゃダメだよっ!』

(……? あ、そっか。手を洗ってなかったね)

『いや、そういう事じゃなくて、毒……は、言い過ぎだけど、そのパンは食べちゃダメだよ!』


 お肉や野菜が挟まれた美味しそうなパンが目の前にあるというのに、エミリーから食べてはいけないと止められてしまった。

 作業に没頭している時は空腹なんて感じないんだけど、今はお腹が空いてしまっているから、ご飯を目の前にして止められるのは辛いよ。


『リディア、よく見て。ほら、このパンに挟まれている肉……鶏肉なのに、生だよ』

(えっ!? あ、本当だ。流石にこれはお腹を壊しちゃうね)

『わざとなのか、無知なのかは何とも言えないけれど、リディアが自分で作った方が良いんじゃないかな』

(そ、そうだね。えっと、ユフィさんはお姫様だから、きっと料理が初めてだったんだよ。明日にでも教えてあげなきゃ)

『……まぁ現時点ではユフィはグレーだから、リディアがそう判断するなら、ウチはこれ以上は言わないけど……本当に気を付けないとダメだからね?』


 エミリーの忠告で、目の前のパンは食べない事にしたけど、流石に捨てるのは勿体無いと思う。

 世界には満足に食事をとる事が出来ない方も居るので、これを何とかしたいんだけど……とりあえず焼いてみようかな?

 目の前の料理? をキッチンへ運ぶと、パンの間から取り出した鶏肉をスライスしてよく焼き、パンや野菜にも火を通して……こ、これなら大丈夫だよね?


『え……さっきのを食べるの? 止めておいたら?』

(でも、勿体無いもん)

『そうかもしれないけどさ……うーん。じゃあさ、とりあえずウンディーネの癒しの水を用意しておこうよ。食べ終えた後に何かあったとてしても、回復出来るし』


 エミリーの提案で、水の精霊ディーネちゃんに来てもらい、コップへ癒しの水を注いでもらう。

 ……何気に、怪我をしている人に癒しの水を飲んでもらう事はあっても、自分で飲むのは初めてのような気がする。


『まぁ普段はウチがリディアを護っているからね。怪我なんてさせないよっ!』

(そうだね。じゃあ……いただきまーす)


 うん、美味しい。自画自賛になっちゃうけど、下味の加減も火の通り具合も完璧っ!

 葉物野菜を焼いたけど、これはこれでアリね。

 後、念の為にディーネちゃんに注いでもらったお水を飲んで……


「ご馳走様でしたっ!」


 お腹もいっぱいになったので、再びアクセサリー作りに戻り、日が変わったあたりで就寝する事にした。

 ……翌日、何故かユフィさんが二階から降りて来なかったけど、まさか自分で生肉とかを食べたりはしていないよね?

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