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精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた  作者: 向原 行人
第2章 精霊と学校へ通う元聖女

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第26話 何かに気付いたエミリー

「……そういう訳で、すみません。あんまり大した情報は得られなくて……」


 今日もいつものようにクロードさんが迎えに来てくれたんだけど、騎士ではない普通の国民がどのような石の効果を求めているかを学校で聞いてくる……昨日そう言ったのに、特に得られるものが無かった事を告げると、


「いえ。そもそも、そういった仕事は我らの仕事ですよ。リディアさんは石の効果が判別出来る……それだけで凄い事なんですから」


 馬車の中でクロードさんに励まされてしまった。

 改めて、今私がやるべき事をおさらいすると、精霊石や力ある石を大量に持つ大臣から、石の管理をシャルロットちゃんに移し、ドワーフさんたちとの関係性を改善する事。

 万が一、大臣側と争いになってしまった時に、配下である魔道士たちに対抗するため、騎士さんたちの石――アクセサリーを用意する事。

 私が精霊の力を判別する事が出来るとバレないように、学生の振りを続ける事……の三つとなる。

 仕方がない。石の効果はさておき、暫くはアクセサリー作りに専念するべきかな。

 そんな事を考え、残りの騎士隊長さんのアクセサリーを作ったら、暫くは王宮に来るのも控えて製造に励もう……そんな事を考えている内に、王宮へ到着してしまった。


「お待たせしました。昨日お話を聞いて作成した、虎目石――タイガーアイという石を使ったアクセサリーです」


 第四騎士隊隊長さんを見つけ、視野を広げたいという要望に応える為のアクセサリーを渡す。

 それから、騎士隊長さんの最後の一人、第三騎士隊長さんからも話を聞いた所で、馬車の中で考えていた話をクロードさんに伝える。


「なるほど……畏まりました。では、リディア様がアクセサリー作成へ専念出来るようにする為、食事や掃除のお世話をさせていただく者をつけさせてください」

「え? それってメイドさんって事ですよね? 家事は自分で出来るので、大丈夫ですよ」

「しかし騎士隊長は五名ですが、その配下の騎士となると、かなりの者がおります。私も自身が任されている隊のみしか把握出来ておりませんが、少なくとも第二騎士隊だけで五十名は居るのです」

「た、単純計算で二百五十人くらい居るって事ですか……か、かなり大変ですね」

「えぇ。騎士隊長は個別に石の効果を設定いただきましたが、騎士たちはそこまで出来ないと思いますし、リディア様にお作りいただいた物を、それぞれの適正をふまえて振り分ける……という形になろうかと思いますが、それでも数が数ですので」


 結局、騎士さんたちにアクセサリーが行き渡るのも、早い方が良いという事もあり、クロードさんにメイドさんを付けると押し切られてしまった。

 メイドさんだって給金が必要な訳だし、家を提供してもらっている上に、そんな費用まで使わなくても良いのに。


『まぁまぁ。それだけリディアを頼りにしているって事だよ』

(それでももっと違う事にお金を使えば良いのに)

『でも、それでメイドさんの雇用が生まれる訳だし、それはそれで……』


 話をしている途中で、突然エミリーが何かを見つけたらしく、動きを止める。

 一体何かと思ってエミリーの視線の先を見てみると……ロビンさんが居た。

 いつものようにメイドさんと話をしているだけみたいに見えるけど、何かエミリーが気になる事でもあったのだろうか。


(エミリー、どうかした?)

『え? う、ううん。何でもないよ。さぁそれよりアクセサリー作りを頑張らないとね』


 何だろう。エミリーが何を見たのかは分からないけれど、一先ず今日は家に帰り、第四騎士隊隊長さんのアクセサリーを作ると共に、騎士さんたち用のアクセサリー――既に受け取っている力ある石を使ったアクセサリーを作り始まる事にした。

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